当サイトの記事は編集部が法令や厚生労働省などの公的機関、試験を実施する指定試験機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内にメーカー・工場の転職サービスへの案内(広告)を含みます。
学科は受かったのに実技で落ちてしまった時、『次はまた学科からやり直し?』と不安になりますよね。別の作業を受けようとしている技能士の方も、どこまで免除になるのか気になるところです。
結論から言うと、機械保全技能士の学科免除は「同じ作業の一部合格」と「技能士になった後の別の作業」の2つが中心です。1級から3級の一部合格には期限がなく、特級だけ5年間という決まりがあります。
ここでは、免除のパターンを早見表にして、申し込みでつまずかない手順までお伝えしますね。
機械保全技能士の学科免除とは?まず2つのルールを押さえる
試験を行う日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の試験要項では、学科か実技の一方だけに合格した場合、合格した作業に限って、合格した等級以下の同じ試験が免除されます。さらに技能士になった人は、合格した作業以外の作業でも、合格した等級以下の学科試験が免除されます。
機械保全技能士は、学科試験と実技試験の両方に合格して、はじめて「技能士」と名乗れる資格です。片方だけ合格した状態を、この記事では「一部合格」と呼びますね。
JIPMの試験要項には「技能検定の実技試験または学科試験の合格者と同等以上の能力を有すると認められる者は、試験の免除を受けることができます」と書かれています。この「同等以上」を具体的にしたのが、次の2つのルールなんです。
| ルール | 対象になる人 | 免除される範囲 |
|---|---|---|
| ルール1 一部合格 | 学科のみ合格、または実技のみ合格した人 | 合格した作業と同じ作業で、合格した等級以下の同じ試験 |
| ルール2 技能士の学科免除 | 学科と実技の両方に合格した技能士 | 合格した作業以外の作業でも、合格した等級以下の学科試験 |
ルール1は「同じ作業」に限られます。ルール2は作業をまたげますが、免除されるのは学科だけ、という違いがあるんです。
例で見るとこうなります
JIPMの試験要項に載っている例を、そのまま並べてみますね。
- 2級 機械系保全作業の学科のみ合格:機械系保全作業の3級・2級の学科試験が免除
- 2級 電気系保全作業の実技のみ合格:電気系保全作業の3級・2級の実技試験が免除
- 2級 機械保全技能士(機械系保全作業):電気系保全作業・設備診断作業の3級・2級の学科試験が免除
3級には設備診断作業がないので、設備診断作業で使えるのは実際には2級の学科免除になります。作業の種類は機械保全技能士の種類で比べています。
免除は3パターン:早見表で自分の場合を確かめる
免除の理由は「同じ作業の一部合格」「技能士になった後の別作業」「職業訓練の修了」の3パターンに分けると迷いません。前の2つは試験要項に書かれた範囲で判断でき、職業訓練の修了は別の資料で個別に確かめます。
『自分はどれに当てはまるんだろう』と迷ったら、まず下の表で近いパターンを探してみてください。この3つの分け方は、この記事で独自にまとめたものです。
| パターン | よくある状況 | 免除されるもの | 作業をまたげるか | 効力の期限 |
|---|---|---|---|---|
| 同じ作業の一部合格 | 学科は合格、実技は不合格だった | 合格した試験(学科または実技)の、合格等級以下 | またげない(同じ作業だけ) | 1〜3級はなし、特級は5年間 |
| 技能士になった後の別作業 | 機械系の技能士が電気系や設備診断を受ける | 合格等級以下の学科試験 | またげる(学科だけ) | 期限の記載なし |
| 職業訓練の修了 | 機械保全に関する訓練を修了した | 訓練の内容による | 資料で確認 | 資料で確認 |

パターン1:同じ作業の一部合格(学科のみ合格・実技のみ合格)
いちばん多いのが、このパターンですよね。例えば2級の電気系保全作業で学科のみ合格した場合、次の回からは同じ電気系保全作業の2級を実技だけで受けられます。
ただ、作業を変えると話が変わります。電気系保全作業の学科に合格していても、機械系保全作業の2級を受ける時は、学科をもう一度受けることになるんです。
一部合格の免除は「同じ作業」に限られます。学科の科目は作業で共通の部分も多いですが、一部合格の段階では作業をまたいで学科を免除にはできません。作業を変えたい時は、先に今の作業で技能士になると学科免除の範囲が広がります。
パターン2:技能士になった後に別の作業を受ける
学科と実技の両方に合格して技能士になると、ほかの作業の学科が免除されます。例えば1級機械系保全作業の技能士が、1級の設備診断作業を受ける場合は、学科が免除になる形です。
JIPMの免除範囲の表でも、1級の技能検定合格で「1級の学科の全部」が免除とされています。上の等級で技能士になっていれば、下の等級の学科も免除の対象です。
「機械系の2級を取ったから、次は電気系の2級を受けたいんです」
「それなら学科は免除なので、実技の練習に時間を使えますね」
職場でこんな会話になったら、このパターンです。電気系の実技の練習は電気系保全作業の実技対策で紹介しています。
パターン3:職業訓練の修了による免除
JIPMの試験要項では、機械保全職種に関する訓練などを修了した人について、受検資格の短縮や試験の免除を別の資料にまとめています。どの訓練で何が免除になるかは、その資料で個別に確かめる必要があります。
例えば、職業訓練法人の通信の訓練で、短期課程の機械保全コースを2017年度以降に修了(合格)した人は、免除付受検申請で受講番号を入力する扱いがJIPMの案内に載っています。訓練を受けた方は、修了証と受講番号を手元に用意しておきましょう。
学科のみ合格の効力はいつまで?特級だけ期限がある
JIPMの試験要項では、学科試験または実技試験の一方合格の効力に期限はありません。ただし特級は、合格した日から5年間(最終年は年度の終わりまで)有効です。
『去年の学科合格、まだ使えるのかな』と心配になる方も多いはずです。1級から3級なら、一部合格の効力に期限はないので、数年あいても免除を使えます。
| 等級 | 一部合格の効力 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 1級・2級・3級 | 期限なし | 免除付受検申請に必要な番号をなくさない |
| 特級 | 合格した日から5年間(最終年は年度末まで) | 期限内にもう一方の試験に合格する計画を立てる |
特級は1級に合格した後、実務を5年以上積んでから受ける等級です。働きながらの受検になりやすいので、5年の期限を意識して受ける年を決めておくと安心ですね。特級の中身は機械保全技能士特級とはで紹介しています。
一部合格のままでは「技能士」とは名乗れない
JIPMの初めての方への案内では、一部合格者は試験免除制度で次回以降は不合格だった試験だけを受け、合格すると「技能士」になれる、と説明されています。逆に言えば、片方だけの合格では、まだ技能士ではありません。
職業能力開発促進法では、技能士と名乗る時は合格した職種と等級を表示し、合格していない等級を表示してはいけないと定めています。履歴書に書く時も、一部合格を技能士として書かないように気をつけましょう。書き方は機械保全技能士の履歴書の書き方で紹介しています。
免除を使う時の申し込み手順と手数料
平成27年度以降に技能士合格または一部合格した人は、受検申請の時に技能士番号または合格通知番号を入れて「免除付受検申請」をします。平成26年度以前の合格者は、免除付受検申請ができず、合格後に「合格証書交付申請」をする扱いです。
免除は、申し込みの時に自分で申請しないと使えません。2026年度の受検申請はインターネットだけになったので、番号を手元に用意してから画面に進むのがおすすめです。申し込み全体の流れは機械保全技能士の申し込み方法と受検料で紹介しています。
- 前回の合格通知や合格証書を出して、技能士番号または合格通知番号を確かめる
- 受ける等級と作業が、免除の範囲に入っているかを早見表で確かめる
- 受検申請の画面で免除付受検申請を選び、番号を入力する
- 受検手数料が「学科のみ」または「実技のみ」の区分になっているかを確かめる
- 申請後に作業・等級・手数料区分は変えられないので、送信前に見直す

「前回は学科だけ受かったんだけど、申し込みで何か要るのかな」
「免除付受検申請で番号を入れるみたいだよ。先に通知を探しておこう」
職場の同僚とこんな話になったら、まず番号探しから始めてみてください。
免除を使うと受検手数料も変わる
JIPMの2026年度の試験要項では、特級・1級・2級の受検手数料は次のとおりです(非課税)。
| 受ける試験 | 受検手数料(2026年度) |
|---|---|
| 学科・実技の両方 | 20,000円 |
| 学科のみ | 4,600円 |
| 実技のみ | 15,400円 |
学科が免除になって実技だけを受けるなら、「実技のみ」の区分です。3級は年齢や学生かどうかで区分が分かれるので、試験要項の表で自分の区分を確かめてみてください。
免除の対象なのに、学科・実技の両方で申し込んでしまうことです。JIPMのよくあるQ&Aでは、受理後の受検手数料は理由を問わず返金できず、次回にも回せないとされています。
平成26年度以前に合格した人の手続き
平成26年度以前は、都道府県の職業能力開発協会が試験をしていました。この時期の合格者は免除付受検申請ができないので、試験に合格した後に合格証書交付申請をする流れになります。
年度で手続きが違うので、昔の合格証書を持っている方は、申し込みの前にJIPMの受検サポートセンターに確かめておくと安心です。
よくある相談:学科免除と一部合格について
知恵袋では「電気系の学科は受かったのに実技で落ちた」「機械系の1級を持っていて設備診断を受けたい」「昔取った1級では学科免除にならないと聞いた」という相談をよく見かけます。
相談1:電気系の学科は合格、実技で落ちた。次はどうなる?
答え:学科のみ合格の効力は、1級から3級なら期限がありません。次の回からは同じ電気系保全作業の同じ等級以下を、実技だけで受けられます。
実技に時間を集中できるのは、むしろチャンスですよね。合格発表の後の流れは機械保全技能士の合格発表で確かめておきましょう。
相談2:機械系の1級技能士。設備診断の1級は学科免除になる?
答え:はい、技能士になった後の別作業のパターンなので、合格等級以下の学科試験が免除されます。1級の機械系保全作業の技能士なら、1級の設備診断作業の学科は免除の対象です。
実技は免除されないので、設備診断の実技の準備に時間を使いましょう。
相談3:昔取った1級では、学科が免除にならないと聞いた
答え:免除そのものがなくなるわけではなく、手続きの仕方が違う、と考えると分かりやすいです。平成26年度以前の合格者は免除付受検申請ができず、合格後に合格証書交付申請をする扱いになっています。
『昔の資格は使えないのかな』と思ってしまう方もいますよね。手元の合格証書を用意して、受検サポートセンターに自分の場合を聞いてみてください。
免除で学科の負担が軽くなると、資格を足していく道も見えてきます。今の職場で別の作業に挑戦するのも良い選択ですし、資格取得の支援がある職場や設備の大きい工場も見てみたい方は、メーカーの保全求人を見比べると選択肢が広がりますよ。
メーカー専門の転職エージェント(PR)
資格を活かせる職場を探すなら、メーカーの保全求人も比べてみる
扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。
無料メーカーの保全求人を見てみる求人の条件・待遇は各求人票と紹介会社の案内でご確認ください。
よくある質問
機械保全技能士の学科のみ合格は何年有効ですか?
JIPMの試験要項では、1級から3級の一部合格の効力に期限はありません。特級だけは合格した日から5年間(最終年は年度の終わりまで)有効です。
2級の学科に合格したら3級の学科も免除になりますか?
同じ作業なら免除になります。2級機械系保全作業の学科のみ合格なら、機械系保全作業の3級・2級の学科試験が免除です。
機械保全の学科免除は別の作業にも使えますか?
一部合格の段階では同じ作業だけです。学科と実技の両方に合格して技能士になると、合格した作業以外の作業でも、合格等級以下の学科が免除になります。
免除の申請を忘れて両方で申し込んだらどうなりますか?
申請後に手数料区分は変えられず、受理後の受検手数料は返金されないとJIPMは案内しています。送信前に免除付受検申請になっているかを見直しておきましょう。
まとめ
- 一部合格は、同じ作業で合格等級以下の同じ試験が免除になる
- 技能士になると、別の作業でも合格等級以下の学科が免除になる
- 1級から3級の一部合格に期限はなく、特級は5年間
- 平成27年度以降の合格者は番号を入れて免除付受検申請をする
- 職業訓練の修了による免除は、JIPMの別資料で個別に確かめる
受検資格の考え方は機械保全技能士の受検資格と実務経験、資格の全体像は機械保全技能士とはでまとめています。





コメント