機械保全技能士の機械系保全作業とは|試験の内容と出る部品

機械保全技能士の機械系保全作業の試験内容と出題例の部品を紹介する記事のアイキャッチ。作業台の軸受やバルブと点検する手元

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機械保全技能士を受けようと決めて、まず迷うのが「どの作業で受けるか」ですよね。『機械系って、実技で何をさせられるんだろう』と不安な方も多いはずです。

結論から言うと、機械保全技能士の機械系保全作業は、機械の部品や潤滑剤の状態を見て判断する力を問う作業です。実技は工具を握る作業ではなく、写真や標本を見てマークシートで答える「判断等試験」なんです。

この記事では、試験の形と範囲、出題例に出てくる部品の覚え方、等級ごとの準備の順番をお伝えしますね。

目次

機械系保全作業とは?機械保全技能士の3つの作業の中での位置

先に結論

機械保全技能士は、等級(特級・1級・2級・3級)と作業の組み合わせで受けます。機械系保全作業は、特級を除くすべての等級(1級・2級・3級)で選べる作業です。

機械保全技能士の試験は、試験を行う日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の試験要項で、特級以外は作業ごとに実施すると決められています。作業は機械系保全作業・電気系保全作業・設備診断作業の3つです。

この中で機械系は、3級から1級まで一本の道で上がっていける作業です。設備診断作業には3級がなく、電気系は実技で回路を実際に組みます。

作業3級2級1級実技の形
機械系保全作業ありありあり判断等試験(マークシート)
電気系保全作業ありありあり製作等作業試験(作業採点)
設備診断作業なしありあり判断等試験(マークシート)

『工具を使う作業がないなら、機械系は楽なのでは?』と思うかもしれません。ただ、写真や標本から部品の欠陥や異常を見抜くには、現場で部品を見てきた目が必要です。

機械系が扱うのは「機械の部品」と「潤滑剤」

3級の機械系の実技範囲は、JIPMの「3級 機械系保全作業 実技試験の出題について」で、次の3つと示されています。

  • 機械の主要構成要素に生ずる欠陥の発見
  • 機械の異常時における対応措置の決定
  • 潤滑剤の判別

つまり、部品のどこが傷んでいるかを見つけ、どう対応するかを決め、潤滑剤を見分ける。この3つが機械系の柱なんです。

3つの作業の違いを先に知りたい方へ

電気系や設備診断との比べ方は機械保全技能士の種類|機械系・電気系・設備診断の違いと選び方で詳しく並べています。

機械系の試験はどんな形?学科と実技(判断等試験)の中身

ここでの結論

学科はどの作業でも共通の科目に「機械系保全法」が加わる形です。実技は判断等試験で、3級は7課題・70分、1級と2級は8課題・80分をマークシートで答えます。

機械系の試験は、学科と実技の両方に合格して初めて「技能士」と名乗れます。まずは学科から見ていきましょう。

学科の科目

JIPMの「試験科目及びその範囲並びにその細目」では、1級から3級の学科は次の科目でできています。機械系を選んだ人の選択科目は「機械系保全法」です。

科目中身の例(細目から)
機械一般工作機械などの種類・構造・機能・用途
電気一般電流・電圧・電気抵抗・電力、電動機の起動方法など
機械保全法一般保全の考え方や方法
材料一般金属材料の種類・性質・用途、熱処理
安全衛生作業の安全と衛生
選択科目機械系保全法

『機械系なのに電気の問題も出るの?』と驚く方もいますよね。電気一般はどの作業でも共通の科目なので、機械系を選んでも出題範囲に入ります。

学科の形式は、3級が真偽法30問・60分、1級と2級が真偽法25問と四肢択一式25問・100分です。どちらもマークシートで答えます。

実技は「判断等試験」

JIPMの試験要項では、判断等試験を次のように説明しています。対象物や現場の状態を、原材料・標本・模型・写真・ビデオなどで示し、判別・判断・測定などをさせて技能の程度を評価する試験です。

等級課題数試験時間答え方
3級7課題70分マークシート
2級8課題80分マークシート
1級8課題80分マークシート

知恵袋でも『実技試験という名の学科試験なの?』という相談が見られます。答え方は紙のマークシートですが、問われるのは部品を見て判断する力です。

文章を読んで覚えた知識より、写真の部品を見て「これは何で、どこが悪いか」を言い当てる力が試されるんですね。

合格基準と当日の流れ

合格基準は、学科が100点満点で65点以上、実技が減点法で減点40点以下(60点以上)です。各設問の配点や個人の採点結果は公表されていません。

当日に向けて確かめておくこと
  • 集合時刻を受検票で確認する(JIPMのよくあるQ&Aでは、3級の機械系実技は13時15分、それ以外の機械系実技は14時15分)
  • 3級の機械系実技は、集合から終了までおおよそ90分の目安
  • 機械系の実技では電卓を使えない(使えるのは設備診断と特級の実技だけ)
  • 受検票はマイページから印刷して持っていく

出題例に出てくる部品を4つのグループで覚える早見表

ここでの結論

過去の出題例に出てくる部品は、バラバラに覚えるより「締結」「伝動」「流体」「潤滑」の4つに分けると頭に入りやすくなります。分け方はこの記事独自の整理なので、試験の区分ではありません。

3級の機械系実技の過去の出題例として、JIPMはボルト・ナット、潤滑油、工具・測定器、空気圧装置、軸受、ねじ、キー・ピン、密封装置、弁(バルブ)に関する問題を挙げています。

並べてみると多く感じますよね。でも、部品の役割でまとめると、覚える量はぐっと減って見えるんです。

部品の役割で分けた早見表

グループ入る部品(出題例から)見ておきたいこと
締結(つなぐ・止める)ボルト・ナット、ねじ、キー・ピン名前、使われる場所、ゆるみや破損の見た目
伝動(回す・支える)軸受(ベアリング)、歯車名前、傷み方の違い、異音や異常振動との関係
流体(流す・止める・漏らさない)空気圧装置、弁(バルブ)、密封装置弁の種類と用途、漏れの見つけ方、空気圧回路の記号
潤滑(油で守る)潤滑油・潤滑剤種類、粘度、劣化の程度、混ざった不純物
道具(どのグループにも関わる)工具・測定器名前と正しい使い方
機械系保全作業の出題例に出てくる部品を、締結・伝動・流体・潤滑の4つのグループに分けた早見表の図解

歯車は3級の出題例の一覧には入っていません。ただ、試験科目の細目では、設備診断作業で「転がり軸受・歯車の損傷解析」が出てきます。伝動のグループで軸受と一緒に見ておくと、上の級でも役立ちますよ。

欠陥の見え方は1級の細目が参考になる

1級の機械系の実技範囲の細目には、部品に生じる欠陥として次の言葉が並んでいます。どのグループの部品でも、この目で見る練習をしておきましょう。

  • 焼付き、異常摩耗、破損、亀裂、腐食
  • 過熱、発煙、異臭
  • 異常振動、異音、漏れ

例えば、軸受なら「異音や異常振動はどこで出るか」、密封装置なら「漏れはどこから起きるか」と結びつけて覚えます。部品の名前と、傷んだ時のサインをセットにするのがコツなんです。

「ウォーム減速機」「ポンプ」はどう扱う?

『2級ではウォーム減速機の組立図が出るって聞いた』『ポンプの問題はある?』と気になる方もいますよね。この記事では、特定の部品が出るかどうかの予想はしません。

JIPMは、機械系の実技について出題例(問題概要)を公式サイトに常時掲載しています。ウォーム減速機の組立図やポンプについても、まずは公式の出題例と過去の問題で、どんな形で問われているかを自分の目で確かめてみてください。

よくある失敗

ネットの「今年はこれが出る」という話だけで範囲を絞ってしまう。実技の写真や図版は検定秘で公表されないので、出題例と細目を軸に、部品の名前と役割を広く押さえておくほうが安心です。

2級・3級・1級で機械系は何が変わる?準備の順番も

ここでの結論

等級が上がると、課題数が増えるだけでなく、求められる立場が変わります。法令上の程度は、3級が初級、2級が中級、1級が上級の技能労働者が通常持つべき技能と知識です。

機械保全の機械系2級を受けるか、3級から始めるかで迷う方は多いです。職業能力開発促進法施行規則では、各等級の程度が次のように決められています。

等級法令上の程度機械系の実技受検資格の目安(JIPMの2026年度試験要項)
3級初級の技能労働者7課題・70分実務経験は問わない
2級中級の技能労働者8課題・80分実務2年以上、または3級合格者など
1級上級の技能労働者8課題・80分実務7年以上、ほか短縮あり

1級の細目を見ると、欠陥の発見や異常時の対応に加えて「機械の保全計画の作成」が入っています。機械履歴簿・点検表・点検計画書を作ったり、故障の傾向を分析したりする力です。

3級や2級は「部品を見て判断する」力が中心です。1級になると「計画を立てて、傾向から先回りする」力まで問われると考えておきましょう。

機械保全技能士の機械系2級を受ける人へ

機械系2級は、学科が真偽法と四肢択一式の50問・100分になり、実技は8課題に増えます。3級に合格していれば、実務経験の年数を問わずに2級を受けられます。

『3級を飛ばして2級からでもいい?』という方は、実務が2年以上あれば2級から受けることもできます。2級の実技の出題と練習の順番は機械保全技能士2級の実技対策でまとめています。

3級から受ける方へ

3級の機械系実技の進め方は機械保全技能士3級の実技対策|機械系の判断等試験の進め方で詳しく紹介しています。

機械系の準備はこの順番で進めよう

どの等級を受ける場合も、最初に公式の出題例と細目を見て、範囲の全体を知ることから始めます。そのあと、部品の名前と傷み方をセットで覚え、過去の問題で答え方に慣れていく流れが進めやすいです。

働きながら準備する方も、学生の方も、使える時間には限りがありますよね。機械系は覚える部品の種類が多いので、順番を決めてから始めると迷いが減ります。

機械系保全作業の準備の流れ
  1. JIPMの公式サイトで、機械系の出題例(問題概要)と試験科目の細目を見る
  2. 早見表の4つのグループごとに、部品の名前と役割をノートにまとめる
  3. 部品ごとに「傷んだ時のサイン」を書き足す
  4. 公開されている過去の問題と正解で、答え方に慣れる
  5. 職場の設備で、同じ部品がどこに使われているかを探してみる
機械系保全作業の準備を、出題例の確認から職場での実物探しまで順に示した図解

学科の準備も並行して進めましょう。選択科目の機械系保全法は、実技で覚えた部品の知識と重なる所が多いので、実技と学科を行き来しながら覚えると効率がいいんです。

一方で、電気一般や材料一般は、機械系の実技ではあまり触れない分野です。苦手に感じる方は、学科の科目ごとの攻め方を機械保全技能士の学科試験|出題範囲と科目ごとの攻め方で確かめておくと安心ですよ。

工場の設備の軸受まわりを、作業手袋をした手元が点検している写真

職場の設備は一番の教材

5つ目の「職場で探す」は、意外と効きます。写真で見た軸受や弁が、実際の設備のどこにあるかを知るだけで、記憶の残り方が変わるんです。

例えば、先輩にこう聞いてみるのもいいですね。

「この配管の弁、何ていう種類ですか?」

「それは〇〇弁だよ。この配管のここで使ってるんだ」

こんな短いやりとりでも、名前と用途がセットで頭に入ります。

過去問の使い方の注意

JIPMは、過去に実施した3年分(試験要項では3回分)の試験問題の概要と正解を公式サイトで公表しています。ただし、機械系の実技の写真や図版は検定秘のため公表されていません。

だからこそ、過去問は「答えを覚える」より「どんな聞かれ方をするか」を知るために使いましょう。過去問の探し方は機械保全技能士の過去問はどこで見る?で紹介しています。

機械系保全作業でよくある相談

ここでの結論

知恵袋では「機械系と電気系で資格に差はあるか」「なぜ1級のほうが受かりやすく見えるのか」「実技は筆記なのか」という相談がよく読まれています。公式の情報で答えられる範囲でお答えしますね。

相談1「機械系で取っても電気系で取っても、資格に差はない?」

とてもよく読まれている相談です。結論から言うと、どちらも同じ「機械保全技能士」で、等級ごとの法令上の程度も同じです。

違うのは、名乗る時に作業名を添えられる点です。JIPMの表記例では「2級機械保全技能士 機械系保全作業」のように、等級・職種・作業の順で書きます(作業名は省略できます)。

履歴書や名刺に作業名まで書くと、どんな力を持っているかが相手に伝わりやすくなります。書き方は機械保全技能士の履歴書の書き方を参考にしてみてください。

相談2「機械系は、なぜ2級より1級のほうが合格率が高いの?」

これも閲覧の多い相談です。まず知っておきたいのは、作業別(機械系・電気系・設備診断)の合格率は公表されていないことです。

厚生労働省が公表しているのは、職種「機械保全」の等級ごとの受検申請者数と合格者数です。作業ごとに比べた数字ではないので、「機械系は1級のほうが受かりやすい」と言い切ることはできません。

1級と2級では受検資格が違い、受ける人の実務の長さも違います。顔ぶれが違うことも、数字を読む時には頭に入れておきましょう。等級ごとの数字は機械保全技能士の合格率と難易度で紹介しています。

相談3「機械系の実技は、実技という名の学科試験なの?」

『実技なのに筆記?』と戸惑う方は多いですよね。機械系の実技は判断等試験で、答え方はマークシートです。

ただ、問われる中身は学科とは違います。標本や写真を見て部品を判別し、欠陥や異常に気づけるかを見る試験です。

学科で問われること
  • 用語や仕組みの知識
  • 真偽法や択一式の文章問題
  • 機械一般から安全衛生まで幅広い
機械系の実技で問われること
  • 写真や標本からの判別
  • 欠陥の発見と異常時の対応
  • 潤滑剤の見分け

機械系の資格を仕事でどう活かす?

ここでの結論

機械系保全作業で身につく「部品を見て判断する力」は、工場の設備保全の日常点検や異常対応にそのままつながります。今の職場で上の級を目指す道も、資格を活かせる職場を探す道も、どちらも正当な選択肢です。

厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)では、技能検定(機械保全)の資格を取ることで技能が社内で認められて地位が向上することが多い、と書かれています。転職時にも資格保有者は有利だとされています。

JIPMの案内でも、企業・団体によっては受検料補助や合格報奨金、資格手当などを受けられるとしています。ただ、中身は会社によって違うので、就業規則や求人票で確かめてみてください。

資格を活かせる職場を見る時のポイント
  • 保全の専門部署があるか、製造と兼務か
  • 扱う設備の種類(機械設備が中心か、電気・制御も多いか)
  • 資格手当や受検料補助、取得支援があるか
  • 勤務体制(日勤のみか、交替勤務があるか)

『もっと設備の大きい工場で経験を積みたい』『機械系の資格を評価してくれる会社を見てみたい』という方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がります。

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機械保全の仕事全体の中身は機械保全とは|設備保全との違いと現場での仕事の中身で紹介しています。

よくある質問

機械保全技能士の機械系保全作業は、何級から受けられますか?

機械系保全作業は3級・2級・1級で選べます。3級は実務経験を問わずに受けられ、学生や新入社員の方も多く受けています。特級は作業の区分がない別の試験です。

機械系の実技で、ベアリングやバルブはどう覚えればいいですか?

軸受(ベアリング)や弁(バルブ)は、名前と役割、傷んだ時のサインをセットで覚えるのがおすすめです。出題例と細目を見ながら、職場の設備で実物を探すと記憶に残りやすくなります。

機械系の実技で電卓は使えますか?

使えません。JIPMの案内では、電卓を使えるのは設備診断作業と特級の実技だけで、四則演算など標準機能のものに限られます。学科でも電卓は使えません。

機械系に合格したあと、電気系も受けるとどうなりますか?

JIPMの試験要項では、技能士は合格した作業以外の作業でも、合格した等級以下の学科試験が免除されます。例えば2級の機械系に合格した人は、電気系の3級・2級の学科が免除です。

まとめ

この記事の要点
  • 機械系保全作業は3級・2級・1級で選べ、実技は判断等試験(マークシート)
  • 3級の実技範囲は欠陥の発見・異常時の対応措置・潤滑剤の判別
  • 出題例の部品は「締結・伝動・流体・潤滑」に分けると覚えやすい
  • 等級が上がると、1級では保全計画の作成まで問われる
  • 作業別の合格率は公表されていないので、数字の読み方に注意する

機械系保全作業は、部品と向き合ってきた経験がそのまま力になる作業です。まずは公式の出題例を開いて、どんな部品が並んでいるか眺めるところから始めてみてください。

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