機械保全技能士3級の実技対策|機械系の判断等試験の進め方

機械保全技能士3級の実技対策を紹介する記事のアイキャッチ。軸受やボルト、バルブなどの部品とノートが並ぶ作業台

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『3級の学科は何とかなりそうだけど、実技は何をするのか想像がつかない』という方も多いはずです。公開されている過去問を開いてみたら文字ばかりで、かえって不安になった方もいますよね。

結論から言うと、機械保全技能士3級の実技対策は、機械系なら「部品の名前と形を結びつけること」が中心です。出題範囲の3つの柱に沿って、過去問に出た部品を一つずつ写真や実物で確かめていけば、準備の道筋が見えてきます。

この記事では、機械系の判断等試験の中身と、練習を進める順番をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士3級の実技はどんな試験?

先に結論

機械系保全作業の3級実技は「判断等試験」で、7課題を70分で解きます。工具で作業する試験ではなく、写真や模型などを見て判断し、マークシートで答える形です。

『実技なのに手を動かさないの?』と驚く方もいるかもしれません。実は、機械保全技能士3級の実技は、選ぶ作業によって中身がまったく違うんです。

JIPMの試験要項では、判断等試験は「対象物又は現場の状態、状況等を原材料、標本、模型、写真、ビデオ等を用いて提示し、判別、判断、測定等を行わせる」試験と説明されています。目の前に出されたものを見て、どこがおかしいか、何という部品か、どう対応するかを選ぶイメージです。

機械系と電気系の実技の違い

項目機械系保全作業電気系保全作業
試験の種類判断等試験製作等作業試験
課題の数7課題2課題
解答方法マークシート方式作業採点(一部マークシート方式)
試験時間70分110分
問題の公開出題例(問題概要)を常時掲載実技問題を事前に掲載
練習の中心部品の名前・形・異常のサインを覚える配線を時間内に仕上げる

この記事では、受ける人が多い機械系を中心に紹介します。どちらの作業で受けるか迷っている方は、先に機械保全技能士3級とはで全体を見ておくと選びやすいですよ。

電気系で受ける人が知っておきたいこと

電気系の3級実技は、会場に用意された試験用盤(表示ランプ・押しボタンスイッチ・リレー・タイマなど)に、支給される電線と圧着端子で配線する試験です。JIPMの2026年度の実技概要では、課題1は標準時間50分(打ち切り60分)、課題2は標準時間30分(打ち切り50分)とされています。

3級では、2番の十字ねじ回し、ニッパ、ワイヤストリッパ、ラチェット付きの圧着ペンチ、回路計を自分で持っていきます。事前に公開される問題で、工具に慣れながら時間内に終える練習を重ねるのが基本です。

電気系の詳しい練習の進め方は電気系保全作業の実技対策にまとめています。

「電気系の実技は筆記だけ」は誤解

電気系の実技は筆記だけ、という話を見かけることがありますが、JIPMの試験要項では電気系は作業採点を中心とする製作等作業試験です。マークシートで答える部分もありますが、配線の作業そのものが採点されます。

出題範囲は3つの柱。部品ごとに覚えることを分けてみよう

ここでの結論

3級機械系の実技の範囲は「欠陥の発見」「異常時の対応」「潤滑剤の判別」の3つです。過去に出た部品を、この3つの柱のどこに当たるかで仕分けると、覚える順番がはっきりします。

JIPMの「3級 機械系保全作業 実技試験の出題について」では、範囲は「機械の主要構成要素に生ずる欠陥の発見」「機械の異常時における対応措置の決定」「潤滑剤の判別」とされています。まずはこの3つを、自分の言葉に置き換えてみましょう。

柱ひと言でいうと問われやすい力
欠陥の発見部品のどこが傷んでいるかを見つける正常な形と傷んだ形の違いを見分ける
異常時の対応おかしい時にどう手を打つかを決める原因の見当をつけ、正しい処置を選ぶ
潤滑剤の判別油やグリースの種類と状態を見分ける種類・粘り気・汚れ方の違いを言葉にする
3級機械系の実技の範囲を、欠陥の発見・異常時の対応・潤滑剤の判別の3つの柱で分けた図解

過去に出た部品を3つの柱で仕分ける

JIPMの出題資料には、過去の出題例としてボルト・ナット、潤滑油、工具・測定器、空気圧装置、軸受、ねじ、キー・ピン、密封装置、弁(バルブ)に関する問題が挙げられています。これを3つの柱と結びつけると、覚え方がぐっと具体的になります。

部品・分野主に関わる柱練習で確かめたいこと
ボルト・ナット、ねじ欠陥の発見名前と形の違い、ゆるみや傷みが写真でどう見えるか
キー・ピン欠陥の発見どの部品とどの部品をつなぐ役目か、すり減った形
軸受欠陥の発見・異常時の対応種類ごとの形、傷んだ時に出るサインと処置
密封装置欠陥の発見・異常時の対応どこで漏れを止めているか、漏れた時に考えること
弁(バルブ)異常時の対応種類ごとの形と役目、流れがおかしい時の見方
空気圧装置異常時の対応機器の名前と役目、動きがおかしい時に疑う所
工具・測定器欠陥の発見名前と使い方、目盛りの読み方
潤滑油潤滑剤の判別種類の違い、汚れや劣化の見え方

表はあくまで「主に関わる柱」の目安です。軸受のように、傷みを見つける問題にも、対応を選ぶ問題にもなりうる部品もあります。

欠陥を見つける時の言葉をそろえておく

JIPMの「試験科目及びその範囲並びにその細目」では、1級の例として、焼付き・異常摩耗・破損・過熱・発煙・異臭・異常振動・異音・漏れ・亀裂・腐食といった欠陥が並んでいます。1級の資料ですが、3級の練習でも「どんな傷み方があるか」を覚える手がかりになります。

例えば軸受の写真を見たら、「これは焼付きかな、それとも摩耗かな」と言葉で考えるクセをつけてみてください。言葉と見た目がつながると、選択肢を読んだ時に迷いにくくなりますよ。

潤滑剤は「何を見るか」を先に決める

同じ細目の1級の例では、潤滑剤の判別として「種類・粘度・劣化の程度・混入不純物」が挙がっています。潤滑剤の問題は、この4つのどれを聞かれているかを意識するだけで、解きやすさが変わります。

職場で働いている方は、給油に使っている油やグリースの容器の表示を見て、種類の呼び方を確かめてみましょう。学生さんは、学校の実習室の機械で使っている潤滑剤を先生に見せてもらうのもおすすめです。

異常時の対応は「何が起きているか」から考える

異常時の対応の問題は、いきなり処置を選ぼうとすると迷いやすくなります。まず「何が起きているか」、次に「なぜ起きたか」、最後に「どう手を打つか」の順で考えると迷いにくくなりますよ。

例えば、職場で先輩とこんなやり取りをしたことがある方もいるかもしれません。

「この軸受、さわると熱いです。」
「じゃあ、まず給油の状態から見てみようか。」

こうした日々の会話の流れが、そのまま異常時の対応の問題の考え方になっています。働いている方は、点検で異常を見つけた時の対応を、試験の言葉に置き換えて振り返ってみてください。

よくある失敗

部品の名前だけを丸暗記して、写真で見た時に分からなくなることがあります。判断等試験は「見て判断する」試験なので、名前と形をいつもセットで覚えるようにしましょう。

実技の過去問は文字だけ?公開されている問題の使い方

ここでの結論

機械系の実技で使われる写真や図版は「検定秘」として公表されていません。公開されている問題文と正解から部品と問われ方を拾い、形は自分で写真や実物で補うのが基本の使い方です。

『過去問を見ても文章しかなくて、何の写真だったのか分からない』と感じますよね。これは公開の仕組みがそうなっているからなんです。

JIPMの公式サイトでは、過去に実施した試験の問題(問題概要)と正解が公表されています。ただし、機械系保全作業と設備診断作業の実技試験に使う写真や図版などの資料は「検定秘」のため公表されません。

公開の範囲を表で確かめる

項目JIPMの案内
公開される期間過去に実施した3年分(試験要項では3回分)
機械系の実技問題概要と正解。写真や図版は公表なし
試験問題の持ち帰り学科・実技とも、試験終了後に持ち帰りできる
2026年度第1回の正解の公表2026年6月26日10:00
注意点掲載問題の無断複製・二次使用は禁止

過去問ページが示す範囲には「3年分」と「3回分」の2つの書き方があります。実際にどこまで見られるかは、JIPMの過去の試験問題のページで確かめてみてください。

文字だけの過去問から練習を組み立てる手順

機械保全3級の実技過去問の使い方
  1. 公開されている実技の問題文を1回分読み、出てくる部品や用語に線を引く
  2. 線を引いた部品を、3つの柱(欠陥・対応・潤滑剤)に仕分ける
  3. 部品ごとに写真や図を調べ、ノートに名前と形を並べて書く
  4. 正解を見て、どの言葉が答えの決め手になったかを書き出す
  5. 別の回の問題でも同じ作業をし、何度も出てくる部品に印をつける

何度も出てくる部品は、出題の柱になりやすい部品と考えられます。そこから優先して覚えると、限られた時間でも効率よく進められますよ。

過去問の公開場所や学科と合わせた回し方は、機械保全技能士3級の過去問の使い方で詳しく紹介しています。

公開されている実技の問題文から部品を拾い出し、写真や実物で形を確かめていく練習の様子

試験までの練習の順番。時間軸で見る準備の進め方

ここでの結論

実技の練習は「範囲をつかむ」「形を覚える」「時間内に解く」の3段階で進めると無理がありません。働きながらでも、休日にまとめて部品を確かめ、平日に用語を見直すと続けやすくなります。

「実技の練習って、いつから始めればいいですか?」
「申し込みが終わったら、学科と一緒に少しずつ始めておくと安心ですよ。」

こんなふうに、実技は試験の直前だけで詰め込むより、学科と並行して少しずつ進めるほうが覚えやすいんです。ここでは時間軸で、やることを並べてみました。

試験までの時間軸の目安

時期やること確かめるポイント
申し込みの頃公開されている実技の問題を1回分読み、範囲の3つの柱を知る出てくる部品の名前に聞き覚えがあるか
準備の前半部品ごとに写真や実物で形を確かめ、ノートにまとめる名前を聞いて形が浮かぶか
準備の後半別の回の問題も読み、何度も出る部品と問われ方を押さえる欠陥の言葉や潤滑剤の4つの観点で考えられるか
試験の直前ノートを見直し、7課題を70分で解く流れを確かめる1課題にかけられる時間の感覚があるか
3級機械系の実技の練習を、範囲をつかむ・形を覚える・時間内に解くの順で進める流れを示した図解

7課題を70分で解く形なので、1課題あたりの時間は長くありません。迷った課題に時間を使いすぎないよう、最後に見直す時間を残す意識を持っておくと落ち着いて臨めます。

立場ごとの練習の工夫

受ける人使える場所や物練習の工夫
工業高校・専門学校の学生実習室の機械、先生実習で触る機械の部品を、過去問の言葉で呼んでみる
新入社員職場の設備、先輩、点検表点検表に出てくる部品を、3つの柱に仕分ける
ほかの職種から保全に移った人担当設備、作業の手順書手順書の部品名と、過去問の用語の違いを確かめる

職場で受ける方は、試験を受けたことのある先輩に「どんな写真が出たか」を聞いてみるのも手です。持ち帰った問題用紙が職場に残っていることもあります。

実技の準備ができているかのチェック
  • 過去に出た部品の名前を聞いて、形を思い浮かべられる
  • 部品ごとに、傷んだ時のサインを言葉で言える
  • 潤滑剤を種類・粘度・劣化・混入物の4つの観点で考えられる
  • 空気圧装置や弁の名前と役目を説明できる
  • 7課題を70分で解く時間配分を決めている

当日の流れと採点の考え方

ここでの結論

3級機械系の実技は学科と同じ日の午後に行われ、集合は13時15分です。採点は減点法で、41点以上の減点がなければ合格になります。

『当日はどんな流れなの?』と気になりますよね。JIPMのよくあるQ&Aをもとに、機械系の3級を受ける日の流れをまとめてみました。

当日の時間の目安

項目JIPMの案内
学科の集合時刻11時00分
3級機械系実技の集合時刻13時15分
集合から終了までの目安学科は約80分、機械系実技は約90分
2026年度第1回の試験日2026年6月21日(日)、学科と機械系実技は全国統一日

学科を受けてから昼をはさみ、午後に実技を受ける流れです。会場の専用駐車場はないとされているので、交通手段は前もって決めておきましょう。

採点は減点法

JIPMの試験要項では、実技試験は「減点法で41点以上の減点がない場合に合格」とされています。不正解だけでなく、空欄や記入ミスもすべて減点の対象になります。

合格発表のページでは「実技試験60点以上が合格」と書かれていますが、意味は同じです。100点から減点されて、減点が40点以下におさまれば合格ということですね。

各設問の配点や、受検者ごとの採点結果は公表されていません。どの課題で何点落としたかは分からないので、「分からない課題も空欄にしない」ことが大切です。

電卓は持ち込めない

JIPMの案内で電卓が使えるのは、設備診断作業と特級の実技だけです。3級機械系の実技では使えないので、目盛りの読み取りなどは手で計算する前提で練習しておきましょう。

合格したあとの道

学科と実技の両方に合格すると、3級機械保全技能士と名乗れるようになります。実技だけ受かって学科が届かなかった場合も、実技の合格の効力には期限がないので、次は学科だけに集中できますよ。

実技の練習で覚えた部品の知識は、そのまま日々の点検や修理に生きてきます。今の職場で2級を目指すのもよい道ですし、もっと設備の多い工場で経験を積みたい、資格の支援がある会社を比べたいという方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がります。

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機械保全技能士3級の実技についてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「三級の実技試験の対策や勉強法が分からない」

機械保全技能士三級の実技について、何をどう勉強すればいいのか分からない、という相談はとても多く読まれています。学科のように問題集を解けば済むのか、迷っている方が多いようです。

機械系の場合、勉強の中心は「部品の名前と形」と「傷み方の言葉」です。公開されている問題文から部品を拾い、3つの柱に仕分けて、写真や実物で形を確かめる流れを試してみてください。

『やることが多そう』と感じたら、まず過去に出た部品の一覧づくりから始めましょう。一覧ができるだけで、残りの準備がぐっと見通しやすくなります。

相談2「実技の過去問が文字だけで、どう対策すればいい?」

公開されている実技の過去問が文字だけで、写真が見られないので困っている、という相談です。先ほど紹介したとおり、機械系の実技の写真や図版は「検定秘」として公表されていません。

文字だけでも、どの部品について何を聞かれたかは分かります。部品名をもとに写真や図を自分で集めるか、職場や学校の実物を見せてもらうのが現実的な対策です。

市販の問題集には、写真や図を使って解説しているものもあります。JIPMの公式サイトにも過去問題を掲載している書籍等の紹介ページがありますが、内容は事務局が保証するものではないと書かれているので、自分に合うかを中身で確かめてみてください。

相談3「電気実技の課題1で動作確認がうまくいかなかった。合格できる?」

電気系の3級実技で、課題1の動作確認がうまくできなかったけれど合格できるか、という相談です。ランプを逆につないでしまった、という似た相談も見かけます。

JIPMでは、各設問の配点や受検者ごとの採点結果を公表していません。そのため、どのミスで何点減点されるかを外から判断することはできないんです。

結果は合格発表を待つしかありませんが、もし届かなかった場合も、学科に受かっていれば次回は実技だけを受けられます。今回の作業で手が止まった所を書き出しておくと、次の練習にそのまま使えますよ。

よくある質問

機械保全技能士3級の実技は工具を使いますか?

機械系保全作業は判断等試験で、写真や模型などを見てマークシートで答えるため、工具で作業はしません。電気系保全作業は配線の作業があるので、ねじ回しや圧着ペンチなどの工具を持参します。

機械保全3級の実技は何課題で何分ですか?

機械系は7課題を70分、電気系は2課題を110分で行います。JIPMの試験要項に書かれている形です。

3級の実技の過去問はどこで見られますか?

JIPMの公式サイトで、過去に実施した試験の問題概要と正解が公表されています。機械系の実技で使う写真や図版は公表されていません。

実技の合格点は何点ですか?

減点法で、41点以上の減点がなければ合格です。100点から減点して60点以上が残れば合格、と考えると分かりやすいです。

実技だけ落ちたら次はどうなりますか?

学科に合格していれば、次の回からは学科が免除され、実技だけを受けられます。1級から3級の一部合格の効力には期限がありません。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士3級の機械系の実技は判断等試験で、7課題を70分、マークシートで答える
  • 出題範囲は欠陥の発見・異常時の対応・潤滑剤の判別の3つの柱
  • 過去に出た部品を3つの柱に仕分け、名前と形をセットで覚える
  • 実技の写真や図版は検定秘なので、公開された問題文から部品を拾って自分で形を確かめる
  • 採点は減点法で、41点以上の減点がなければ合格
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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