機械保全技能士3級とは|受検資格・試験の内容・合格までの流れ

機械保全技能士3級の受検資格と試験の内容を紹介する記事のアイキャッチ。教科書と点検チェック表が置かれた工場の机

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『会社から機械保全技能士3級を受けるように言われたけど、何から調べればいいの?』と戸惑っている方も多いはずです。学校で受検をすすめられた学生さんも、同じように感じていますよね。

結論から言うと、機械保全技能士3級は実務経験を問わずに受けられる、機械保全の入り口の等級です。学科は真偽法の30問、実技は機械系か電気系を1つ選んで受けます。

この記事では、3級の受検資格と試験の中身、2026年度の日程と受検手数料、そして立場ごとの準備の始め方をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士3級とは?初級の技能を国が認める等級

先に結論

機械保全技能士3級は、国の技能検定「機械保全」の一番下の等級です。職業能力開発促進法の施行規則では、3級は「初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度」と決められています。

技能検定は、働くうえで必要な技能の習得レベルを国が評価する国家検定制度です。厚生労働省の案内では、全部で133職種あります。

そのうち「機械保全」の試験を行っているのが、厚生労働大臣の指定試験機関である日本プラントメンテナンス協会(JIPM)です。学科と実技の両方に合格すると「機械保全技能士」と名乗れるようになります。

「機械保全三級」「三級機械保全技能士」のように漢数字で書かれることもありますが、どれも同じ資格のことなんです。資格の全体像は機械保全技能士とは?資格の内容・等級・取り方でまとめています。

3級には「機械系」と「電気系」の2つの作業がある

機械保全技能検定は、特級を除く各級で「選択作業」ごとに試験を行います。3級で選べるのは、機械系保全作業と電気系保全作業の2つです。

1級・2級には設備診断作業もありますが、3級にはありません。ここは最初に押さえておきたいところですね。

等級機械系保全作業電気系保全作業設備診断作業
特級作業区分なし作業区分なし作業区分なし
1級ありありあり
2級ありありあり
3級ありありなし

合格したら、名刺や履歴書には「3級機械保全技能士 機械系保全作業」のように、等級・職種・作業の順で書きます。JIPMの案内では、作業名は省略してもよいとされています。

3級を受けるのはどんな人?

JIPMのオフィシャルガイドでは、3級を受ける人の年齢で一番多いのは19歳以下で、「学生または新入社員」とされています。工業高校の授業や、入社後の研修の一つとして受ける人が多い等級なんです。

もちろん、ほかの職種から保全の仕事に移った人や、製造オペレーターとして働きながら設備のことを学びたい人も受けています。年齢で区切られている試験ではないので、思い立った時が始めどきですよ。

機械保全技能士3級の位置づけを、等級・選択作業・試験の形でまとめた図解

3級の受検資格(受験資格)は?実務経験はいらない?

ここでの結論

JIPMの2026年度の試験要項では、3級に必要な実務経験年数は「0年」です。学歴や経験の年数を問わず受けられます。

ネットで調べると「受験資格」と書かれていることが多いですよね。公式の言葉は「受検資格」ですが、意味は同じです。

JIPMの受検資格判定では、3級の対象者は「機械保全に関する業務に従事している方、これから機械保全に関する業務に従事しようとしている方」と書かれています。今は保全の仕事をしていない人でも、これから携わる予定なら受けられるということです。

法令ではどう書かれている?

職業能力開発促進法の施行規則では、3級は「検定職種に関し実務の経験を有する者」のほか、検定職種に関する学科に在学している人や、職業訓練を受けている人も受けられるとされています。工業高校や専門学校に在学中でも受検できるのは、この規定があるからなんです。

厚生労働省の受検資格一覧表でも、工業高校の在学者などで、教員による講習を受けて安全衛生上の問題がないと判断された人は受検できると書かれています。学校で受ける人は、まず先生に段取りを聞いてみてください。

実務経験の証明書はいる?

JIPMの試験要項には「実務経験年数を証する書類の提出は不要です」とあります。会社に証明書を書いてもらう手間はありません。

ただし、申請した後は作業・等級・手数料の区分・受検地の変更ができません。申し込みの画面で選ぶ項目は、送信する前にもう一度見直しておきましょう。

2級を目指す時に3級が役立つ理由

2級を受けるには、実務経験2年以上か、3級の合格などが必要です。JIPMの受検資格判定では、3級に合格した人は合格後の実務年数を問わずに2級を受けられます。詳しい数え方は機械保全技能士の受検資格と実務経験で紹介しています。

機械保全技能士3級の試験の内容。学科と実技で何をする?

ここでの結論

3級の学科は真偽法(○×式)30問を60分で解きます。実技は、機械系なら写真や模型を見て判断する7課題、電気系なら実際に配線する2課題です。

『実技って工具を持って作業するの?』と気になる方も多いはずです。実は、機械系と電気系で実技の形がまったく違うんです。

学科試験(機械系・電気系とも共通の形)

学科は、どちらの作業を選んでも同じ形で行われます。科目の最後の「選択科目」だけ、選んだ作業に合わせた問題になります。

項目内容(JIPM 2026年度の試験要項)
出題形式真偽法 30問
解答方法マークシート方式
試験時間60分
試験科目機械一般・電気一般・機械保全法一般・材料一般・安全衛生・選択科目(機械系保全法か電気系保全法)
合格基準100点満点として65点以上

学科では電卓を使えません。JIPMの案内で電卓が使えるのは、設備診断作業と特級の実技だけです。

実技試験(作業によって形が違う)

実技は、選んだ作業ごとにまったく別の試験になります。機械系と電気系を並べてみますね。

項目機械系保全作業電気系保全作業
試験の種類判断等試験製作等作業試験
課題の数7課題2課題
解答方法マークシート方式作業採点(一部マークシート方式)
試験時間70分110分
持ち物の特徴筆記用具が中心工具を持参する

機械系の判断等試験は、写真・模型・標本などを見せられて、欠陥を見つけたり測定したりして答える試験です。JIPMの出題資料では、範囲は「機械の主要構成要素に生ずる欠陥の発見」「機械の異常時における対応措置の決定」「潤滑剤の判別」の3つとされています。

電気系の製作等作業試験は、会場に用意された試験用盤(表示ランプ・押しボタンスイッチ・リレー・タイマなど)に、実際に配線して動かす試験です。3級では、2番の十字ねじ回し、ニッパ、ワイヤストリッパ、ラチェット付きの圧着ペンチ、回路計を自分で持っていきます。

機械系保全作業が向きやすい人
  • 機械の部品や潤滑の仕事に近い人
  • 配線の練習時間を取りにくい人
  • 写真や図を見て判断するのが得意な人
電気系保全作業が向きやすい人
  • 制御盤やシーケンスに触れる仕事の人
  • 手を動かして覚えるのが得意な人
  • 事前に工具をそろえて練習できる人

どちらを選んでも、学科と実技の両方に合格すれば同じ3級機械保全技能士です。職場で担当している設備や、これから任されそうな仕事に合わせて選ぶと、勉強がそのまま仕事に生きますよ。

電気系保全作業の実技で使うような練習用の盤と、3級で持参する工具が並んだ作業台

実技の練習の進め方は機械保全技能士3級の実技対策で、機械系の課題ごとに紹介しています。

受ける人ごとの準備の始め方と、試験までの流れ

ここでの結論

同じ3級でも、学生・新入社員・異動した人では、使える時間と身近な教材が違います。自分の立場に合った始め方を選ぶと、遠回りせずに済みます。

「どれくらい前から準備すればいいですか?」
「まずは自分がどの立場で受けるかで考えてみましょう。」

こんなふうに、3級の準備は立場によって始め方が変わります。ここでは3つの立場に分けて、準備の始め方をまとめてみました。

立場別の準備の始め方

受ける人身近にあるもの最初の一歩つまずきやすい所
工業高校・専門学校・大学の学生授業、実習、先生、学校の申請のまとめ先生に作業の選び方と申請の段取りを聞く機械を実際に見たことが少なく、部品の写真がイメージしにくい
新入社員(研修の一つとして受ける)先輩、社内の教材、職場の設備職場で受けた先輩に、どちらの作業で受けたか聞く仕事を覚える時期と勉強が重なり、時間が細切れになる
ほかの職種から保全に異動した人担当する設備、点検表、作業の手順書担当設備の部品を、試験範囲の言葉と結びつける学科の電気一般や材料一般など、仕事で触れない分野が残る

学生さんは、実物の機械に触れる機会が少ないことが多いですよね。そのぶん、過去問の文章から部品の形を調べ、写真や図で確かめる作業を早めに始めておくと安心です。

働きながら受ける人は、平日に長い時間を取るのが難しいはずです。休憩時間に学科の○×問題を数問ずつ解き、休日に実技の練習をまとめて行う、と分けると続けやすくなります。

試験までの流れ(第1回で受ける場合)

機械保全技能士3級の申し込みから合格まで
  1. 機械系か電気系か、受ける作業を決める
  2. 受検申請期間にインターネットで申し込み、受検手数料を払う
  3. 過去問で学科の範囲をつかみ、実技の練習を始める
  4. マイページから受検票をダウンロードし、A4片面で印刷する
  5. 試験を受け、公開される正解で自己採点する
  6. 合格発表を確かめ、合格証書が届くのを待つ
機械保全技能士3級の申し込みから合格証書が届くまでの流れを示した図解

受検票は郵送されず、マイページからダウンロードして持っていく形です。JIPMのよくあるQ&Aでは、写真を貼る必要もないとされています。

学科の勉強は、公式に公開されている過去問を軸にすると進めやすいです。使い方は機械保全技能士3級の過去問の使い方、教材の組み合わせ方は機械保全技能士3級のテキストの選び方で紹介しています。

よくある失敗

受検地区は申請の時に選べますが、試験会場と日程は選べません。会場は受検票で初めて分かるので、届いたらすぐ場所と集合時刻を確かめておきましょう。

2026年度の日程・受検手数料と合格率

ここでの結論

3級は年2回あり、同じ年度に第1回と第2回の両方を受けられます。2026年度の受検手数料は年齢と立場で5つの区分に分かれていて、23歳未満の人には実技の減免があります。

機械保全技能検定は年2回行われます。第1回は3級だけ、第2回は特級・1級・2級・3級の試験です。

JIPMのよくあるQ&Aでは、3級は同じ年度に第1回と第2回の両方を受けられるとされています。ただし申し込みはそれぞれ必要で、第1回の申請を第2回に繰り越すことはできません。

2026年度の3級の日程

回受検申請期間試験日合格発表
第1回(3級のみ)2026年4月1日10:00から4月17日18:00学科・機械系実技は6月21日(日)。電気系実技は6月6日から7月5日の間で協会が指定する日2026年7月31日
第2回(3級)2026年8月24日10:00から9月25日18:00学科・機械系実技は2027年1月10日(日)。電気系実技は2026年11月28日から2027年2月21日の土日学科・機械系は2027年2月24日、電気系実技は3月19日

2026年10月15日の時点で、2026年度の第2回の受検申請はもう締め切られています。これから受けたい方は、次の年度の実施公示が出るのを待つことになります。

ちなみに実施公示は、2026年度が2026年3月2日、2025年度が2025年3月3日に出ていました。年度が替わる前の春先に、JIPMの公式サイトをのぞいてみてください。

2026年度の3級の受検手数料

JIPMの2026年度の試験要項では、3級の受検手数料は次の5つの区分に分かれています(非課税)。

区分当てはまる人学科のみ実技のみ学科・実技の両方
学割減免23歳未満の学生4,600円6,200円10,800円
在職者減免23歳未満の在職者4,600円7,700円12,300円
減免23歳未満で学生でも在職者でもない人4,600円11,600円16,200円
学割23歳以上の学生4,600円10,000円14,600円
一般上記以外4,600円15,400円20,000円

23歳未満かどうかは、2026年4月1日の時点の年齢で判定されます。ここでいう在職者は、受検申請の最終日に在職している雇用保険の被保険者のことで、学生やアルバイトは含まれません。

このほか、支払い方法によって事務手数料(10,000円未満は330円、10,000円以上は440円、いずれも税込)か振込手数料がかかります。受理された手数料は、原則として返金も次回への充当もされないので注意しましょう。

昔の「35歳未満の減額」は今はない

以前は2級・3級の実技を受ける35歳未満の人に減額がありましたが、これは令和3年度までの制度です。2026年度の機械保全では、減免の対象は3級の実技を受ける23歳未満の人だけです。申し込み方の詳しい手順は機械保全技能士の申し込み方法と受検料で紹介しています。

3級の合格率はどれくらい?

厚生労働省『令和7年度 技能検定の実施状況』の受検申請者数と合格者数から計算すると、機械保全の3級は7,064人が申請して5,285人が合格し、合格率は約74.8%でした。令和6年度は約73.1%、令和5年度は約76.6%です。

JIPMのオフィシャルガイドでも、3級の合格率の目安は70〜80%とされています。こちらは何年度の集計かが書かれていない目安なので、厚生労働省の数字とは分けて見てくださいね。

4人に3人ほどが合格している計算ですが、裏を返せば4人に1人ほどは届いていません。どこでつまずきやすいかは機械保全技能士3級の合格率と難易度で詳しく紹介しています。

合格したあとはどうなる?

合格すると、日本プラントメンテナンス協会名の合格証書が交付されます。2026年度第1回の合格証書は、2026年9月1日に発送される予定です。

学科か実技の片方だけ合格した場合は、次の回からその試験が免除されます。1級から3級の一部合格の効力には期限がないので、焦らずもう片方に挑戦できますよ。

3級に受かったら、次は2級が見えてきます。今の職場で上の級を目指すのも立派な道ですし、資格を活かせる職場を見てみたい、資格手当や取得支援のある会社と比べたいという方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がります。

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機械保全技能士3級についてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「3級の実技試験の対策はどうやればいい?」

3級の実技の対策が分からない、という相談はとても多いです。過去問が文字だけで、写真が見られないのが不安だという声もあります。

JIPMの案内では、機械系の実技に使う写真や図版などの資料は「検定秘」として公表されていません。そのため、公開されている問題文と正解から、出てくる部品の名前を拾い出し、その部品の写真や図を自分で調べて形を覚えていくのが近道です。

JIPMの出題資料によると、過去にはボルト・ナット、潤滑油、工具・測定器、空気圧装置、軸受、ねじ、キー・ピン、密封装置、弁(バルブ)に関する問題が出ています。職場で働いている方は、これらの部品を実際の設備で探してみると覚えやすいですよ。

相談2「工業高校でも現場でもないけど、電気実技を独学で受けられる?」

工業高校に通っておらず、現場でも働いていないけれど、3級の電気系の実技を独学で受けたい、という相談です。受検資格の面では、JIPMの案内で「これから機械保全に関する業務に従事しようとしている方」も対象なので、受けることはできます。

電気系の実技問題は、JIPMの公式サイトに事前に掲載されます。課題1は標準時間50分(打ち切り60分)、課題2は標準時間30分(打ち切り50分)なので、まず事前公表の問題で配線を時間内に終える練習を重ねるのが基本です。

独学の場合は、工具をそろえ、練習用の部品で何度も配線する時間が要ります。最初に工具の扱いに慣れておくと、本番の焦りがぐっと減りますよ。

相談3「2級は3級を飛ばして受けられる?」

いきなり2級から受けられるか、という相談です。JIPMの受検資格判定では、2級は実務経験2年以上の人や、機械保全に関する学科を卒業した人なら、3級に合格していなくても受けられます。

一方で、実務がまだ2年に届かない人は、3級に合格すると2級の受検資格を満たせます。『3級は簡単すぎるかも』と迷う方も、2級に早く進むための一歩として受ける意味は大きいんです。

今の状況2級を受けられるか(JIPMの受検資格判定)
機械保全の実務が2年以上ある受けられる
機械保全に関する学科を卒業している受けられる
3級に合格している受けられる
上のどれにも当てはまらないまだ受けられない(3級から始める)

よくある質問

機械保全技能士3級は実務経験がなくても受けられますか?

はい。JIPMの2026年度の試験要項では、3級に必要な実務経験年数は0年です。これから機械保全の仕事に携わる予定の人も対象になります。

機械保全3級の学科は何問出ますか?

真偽法(○×式)の30問を60分で解きます。マークシート方式で、100点満点として65点以上で合格です。

機械系と電気系はどちらが受けやすいですか?

作業ごとの合格率は公表されていないので、数字では比べられません。担当している設備や、配線の練習に使える時間で選ぶのがおすすめです。

3級は1年に何回受けられますか?

3級は第1回と第2回の年2回あり、同じ年度に両方受けられます。申し込みはそれぞれ必要です。

合格証書は誰の名前で届きますか?

3級の合格証書は、日本プラントメンテナンス協会名で交付されます。特級と1級は厚生労働大臣名です。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士3級は、技能検定「機械保全」の初級の等級で、実務経験を問わずに受けられる
  • 作業は機械系保全作業と電気系保全作業の2つから選び、設備診断作業は3級にはない
  • 学科は真偽法30問・60分、実技は機械系が判断等試験7課題、電気系が製作等作業試験2課題
  • 2026年度の3級は年2回で、23歳未満の人には実技の受検手数料の減免がある
  • 厚生労働省の数字から計算した令和7年度の合格率は約74.8%
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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