機械保全技能士の試験内容|学科の出題範囲と科目ごとの攻め方

機械保全技能士の学科試験の出題範囲と科目ごとの攻め方を紹介する記事のアイキャッチ。教科書とマークシートが置かれた机

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機械保全技能士の勉強を始める時、『学科ってどんな問題が出るの?』と気になりますよね。科目の名前を見ても範囲が広くて、どこから手をつければいいか迷う方も多いはずです。

結論から言うと、機械保全技能士の学科は、1級・2級・3級なら機械一般・電気一般・機械保全法一般・材料一般・安全衛生と選択科目の6科目から出ます。科目ごとに「経験で解ける所」「覚えれば解ける所」「計算が要る所」が違うので、攻め方を変えるのが近道です。

この記事では、学科の試験内容を等級別に紹介し、科目ごとの攻め方をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士の試験内容は学科と実技の2本立て

先に結論

機械保全技能士の試験は、学科試験と実技試験の2つです。両方に合格すると「機械保全技能士」と名乗れます。学科はどの等級もマークシート方式で、作業によって選択科目だけが変わります。

機械保全技能検定は、職業能力開発促進法に基づく国家検定です。職業能力開発促進法では、技能検定は実技試験と学科試験によって行うと定められています。

試験を行うのは、厚生労働大臣の指定試験機関である日本プラントメンテナンス協会(JIPM)です。等級は特級・1級・2級・3級の4つで、特級以外は作業を選んで受けます。

試験何を確かめるか解答のしかた
学科試験機械・電気・保全・材料・安全の知識マークシート方式
実技試験部品の見分けや配線など作業の技能マークシートまたは作業採点

『学科と実技、どっちが大事なの?』と思う方もいますよね。技能士を名乗るには両方の合格が必要なので、どちらも同じくらい大切です。

実技の内容は、機械保全技能士の実技試験で作業ごとに紹介しています。作業の種類そのものの違いは機械保全技能士の種類で比べています。

等級ごとの学科試験の形と時間

JIPMの試験要項では、3級は真偽法30問・60分、1級と2級は真偽法25問と四肢択一式25問・100分、特級は五肢択一式50問・120分です。合格基準はどの等級も100点満点で65点以上です。

JIPMの試験要項に載っている学科試験の形を、等級ごとに表にしました。

等級出題形式と問題数試験時間解答方法
特級五肢択一式50問120分マークシート方式
1級真偽法25問・四肢択一式25問100分マークシート方式
2級真偽法25問・四肢択一式25問100分マークシート方式
3級真偽法30問60分マークシート方式

真偽法は、1つの文が正しいか誤りかを答える問題です。四肢択一式は4つの選択肢から、五肢択一式は5つの選択肢から1つを選びます。

合格基準は65点

JIPMの試験要項では、学科は「加点法で100点満点として65点以上」で合格です。設問ごとの配点は公開されていません。

満点を取る必要はないので、苦手な科目があっても、ほかの科目で取り返せる試験なんです。合格率や難易度は機械保全技能士の合格率と難易度で紹介しています。

学科では電卓が使えない

JIPMの「電卓(計算機)の使用について」では、学科試験での電卓の使用は認められていません。計算の問題は、手で解くことになります。

よくある失敗

ふだんの練習で電卓を使っていて、本番で手計算に戸惑うことがあります。過去問の計算問題は、最初から紙と鉛筆だけで解く練習をしておきましょう。

学科の出題範囲:6つの科目の中身

ここでの結論

1級・2級・3級の学科は、共通の5科目と、作業ごとの選択科目1つから出題されます。選択科目は、機械系保全法・電気系保全法・設備診断法のうち、受ける作業に合った1つです。

JIPMの「試験科目及びその範囲並びにその細目」をもとに、1〜3級の学科の科目を表にしました。細目の例は、1級の資料に載っているものの一部です。

科目細目の例(1級の資料から)
機械一般工作機械・化学機械・荷役機械・自動組立て機械などの種類・構造・機能・用途
電気一般電流・電圧・電気抵抗・電力・周波数・力率、誘導電動機の回転数と極数と周波数の関係、電動機の起動方法、回路遮断器、電気制御装置の基本回路
機械保全法一般細目はJIPMの等級別の資料で確かめる
材料一般金属材料の種類・性質・用途、熱処理
安全衛生細目はJIPMの等級別の資料で確かめる
選択科目機械系保全法・電気系保全法・設備診断法から1つ

『機械系で受けるのに、電気一般も出るの?』と驚く方は多いですよね。共通の5科目はどの作業でも同じなので、機械系の方も電気の基本は避けて通れません。

選択科目は作業で決まる

選択科目は、受ける作業に合わせて決まります。3級には設備診断作業がないので、選択科目も機械系保全法と電気系保全法の2つです。

等級選べる選択科目
1級・2級機械系保全法・電気系保全法・設備診断法
3級機械系保全法・電気系保全法

特級は科目がまったく違う

特級の学科は、1〜3級とは科目そのものが変わります。工程管理・作業管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理と環境の保全・作業指導・設備管理の7分野です。

細目には、生産計画やQC七つ道具、損益分岐点などが並んでいます。特級の中身は機械保全技能士特級とはで詳しく紹介しています。

6科目を「経験・暗記・計算」の3つに分けて攻める

ここでの結論

学科の科目は、現場の経験で解ける所、覚えれば解ける所、計算が要る所の3つに分けられます。自分の経験に合わせて、どの科目に時間を使うかを決めてみてください。

6つの科目を同じやり方で勉強すると、時間がいくらあっても足りませんよね。そこで、科目の中身を3つの種類に分けてみました。この分け方は、この記事で独自に考えたものです。

種類当てはまりやすい科目の例攻め方
現場の経験で解ける機械保全法一般、選択科目、安全衛生職場の点検や修理の場面を思い出しながら解く
覚えれば解ける機械一般、材料一般、安全衛生用語と部品の名前を一覧にして見返す
計算が要る電気一般(電流・電圧・抵抗・回転数など)公式を手で書き、電卓なしで解く練習をする
機械保全技能士の学科の6科目を、現場の経験で解ける所・覚えれば解ける所・計算が要る所の3つに分けて攻め方を示した図解

経験で解ける所は「職場の場面」と結びつける

保全の仕事をしている方なら、点検や不具合の対応の問題は、ふだんの仕事と重なる所が多いはずです。過去問を解く時に、職場の設備で同じ物を思い浮かべてみてください。

「この問題の部品、うちのラインのどこにある?」
「あ、搬送のコンベヤの軸受がそうですね。」

こんなふうに実物と結びつけると、覚えた知識が抜けにくくなります。学生の方は、実習で触った機械を思い出すだけでも違いますよ。

覚えれば解ける所は「間違えた語句」だけ集める

材料の種類や熱処理、機械の種類などは、知っていれば一瞬で解ける問題です。逆に、知らなければ考えても答えにたどりつけません。

過去問で間違えた語句だけを書き出して、自分用の一覧を作ってみてください。正解した問題まで写すと量が多すぎて、見返さなくなってしまいます。

計算が要る所は手を動かす

電気一般には、電流・電圧・抵抗の関係や、誘導電動機の回転数と極数と周波数の関係など、計算で解く問題が出ます。解説を読んで分かった気になっても、本番で手が止まりやすいんです。

答えを見る前に、紙に式を書いて最後の数字まで出してみましょう。間違えた時は、式の立て方で迷ったのか、計算の途中で間違えたのかを分けておくと次に活かせます。

科目ごとの準備のチェック
  • 選択科目が、受ける作業に合っているかを確かめた
  • 電気一般の計算を、電卓なしで解ける
  • 材料一般の用語を、自分用の一覧にまとめた
  • 安全衛生の問題を、職場の決まりと結びつけて覚えた
  • 機械保全法一般の問題で、理由まで説明できる

等級ごとの学科の攻め方

ここでの結論

3級は真偽法に慣れること、2級と1級は選択肢を比べる力を付けること、特級は管理の新しい分野を学ぶことが、それぞれの学科の攻め方の中心です。

同じ学科でも、等級によって問題の形が違うので、攻め方も変わります。等級ごとの違いを表にしました。

等級学科で意識したいことよくあるつまずき
3級文のどこが誤りかを見抜く似た言葉の取り違え
2級真偽法と四肢択一式の両方に慣れる100分の時間配分
1級選択肢の違いを理由で説明する言い回しが変わった問題
特級管理の7分野の基本を押さえる1級までの勉強の延長で考えてしまう

機械保全技能士3級の学科

3級の学科は、真偽法30問を60分で解きます。1問に使える時間は2分ほどあるので、落ち着いて文を読めば時間は足りるはずです。

真偽法の誤りの文は、言葉や数値の一部が正しい文と違っていることがあります。過去問で誤りの文に出会ったら、どこを直せば正しくなるかを書き込んでみてください。

3級全体のことは機械保全技能士3級とはで紹介しています。

機械保全技能士2級の学科と1級の学科

2級と1級の学科は、真偽法25問と四肢択一式25問を100分で解きます。形は同じですが、法令上の程度は2級が「中級」、1級が「上級」の技能労働者です。

四肢択一式は、正解を一発で選ぶより、違う選択肢を消していくほうが確実です。過去問では、正解以外の3つがなぜ違うのかまで確かめておきましょう。

『2級と1級で、同じ勉強でいいの?』と迷う方もいますよね。1級では、同じ科目でも理由を問う問題が増えるので、答えの番号ではなく考え方を覚えるのが大切です。

100分の学科の解き方の順番
  1. 最初に問題全体を見て、得意な科目の位置を確かめる
  2. 真偽法25問を、迷った問題に印を付けながら解く
  3. 四肢択一式25問を、選択肢を消しながら解く
  4. 印を付けた問題に戻って見直す
  5. マークのずれがないかを最後に確かめる

特級の学科

特級の学科は、五肢択一式50問を120分で解きます。選択肢が5つに増えるうえ、問われるのは工程管理や原価管理など、1級までとは別の分野です。

『1級の過去問をもう一度やり直せばいいかな』と考えるのは、少しもったいないんです。品質管理の手法や損益分岐点のような管理の考え方を、職場の数字に当てはめながら学ぶほうが、特級の問題には近づけます。

比べる点1級の学科特級の学科
出題形式真偽法25問・四肢択一式25問五肢択一式50問
試験時間100分120分
中心の分野機械・電気・材料など設備の知識工程・品質・原価など管理の知識

学科試験の日程と当日の流れ

ここでの結論

2026年度の学科試験は、第1回(3級)が2026年6月21日、第2回の2級が2026年12月13日、特級・1級・3級が2027年1月10日です。学科の集合はどの等級も11時です。

試験の日が近づくと、当日の流れも気になってきますよね。JIPMの2026年度の実施公示では、試験は年2回です。

特級・1級・2級は第2回だけで行われます。

回等級学科の試験日
第1回3級2026年6月21日(日)
第2回2級2026年12月13日(日)(学科午前・実技午後)
第2回特級・1級・3級2027年1月10日(日)(学科午前・実技午後)

2026年度第2回の受検申請は2026年9月25日で締め切られています。日程全体は機械保全技能士の試験日と年間スケジュールで確かめてみてください。

集合から終了までの目安

JIPMのよくあるQ&Aでは、学科の集合時刻はどの等級も11時です。集合から終了までの目安は、特級が約140分、1・2級が約120分、3級が約80分とされています。

機械保全技能士の学科試験の当日、集合から問題の持ち帰りまでの流れを示した図解

問題は持ち帰れる

JIPMの試験要項では、学科の試験問題は試験終了後に持ち帰れます。正答例は、試験の後に公式サイトで公開されます。

「マークシートに塗るだけで、問題用紙には何も書かなかった……。」
「次からは、選んだ番号を問題用紙にも丸で囲んでおこう。」

自分の答えを問題用紙に書き込んでおけば、正答例が出た時に自己採点ができます。やり方は機械保全技能士の解答・正解はいつ公開?で紹介しています。

受検票について

受検票は郵送されず、マイページからダウンロードしてA4片面で印刷し、当日持っていきます。写真を貼る必要はありません。

学科の勉強の進め方と、過去問の使い方

ここでの結論

学科の勉強は、JIPMの公式サイトの過去問で出題の形をつかみ、間違えた所をテキストで確かめる流れが基本です。JIPMはテキストの発行や対策講座を行っていないので、市販の教材と組み合わせます。

JIPMの公式サイトでは、過去に実施した試験の問題(問題概要)と正解が公開されています。学科の問題も、ここで直近の分を確かめられます。

教材学科での使い方気をつけたいこと
JIPMの過去問出題の形と範囲をつかむ公開されるのは直近の分だけ
市販のテキスト間違えた所の考え方を学ぶ内容は公式に保証されたものではない
問題アプリすきま時間に用語を見返す迷った所はテキストで確かめる

過去問の探し方は機械保全技能士の過去問はどこで見る?で紹介しています。勉強の計画の立て方は機械保全技能士の勉強方法にまとめています。

学科だけ先に受かることもある

JIPMの試験要項では、学科か実技の片方だけ合格した場合、次回からその試験が免除されます。1級・2級・3級の一部合格の効力に期限はありません。

また、技能士になった方は、合格した作業以外の作業でも、合格等級以下の学科が免除されます。例えば2級の機械系保全作業に合格した方は、電気系保全作業と設備診断作業の3級・2級の学科が免除されます。

学科の知識を仕事でも活かす

学科で学ぶ機械や電気、材料の知識は、ふだんの保全の仕事の土台にもなります。厚生労働省の職業能力評価基準でも、設備保全には工学系の専門知識が必要だとされています。

勉強を続けるうちに、今の職場で上の級を目指すのも一つの道です。資格を活かせる職場や、設備の大きな工場の仕事も見てみたい方は、メーカーの保全求人を見比べると選択肢が広がりますよ。

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学科試験でよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「試験の難易度が変わったって本当?」

同じ疑問を持っている方も多いはずです。閲覧数の多い質問で、試験を行う団体が変わってから難易度が変わったのでは、という相談です。JIPMの案内では、平成26年度以前は都道府県の協会が行っていた試験で、平成27年度以降の合格者とは手続きの扱いが分かれています。

ただ、難易度が上がったか下がったかを示す公式の情報はありません。今の試験の形と範囲は、JIPMの試験要項と試験科目の資料で確かめるのが確実です。

相談2「試験が終わったけど、答えが合っているか知りたい」

学科と実技を受けた日に、自分の答えが合っているか確かめたいという相談です。学科の問題用紙は持ち帰れるので、答えを書き込んでおけば自己採点ができます。

2026年度第2回では、2級の問題と正解が2026年12月18日(金)10時から公表される予定です。特級・1級・3級は2027年1月15日(金)10時からです。

相談3「昔取った1級では、学科の免除が受けられない?」

20年前に1級を取っていて、設備診断作業を受けようとしたら、昔の資格では学科の免除が受けられないと聞いたという相談です。JIPMの試験要項では、技能士は合格した作業以外でも、合格等級以下の学科が免除されるとしています。

ただし、平成26年度以前に合格した方は、受検申請の時の「免除付受検申請」ではなく、「合格証書交付申請」という別の手続きになります。自分がどの手続きに当たるかは、JIPMの受検サポートセンターに確かめてみてください。

免除の仕組みは機械保全技能士の学科免除・一部合格で詳しく紹介しています。

よくある質問

機械保全技能士の試験内容を教えてください。

学科試験と実技試験の2つです。学科は1〜3級なら共通の5科目と選択科目1つから出題され、マークシート方式で答えます。

機械保全技能士2級の学科は何問ですか?

JIPMの試験要項では、真偽法25問と四肢択一式25問の合計50問を100分で解きます。1級も同じ形です。

機械保全技能士3級の学科は何問ですか?

真偽法30問を60分で解きます。合格基準は100点満点で65点以上です。

学科試験で電卓は使えますか?

使えません。JIPMの案内では、電卓を使えるのは設備診断作業の実技と特級の実技だけです。

機械系保全作業でも電気の問題は出ますか?

出ます。電気一般は共通科目なので、どの作業で受けても学科で出題されます。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士の試験内容は学科と実技の2本立てで、両方の合格で技能士と名乗れる
  • 学科は3級が真偽法30問・60分、1級と2級が真偽法25問と四肢択一式25問・100分、特級が五肢択一式50問・120分
  • 1〜3級の学科は共通5科目と選択科目1つから出題され、電気一般は機械系の方にも出る
  • 科目を経験で解ける所・覚えれば解ける所・計算が要る所に分けると攻め方を決めやすい
  • 学科では電卓が使えないので、計算は手で解く練習をしておく
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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