機械保全技能士の受検資格(受験資格)と実務経験|級ごとの条件

機械保全技能士の受験資格と実務経験の数え方を紹介する記事のアイキャッチ。カレンダーと点検表が置かれた机

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『自分の経験で、2級は受けられるのかな?』と、申し込みの前に不安になる方は多いですよね。実務経験の数え方が分からず、手が止まってしまうこともあります。

結論から言うと、機械保全技能士の受検資格(受験資格)は、3級は実務経験を問わず、2級は実務2年以上か3級合格者、1級は実務7年以上が基本です。下の級に合格していたり、関連する学科を卒業していたりすると、必要な年数が短くなります。

この記事では、3つのルートで受検資格を見たうえで、自分が今どの級を受けられるかを判定する表をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士の受検資格(受験資格)は?級ごとの一覧

先に結論

JIPMの2026年度の試験要項では、受検に必要な実務経験は特級が1級合格後5年以上、1級が7年以上、2級が2年以上、3級が0年(問わない)です。実務経験を証明する書類の提出は要りません。

検索では「受験資格」という言葉がよく使われますが、技能検定の公式な言葉は「受検資格」です。この記事でも、ここからは「受検」と書きますね。

まずは、級ごとの基本の受検資格を見てみましょう。

級基本の実務経験主な短縮のルート
特級1級合格後5年以上なし
1級7年以上2級合格後2年以上、3級合格後4年以上、関連学科の卒業後4〜6年以上
2級2年以上3級合格者、関連学科の卒業者は年数を問わない
3級0年(問わない)学歴や実務経験の条件なし

JIPMの受検資格判定では、3級の対象者は「機械保全に関する業務に従事している方、これから機械保全に関する業務に従事しようとしている方」とされています。これから保全の仕事に就く予定の方も、3級なら受けられるんです。

法令では、3級は「検定職種に関し実務の経験を有する者」のほか、関連する学科に在学している人や職業訓練を受けている人も受けられると決められています。工業高校などに在学中の方が3級を受けられるのは、この決まりがあるからです。

民間の試験機関の職種は年数が違うことも

厚生労働省の案内では、民間の指定試験機関が行う職種は、受検に必要な実務経験の年数が異なることがあるとされています。機械保全はJIPMの試験要項と受検資格判定で確かめるのが確実です。

3つのルートで見る受検資格

ここでの結論

受検資格には「実務経験だけで受ける」「下の級に合格してから受ける」「関連学科の学歴を活かす」の3つのルートがあります。どのルートでも条件を満たせば、同じ試験を受けられます。

受検資格の表は、条件が並んでいて分かりにくいですよね。そこで、3つのルートに分けてみました。

級ルート1:実務経験だけルート2:下の級の合格後ルート3:学歴(関連学科の卒業)
2級実務2年以上3級合格者(合格後の年数は問わない)大学・短大・高専・高校などの関連学科の卒業者(年数は問わない)
1級実務7年以上2級合格後2年以上、3級合格後4年以上大学卒業後4年以上、短大・高専・高校専攻科の卒業後5年以上、高校卒業後6年以上
特級なし1級合格後5年以上なし
機械保全技能士の受検資格を実務経験だけ・下の級の合格後・学歴の3つのルートに分けて示した図解

2級の学歴ルートは、職業能力開発促進法施行規則と厚生労働省の受検資格一覧表で確かめた内容です。JIPMの受検資格判定では、学歴や職業訓練の修了による扱いは別の資料にまとめられているので、申し込む前にそちらも見ておきましょう。

ルート1:実務経験だけで受ける

いちばんシンプルなのが、保全の実務経験の年数で受けるルートです。2級は2年以上、1級は7年以上の実務経験が必要です。

例えば、学歴は問わずに保全の仕事を続けてきた方は、2年を超えたら2級、7年を超えたら1級を受けられます。下の級を受けていなくても大丈夫です。

ただし、2級から上は年に1回、第2回の試験だけです。2年や7年に届くのが申請の最終日より後になると、次の年度まで待つことになります。

届く時期が近い方は、申請の最終日と見比べておきましょう。

ルート2:下の級に合格してから受ける

3級に合格すると、2級は実務年数を問わずに受けられます。2級に合格して2年以上たてば1級、1級に合格して5年以上たてば特級が受けられます。

『3級を受けるのは遠回り?』と思う方もいますよね。実は、3級に合格すれば1級も「3級合格後4年以上」で受けられるので、実務だけの7年より短くなるんです。

ルート3:学歴を活かす

関連する学科を卒業していると、必要な年数が短くなります。JIPMは「機械保全に関する学科」の目安を次のように示しています。

学校関連学科にあたる例あたらない例
工業高校機械科、電気科、機械工学科など普通科、商業科、土木科、建築科など
大学・短大工学部の機械工学科、電気工学科など文学・経済・経営・法などの文系学部、医学部など

自分の学科があたるか分からない時は、学校名・学部名・学科名を添えてJIPMに問い合わせるよう案内されています。

自分は今どの級を受けられる?判定表

ここでの結論

受けられる級は「保全の実務年数」「合格している級と合格日」「関連学科の卒業かどうか」の3つで決まります。この3つを書き出してから判定表を見ると、迷わずに答えが出ます。

ここからは、自分が今どの級を受けられるかを確かめていきます。よくある状況を表にしてみました。

今の状況3級2級1級特級
関連学科に在学中、または保全の仕事に就く予定受けられる3級合格後なら受けられる実務年数が足りない実務年数が足りない
保全の実務2年未満で、関連学科の卒業ではない受けられる3級合格後なら受けられる実務年数が足りない実務年数が足りない
関連学科を卒業して入社したばかり受けられる受けられる卒業後の実務年数を満たせば受けられる実務年数が足りない
保全の実務2年以上(7年未満)受けられる受けられる実務年数が足りない実務年数が足りない
3級に合格したあと、実務4年以上受けられる受けられる受けられる1級の合格が必要
2級に合格したあと、実務2年以上受けられる受けられる受けられる1級の合格が必要
保全の実務7年以上受けられる受けられる受けられる1級の合格が必要
1級に合格したあと、実務5年以上受けられる受けられる受けられる受けられる

表の「実務年数が足りない」は、その行の状況のままでは必要な実務年数に届かないという意味です。自分の場合はどうかを確かめたい時は、JIPMの受検資格判定のページを使ってみてください。

自分の実務年数・合格している級・学歴から機械保全技能士の受けられる級を判定する流れの図解
受けられる級を判定する手順
  1. 保全の業務に就いた日を書き出す(過去の職場の経験も含める)
  2. 合格している級と、合格した日を書き出す
  3. 卒業した学校と学科が関連学科にあたるか確かめる
  4. 今年度の受検申請の最終日を試験要項で確かめる
  5. 最終日までの年数を数え、判定表とJIPMの受検資格判定で確かめる

級ごとの違いをもう少し詳しく知りたい方は、機械保全技能士の1級・2級・3級・特級の違いを見てみてください。2級の試験の中身は機械保全技能士2級とはで紹介しています。

機械保全技能士の実務経験とは?範囲と数え方、証明

ここでの結論

実務経験とは、機械・設備の保全に関する業務に就いていた期間のことで、過去の職場の経験も含められます。数えるのは業務に就いた日から受検申請の最終日までで、証明する書類の提出は要りません。

受検資格でいちばん迷うのが、『自分の仕事は実務経験に入るの?』という所ですよね。JIPMの試験要項の内容をもとに見ていきます。

実務経験に入る業務の例

JIPMの試験要項では、機械保全に関する業務の例として次のものが挙げられています。

機械保全に関する業務の例(JIPMの試験要項)
  • 機械・設備の保全計画の作成
  • 欠陥の発見
  • 異常時の対応
  • 測定データの収集
  • 測定データの解析および判定
  • 保全方法の決定および処置

このほか、こうした業務の管理監督、訓練、教育、研究に関する業務も含まれます。入社後に訓練や教育を受けた期間も実務経験に入れてよいとされています。

例えば、保全の部署で新人研修を受けていた期間や、後輩に点検のやり方を教えていた期間も数えられるということですね。過去に別の会社で保全の仕事をしていた期間も、合わせて数えられます。

判断に迷いやすい仕事

製造ラインのオペレーターや、設備の据え付けなど、保全と関わりがありそうな仕事は判断に迷いますよね。こうした仕事が実務経験に入るかどうかを、一律に決めた公式の説明は見当たりませんでした。

厚生労働省の職業能力評価基準では、専門の保全スタッフを置かず、製造ラインの熟練技能者が保全の業務を兼ねる職場も少なくないと書かれています。自分の仕事の中に、上の業務の例にあたる作業がどれくらいあるかで考えてみてください。

自分の仕事の中にあるか確かめる時の例
欠陥の発見日常点検で異音や振動、漏れなどを見つけて報告している
異常時の対応設備が止まった時に原因を調べ、処置をしている
測定データの収集温度や振動などを測って記録している
保全方法の決定および処置部品の交換や修理の方法を決め、作業している

迷う時は、職場の上司や、すでに受検した先輩に相談するのがおすすめです。それでも判断できない時は、JIPMの受検サポートセンターに問い合わせてみましょう。

実務経験の数え方

JIPMの試験要項では、実務経験の年数は、機械保全に関する業務に就いた日から受検申請の最終日までで数えます。試験の日ではなく、申請の最終日が基準なんです。

「2級合格後2年以上」のように「〜後」と書かれた条件では、合格したあとの実務経験だけを数えます。例えば「1級合格後5年」は、1級に合格した日の翌日から受検申請の最終日までです。

条件数え始め数え終わり
実務経験だけ(2級は2年、1級は7年)機械保全に関する業務に就いた日受検申請の最終日
2級合格後2年、3級合格後4年合格した日の翌日受検申請の最終日
1級合格後5年(特級)1級に合格した日の翌日受検申請の最終日

2026年度の第2回の受検申請は、9月25日(金)18時まででした。2級から上の級は第2回だけなので、その年の申請の最終日に年数が届くかを確かめておきましょう。

実務経験の証明は要る?

JIPMの試験要項では「実務経験年数を証する書類の提出は不要です」とされています。会社に証明書を書いてもらう必要はありません。

自己申告でも正しく書く

証明書類が要らないからといって、実際より長い年数を書くのはやめておきましょう。受検資格は、実際に保全の業務に就いていた期間で判定するものです。年数が足りない時は、3級から受けるルートを考えてみてください。

古い情報に気をつける

厚生労働省の案内では、平成30年度から技能検定3級の受検資格が緩和されたと書かれています。ネットの古い記事には、今と違う条件が残っていることもあります。

受検資格を確かめる時は、その年度の試験要項とJIPMの受検資格判定を見るようにしておきましょう。手数料の減免のように、年度で変わる決まりもあるからです。

受検資格を満たしたら。申し込みと手数料

ここでの結論

2026年度はインターネット申請だけで、受検申請・受検手数料・本人確認書類の控えが必要です。3級には23歳未満の人などに実技の手数料の減免があります。

受検資格を確かめたら、次は申し込みですね。2026年度の実施公示では、申請はインターネットに限られ、受検申請・受検手数料・本人確認書類(身分証明書などの控え)が必要です。

写真は要りません。

2026年度の受検手数料(非課税)学科のみ実技のみ学科と実技の両方
特級・1級・2級4,600円15,400円20,000円
3級(23歳未満の学生)4,600円6,200円10,800円
3級(23歳未満の在職者)試験要項で確認7,700円12,300円
3級(一般)4,600円15,400円20,000円

23歳未満かどうかは、2026年4月1日時点の年齢で判定されます。決済方法によっては、別に事務手数料がかかります。

申請したあとに作業・等級・手数料の区分・受検地を変えることはできません。受検資格と受ける級をしっかり確かめてから申し込んでくださいね。

手順は機械保全技能士の申し込み方法と受検料で紹介しています。

受検資格をきっかけに働き方を考える

受検資格を数えてみて、『今の仕事では保全の実務経験が積みにくい』と気づく方もいるかもしれません。社内で保全の部署に移れないか相談するのも、今の職場で3級から順に上がるのも、どちらも立派な道です。

その上で、保全の経験をしっかり積める職場や、資格の取得支援がある会社を比べたい方は、メーカーの保全求人を見比べると選択肢が広がりますよ。

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受検資格についてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「ラインオペレーターの仕事は実務経験に入る?」

2級の受検資格に実務経験が2年必要だが、工場のラインオペレーターの仕事は実務経験にあたるのか、という相談です。

ラインオペレーターの仕事が実務経験に入るかを一律に決めた公式の説明は、見当たりませんでした。判断の手がかりは、JIPMが挙げる業務の例(欠陥の発見、異常時の対応、測定データの収集など)が、自分の仕事にどれくらい含まれているかです。

例えば、設備の日常点検を任されて異常を見つけたら報告している、といった作業があれば、その中身を書き出してみてください。どうしても判断に迷う時は、3級に合格すれば実務年数を問わず2級を受けられるので、3級から受けるのも確実な方法です。

相談2「工業高校の機械科卒、入社半年で2級は受けられる?」

2級の受検資格は実務2年だが、工業高校の機械科を卒業しているので短くなると聞いた。入社半年でも受けられるのか、という相談です。

職業能力開発促進法施行規則と厚生労働省の受検資格一覧表では、関連する学科を卒業した人は、2級を実務経験の年数を問わずに受けられます。JIPMの目安でも、工業高校の機械科は関連学科にあたります。

ただ、JIPMは学歴による扱いを別の資料にまとめています。申し込む前に、JIPMの受検資格判定で自分の学科と卒業の条件を確かめてみてください。

相談3「実務経験を証明する書類は要らないの?」

受検資格に職務経歴があるが、それを証明する書類は無くてもいいのか、という相談です。

JIPMの試験要項では、実務経験年数を証する書類の提出は不要とされています。申し込みで出すのは、受検申請・受検手数料・本人確認書類の控えです。

「会社に証明書をもらわなくていいんですか?」
「出さなくていいけど、業務に就いた日はメモしておくといいよ。」

こんなふうに、自分で年数を数えられるように、配属された日や担当した業務を記録しておくと安心です。

相談4「3級を取っていなくても2級は受けられる?」

機械保全技能士の2級は、3級を取っていなくても受けられるのか、という相談です。

受けられます。保全の実務経験が2年以上ある方や、関連する学科を卒業した方は、3級に合格していなくても2級を受けられます。

3級の合格は、2級を受けるためのルートの一つです。

実務2年に少し足りない方は、その年の第1回で3級に合格しておくと、同じ年度の第2回で2級に申し込める可能性があります。3級の合格発表と2級の申請期間の日程を、試験要項で見比べてみてください。

よくある質問

機械保全技能士2級の受験資格は何ですか?

保全の実務経験2年以上、3級の合格、関連学科の卒業のいずれかです。3級合格者と関連学科の卒業者は、実務年数を問わずに受けられます。

機械保全技能士1級の受験資格は何ですか?

基本は実務経験7年以上です。2級合格後2年以上、3級合格後4年以上、大学の関連学科卒業後4年以上などで短くなります。

機械保全技能士の実務経験とは何ですか?

機械・設備の保全計画の作成、欠陥の発見、異常時の対応、測定データの収集と解析、保全方法の決定と処置などの業務に就いていた期間です。管理監督や教育の業務、入社後の訓練期間も含まれます。

実務経験の証明書は必要ですか?

JIPMの試験要項では、実務経験年数を証する書類の提出は不要とされています。

3級は実務経験がなくても受けられますか?

受けられます。JIPMの案内では3級の実務経験は0年(問わない)で、これから保全の仕事に就こうとしている方も対象です。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士の受検資格は、3級が実務経験を問わず、2級が実務2年以上、1級が実務7年以上、特級が1級合格後5年以上
  • 下の級の合格や関連学科の卒業で、必要な年数が短くなる
  • 3級合格者と関連学科の卒業者は、2級を実務年数を問わずに受けられる
  • 実務経験は保全の業務に就いた日から受検申請の最終日までで数え、過去の職場の経験も含められる
  • 実務経験を証明する書類の提出は要らないが、年数は正しく申告する
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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