機械保全技能士2級の実技対策|判断等試験の出題と練習の順番

機械保全技能士2級の実技対策を紹介する記事のアイキャッチ。機械部品と実技練習用の盤が並ぶ作業台

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2級の学科は過去問で何とかなりそう。でも実技は何をどう練習すればいいのか分からない、という方も多いはずです。

結論から言うと、機械保全技能士2級の実技対策は、選んだ作業の「試験の形」を先に知ることから始まります。機械系と設備診断は見て判断する試験、電気系は手を動かして作る試験なので、練習の中身がまったく違うんです。

この記事では、作業ごとの出題の範囲と、申請から試験日までの練習の順番をお伝えしますね。

目次

2級の実技試験はどんな試験?作業ごとの形を先に知る

先に結論

JIPMの試験要項では、2級の実技は機械系保全作業と設備診断作業が「判断等試験」8課題・80分、電気系保全作業が「製作等作業試験」2課題・110分です。合格基準はどれも減点法で、減点が40点以下なら合格です。

機械保全技能士2級の実技試験は、学科と違って作業ごとに形が分かれています。まずは自分の受ける作業の形を確かめておきましょう。

作業実施方法と課題数解答方法試験時間
機械系保全作業判断等試験 8課題マークシート方式80分
電気系保全作業製作等作業試験 2課題作業採点(一部マークシート方式)110分
設備診断作業判断等試験 8課題マークシート方式80分

判断等試験と製作等作業試験の違い

JIPMの説明では、判断等試験は対象物や現場の状態を、標本・模型・写真・ビデオなどで見せて、判別・判断・測定をさせる試験です。製作等作業試験は、物の作製や組立て、調整を実際に行わせる試験です。

つまり、機械系と設備診断は「見て答える力」、電気系は「時間内に作り上げる力」が問われます。『実技って工具を持って何か作るんでしょ?』と思っていた方は、機械系の実技がマークシートだと知って驚くかもしれませんね。

合格基準は減点法

実技は100点から減点していく方式で、41点以上の減点がなければ合格です。合格発表のページでは「実技試験60点以上が合格」と書かれていて、意味は同じです。

JIPMの試験要項では、不正解だけでなく、空欄や記入ミスもすべて減点の対象になります。各設問の配点は公開されていないので、どの課題も落とさないつもりで準備するのが安心です。

よくある失敗

判断等試験で、分からない設問を空欄のまま提出してしまうことがあります。空欄も減点されるので、最後まで何かしら答えを書き込んでおきましょう。

当日の流れも知っておく

JIPMのよくあるQ&Aでは、3級以外の機械系・設備診断の実技は集合時刻が14時15分です。2026年度は、2級の学科と実技(電気系を除く)が2026年12月13日(日)に行われ、学科が午前、実技が午後でした。

電気系の実技は別の日に行われます。2026年度第2回は2026年11月28日(土)から2027年2月21日(日)までの土日で、事務局が試験日を決めて受検票で知らせる形です。集合から終了までは150〜180分程度(案内による)とされています。

試験全体の仕組みは機械保全技能士2級とは、実技全体の考え方は機械保全技能士の実技試験で紹介しています。

機械系保全作業の実技対策:部品と不具合を見分ける練習

ここでの結論

機械系の実技は、機械の部品に起きた欠陥の発見、異常時の対応の決定、潤滑剤の判別が中心です。教材の写真だけでなく、職場の実物を見る機会を増やすのが近道です。

JIPMの「試験科目及びその範囲並びにその細目」では、機械系保全作業の実技は次のような内容で示されています(1級の細目の例)。2級の細目は、等級別の公式PDFで確かめてみてください。

範囲細目の例
機械の保全計画の作成機械履歴簿・点検表・点検計画書の作成、故障傾向の分析
主要構成要素に生ずる欠陥の発見焼付き、異常摩耗、破損、過熱、異音、漏れ、亀裂、腐食など
異常時における対応措置の決定見つけた不具合に対して、どう処置するかを決める
潤滑剤の判別種類、粘度、劣化の程度、混入した不純物

参考までに、3級の機械系の実技で公表された出題例を見てみましょう。そこでは、ボルト・ナット、潤滑油、工具・測定器、空気圧装置、軸受、ねじ、キー・ピン、密封装置、弁(バルブ)が挙がっています。

2級でも、こうした部品の知識が土台になると考えておくと準備しやすいですよ。

機械系は「名前、状態、対策」の順で覚える

『部品の名前は分かるけど、写真で見ると区別がつかない』という方も多いですよね。機械系は、知識を段階に分けて覚えると頭に入りやすくなります。

機械系の練習の順番
  1. 部品の名前と役割を覚える(軸受、歯車、ねじ、密封装置など)
  2. その部品に起きる不具合の見た目を覚える(摩耗、焼付き、腐食など)
  3. 不具合の原因として考えられることを結びつける
  4. 原因ごとの対応措置を言えるようにする
  5. 写真や実物を見て、1から4を声に出して説明してみる

例えば軸受なら、「どんな傷か」「なぜそうなったか」「どう処置するか」を1セットで覚えます。名前だけ覚えても、判断等試験では状態から原因を選ぶ問題に対応しにくいんです。

職場の実物を使う

判断等試験は、標本や模型、写真を見て答える試験です。職場で交換した部品や、点検の時に見る設備は、そのまま練習の教材になります。

「交換した軸受、捨てる前に見せてもらってもいいですか?」
「いいよ。ここの色が変わってるのが分かる?」

機械系保全作業の実技対策として、職場で交換した軸受や歯車、潤滑油のサンプルを観察する手元

こんなふうに先輩に一言頼むだけで、教材の写真よりずっと記憶に残ります。潤滑油やグリースも、職場で使っている物の色や手触りを比べておくと判別の練習になりますよ。

機械系の資料は公表されない

JIPMの公式サイトでは、機械系保全作業と設備診断作業の実技試験資料(写真や図版など)は「検定秘」のため公表されていません。公開されるのは問題の概要と正解なので、写真は市販の教材や職場の実物で補います。

電気系と設備診断の実技対策:作る課題と読む課題

ここでの結論

機械保全技能士2級の電気系の実技は、2課題を時間内に組み上げて動かす試験で、問題は試験の前に公表されます。設備診断の実技は、測定データから設備の状態を読み取る試験です。

JIPMの2026年度「電気系保全作業 1・2級 実技試験の概要」では、課題は2つです。

課題標準時間打ち切り時間
課題150分60分
課題230分50分

試験用の盤(表示ランプ、押しボタンスイッチ、リレー、タイマなど)と、支給材料(KIV線・Y型裸圧着端子)は会場で用意されます。1・2級では、受検者がPLC(プログラマブルコントローラ)とプログラミングツール(パソコン)を持参します。

電気系は問題が事前に公表される

電気系保全作業の実技の問題は、試験の前に公式サイトに掲載されます。2026年度第2回は、事前公開用の試験問題が11月2日(月)10時に公表される予定で、受検者への送付はありませんでした。

一方で、電気系の実技は作業試験なので、正解は公表されません。『自分の配線やプログラムが合っているか分からない』という時は、職場で制御盤を扱う先輩に見てもらうのが一番です。

電気系の練習の進め方

電気系の練習で確かめたいこと
  • 自分のPLCとプログラミングツールを、試験と同じつなぎ方で動かせる
  • 盤の配線を、図面を見ながら迷わず進められる
  • 課題1を標準時間の50分以内で終えられる
  • 課題2を標準時間の30分以内で終えられる
  • 動かない時に、どこを調べるか順番が決まっている

電気系は、時間との勝負になりがちです。最初は時間を気にせず正しく動かすことを優先し、慣れてきたら標準時間を目標に通しで練習してみてください。

PLCの使い方やリレー回路の練習のしかたは、電気系保全作業の実技対策で詳しく紹介しています。

設備診断作業は測定データを読む練習

設備診断作業の実技では、異常の有無や原因、処置までを判断します。2級の実技では標準的な電卓が使えるのも、ほかの作業との違いです。

JIPMの細目では、設備診断作業の実技は次のような内容で示されています(1級の細目の例)。

  • 設備の状況がわかる測定データを集める
  • 転がり軸受や歯車の損傷を解析する(外観、潤滑剤の分析、フェログラフィ、振動解析など)
  • ひずみゲージを使ったストレス解析
  • 診断結果から、異常の有無の判定・原因の究明・対応処置を決める

設備診断は、職場で振動の測定や潤滑剤の分析に関わっている方には身近な内容です。逆に、測定の経験が少ない方は、グラフや数値の読み方から練習しておくと安心ですよ。

JIPMの案内では、電卓が使えるのは「設備診断作業の実技」と「特級の実技」だけです。四則演算などの標準機能の電卓に限られ、関数電卓やプログラム機能付きの物は使えません。

『ふだんはスマホの電卓で済ませている』という方は、試験で使う電卓で計算の練習をしておきましょう。慣れた電卓を使うだけで、時間の余裕が変わってきます。

練習することねらい
測定データのグラフを見て、異常の兆しを言葉にするデータから状態を読む力をつける
軸受や歯車の損傷の写真を、原因と結びつける損傷解析の問題に慣れる
標準的な電卓で計算問題を解く試験と同じ道具で時間を計る

作業の選び方や試験の中身は、設備診断作業とはでも紹介しています。

申請から試験日まで、作業ごとの準備を時間の順に並べる

ここでの結論

2級の実技対策は、申請の時期、電気系の問題公表、試験日という3つの区切りで考えると組み立てやすくなります。電気系は問題公表から本番までが勝負、機械系と設備診断は早めに知識の土台を作っておくのがコツです。

ここでは、2026年度第2回の日程を例に、作業ごとの準備を並べてみますね。来年度に受ける方は、新しい年度の日程に置き換えて読んでみてください。

時期(2026年度の例)機械系保全作業電気系保全作業設備診断作業
受検申請まで(8月24日の申請開始の前)部品の名前と役割を覚えるPLCとプログラミングツールを用意して慣れる測定データの読み方を学ぶ
申請期間(8月24日〜9月25日)作業を決めて申請。不具合の見た目を覚え始める作業を決めて申請。過去の公表問題で配線とプログラムを練習作業を決めて申請。損傷の写真と原因を結びつける
申請後〜電気系の問題公表(11月2日)過去の問題の概要と正解で出題の形をつかむリレー回路とプログラムの基本を固める電卓で計算問題を解く
問題公表〜試験日職場の実物で見分ける練習を重ねる公表された問題を、標準時間を目標に通しで練習過去の問題を時間を計って解く
試験日12月13日、学科の午後に実技11月28日〜翌年2月21日の土日で受検票の日12月13日、学科の午後に実技
機械保全技能士2級の実技対策を、機械系・電気系・設備診断の作業ごとに申請から試験日まで時間の順に並べた図解

『仕事が忙しくて、まとまった練習時間が取れない』という方もいますよね。そんな時は、昼休みに部品の写真を見る、休日に電気系の通し練習をする、のように時間の使い方を作業に合わせて分けてみてください。

学科と実技の両方を受ける方へ

学科と実技を同じ年度に受ける場合、学科の勉強に追われて実技が後回しになりがちです。片方だけ合格した場合でも、次回からはその試験が免除されます(1級・2級・3級の一部合格の効力に期限はありません)。

実技の過去問・問題集・テキストはどう集める?

ここでの結論

機械保全技能士2級の実技の過去問は、JIPMの公式サイトで直近の問題の概要と正解が公開されています。写真や図版は公表されないので、市販の問題集やテキストと職場の実物で補います。

公式サイトで見られるもの

JIPMの公式サイトでは、過去に実施した試験の問題(問題概要)と正解が公表されています。期間は「過去に実施した3年分」(試験要項では「3回分」)と書かれています。

作業公式サイトで見られるもの補い方
機械系保全作業問題の概要と正解(写真や図版は検定秘)市販の問題集の写真、職場の実物
電気系保全作業事前公開の試験問題(正解の公表なし)職場の先輩に確認してもらう
設備診断作業問題の概要と正解(写真や図版は検定秘)市販の問題集、職場の測定データ

試験問題は、学科・実技とも試験の後に持ち帰れます。受けた年の問題を見直すと、来年度に向けた練習にもなりますよ。

市販の問題集とテキスト

JIPMはテキストの発行や対策講座を行っていません。公式サイトには、過去の問題を載せている書籍などの紹介ページがありますが、内容は事務局が保証するものではないと書かれています。

2級の実技テキストを選ぶ時は、自分の作業に対応しているか、写真や図が多いかを見ておくと選びやすくなります。学科と実技の教材の組み合わせ方は、機械保全技能士2級のテキストとアプリで紹介しています。

人に教わる方法もある

JIPMの公式サイトでは、厚生労働省が認定する「ものづくりマイスター」による実技指導も紹介されています。相談先は各都道府県の地域技能振興コーナーで、派遣費用は原則無料とされています。

会社単位で指導を受ける仕組みなので、職場の上司や人事に相談してみるのも一つの方法です。

練習の環境で職場を選ぶ考え方も

実技の練習は、設備に触れる機会が多い職場ほど進めやすくなります。今の職場で先輩に教わりながら2級を目指すのも、十分に心強い道です。

そのうえで、設備の大きな工場で経験を積みたい方や、資格の取得を支援してくれる会社を比べたい方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がりますよ。

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2級の実技でよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「機械系の実技の過去問は問題集として売っている?」

2級の機械系の実技の過去問が、問題集として売られているかという相談です。公式サイトでは問題の概要と正解が公開されていますが、写真や図版は検定秘のため公表されていません。

市販の問題集の中には、過去の問題を載せている物があります。公式サイトにも書籍などの紹介ページがあるので、そこから探してみるのも一つの方法です。

相談2「学科は受かったのに、実技だけ2回落ちた」

1回目で学科に合格したのに、実技は2回続けて不合格だったという相談です。各設問の配点や個別の採点結果は公開されていないので、どこで減点されたかは自分で振り返るしかありません。

試験問題は持ち帰れるので、正解と見比べて、迷った設問と間違えた設問を書き出してみてください。『知らなかった』のか『見分けられなかった』のかで、次の練習の中身が変わります。

なお、学科の合格は次回以降も有効で、1級・2級・3級の一部合格の効力に期限はありません。実技だけに集中できる時間があると考えて、練習の量を増やしてみましょう。

相談3「軸受損傷と歯車損傷の原因と対策が覚えられない」

実技の「軸受損傷」「歯車損傷」の原因と対策がなかなか覚えられない、という相談です。損傷の名前、見た目、原因、対策をばらばらに覚えようとすると、どうしても混ざってしまいます。

おすすめは、1つの損傷について「見た目、原因、対策」を1枚のカードにまとめる方法です。

カードに書くこと例
損傷の名前教材に出てくる名前をそのまま書く
見た目の特徴色、傷の形、場所など、写真で分かること
考えられる原因教材に書かれている原因を、自分の言葉で短く書く
対策原因をなくすための処置

職場で交換した部品を見ながらカードを見返すと、ぐっと覚えやすくなりますよ。

相談4「電気系の配線はどの問題でも共通?」

電気系の2級で、配線作業はどの問題でも共通で、変わるのはプログラムだけなのか、という相談です。試験用の盤と支給材料は会場で用意されますが、課題の中身は年度ごとに公表される問題で確かめる必要があります。

事前に公表された問題を読み、配線とプログラムのどこが前年と違うのかを確かめてから練習してみてください。

よくある質問

機械保全技能士2級の実技試験はどんな形ですか?

機械系保全作業と設備診断作業は判断等試験の8課題を80分、電気系保全作業は製作等作業試験の2課題を110分で行います。どれも減点が40点以下なら合格です。

2級の実技の勉強方法は何から始めればいいですか?

まず自分の作業の試験の形と、公式サイトで公開されている過去の問題を確かめます。そのうえで、機械系と設備診断は部品や損傷の見分け方、電気系は配線とプログラムの通し練習を進めます。

二級の実技で電卓は使えますか?

設備診断作業の実技では、四則演算などの標準的な電卓が使えます。関数電卓やプログラム機能付きの電卓は使えません。

電気系の実技の正解は公表されますか?

電気系保全作業の実技は作業試験のため、正解は公表されません。問題は試験の前に公式サイトに掲載されます。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士2級の実技は、機械系と設備診断が判断等試験、電気系が製作等作業試験
  • 合格基準はどれも減点法で、空欄や記入ミスも減点の対象
  • 機械系は「名前、状態、原因、対策」の順で、職場の実物を使って練習する
  • 電気系は事前公表の問題を、標準時間を目標に通しで練習する
  • 過去の問題は公式サイトで概要と正解を確かめ、写真は市販の教材と実物で補う
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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