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『自主保全士と機械保全技能士、名前が似ていてどっちを取ればいいのか分からない』という方は多いですよね。どちらも工場の設備を守るための資格なので、迷うのは自然なことです。
結論から言うと、2つの違いは「誰が設備を守るか」の立場の違いです。自主保全士は設備を使う側、機械保全技能士は設備を直す側の力を示す資格と考えると、取る順番も決めやすくなります。
この記事では、3つの軸で2つを比べたうえで、今の立場に合った取る順番をお伝えしますね。
自主保全士と機械保全技能士の違いは?先に結論
機械保全技能士は、職業能力開発促進法に基づく国家検定(技能検定)に合格した人の呼び名です。自主保全士は、日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の認定で、設備を使う人が自分たちで行う「自主保全」に関わる資格です。
まずは、2つの違いを一言ずつ並べてみます。
| 比べる所 | 機械保全技能士 | 自主保全士 |
|---|---|---|
| 資格の根っこ | 職業能力開発促進法に基づく技能検定 | JIPMの認定 |
| 試験を行う所 | JIPM(厚生労働大臣の指定試験機関) | JIPM |
| 守り方のイメージ | 専門の点検・修理・改善 | 使う人が自分の設備を守る |
| 名前の扱い | 合格すると「技能士」と名乗れる | JIPMの案内で確認 |
意外かもしれませんが、どちらもJIPMが関わっている資格なんです。JIPMは機械保全技能検定の指定試験機関で、JIPMのTPMのページでは「自主保全士認定」も紹介されています。
機械保全技能士はどんな資格?
機械保全技能検定は、厚生労働省が所管する技能検定の「機械保全」職種です。学科と実技の両方に合格すると、職業能力開発促進法第50条により「技能士」と名乗れます。
等級は特級・1級・2級・3級の4つです。1級から3級は、機械系保全作業・電気系保全作業・設備診断作業から作業を選んで受けます(3級は機械系と電気系の2つ)。
資格全体の中身は機械保全技能士とは?資格の内容・等級・取り方でまとめています。
自主保全士はどんな資格?
自主保全士は、名前のとおり「自主保全」に関わる資格です。自主保全は、一般に、設備を使う製造現場の人が、自分たちの設備を自分たちで守る取り組みを指します。
厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)でも、設備保全に関連する資格として、機械保全の技能検定と並んで自主保全士が挙げられています。
自主保全士の受検の条件・試験の形・日程などは、この記事では扱いません。受ける前に、実施団体であるJIPMの最新の案内で確かめておきましょう。
自主保全士(機械保全技能士との違い)を3つの軸で比べる
「誰のための資格か」「試験の形」「職場での使われ方」の3つで比べると、自分にはどちらが合うかが見えてきます。製造オペレーターなら自主保全士、保全担当なら機械保全技能士が、今の仕事に重なりやすい組み合わせです。
名前だけで比べても、違いはなかなか見えてきませんよね。ここでは3つの軸に分けて、2つの資格を並べてみます。

軸1:誰のための資格か
いちばん大きな違いは、資格が想定している立場です。
| 立場 | 自主保全士 | 機械保全技能士 |
|---|---|---|
| 製造オペレーター | 自分の設備を守る力として重なりやすい | 3級なら実務経験を問わず挑戦できる |
| 保全担当 | 製造現場と話す時の共通語になる | 毎日の点検・修理と直接重なる |
| 学生・新入社員 | 実施団体の案内で確認 | 3級は関連学科の在学中でも受けられる |
機械保全技能士の3級は、JIPMの案内では実務経験を問わず受けられます。「これから機械保全の業務に就こうとしている方」も対象なので、オペレーターの方の最初の一歩にもなります。
軸2:試験の形
機械保全技能士は、学科と実技の2本立てです。3級の学科は真偽法30問・60分で、実技は作業によって形が違います。
| 作業 | 実技の形(JIPM試験要項) |
|---|---|
| 機械系保全作業 | 写真や模型などを見て判断する判断等試験 |
| 電気系保全作業 | 実際に回路を組む製作等作業試験 |
| 設備診断作業(1・2級) | 測定データなどを見て判断する判断等試験 |
一方の自主保全士の試験の形は、この記事では比べません。JIPMの案内で、学科だけか実技もあるかを確かめてから計画を立ててみてください。
軸3:職場での使われ方
職場での使われ方は、TPMの中でどちらの役割を担うかで分かれます。
| 場面 | 自主保全士が生きる所 | 機械保全技能士が生きる所 |
|---|---|---|
| 毎日 | 使いながら、いつもと違う所に気づく | 日常点検・パトロール点検で状態をつかむ |
| 異常の時 | 早めに気づいて知らせる | 原因を調べて修理する |
| その後 | 気づいた点を出し合い、再発を防ぐ | 機械履歴簿をつけ、改善につなげる |
機械保全技能士の側の欄は、厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)にある保全の仕事をもとにしています。どこまでを製造現場が受け持つかは、会社のTPMの進め方で変わります。
TPMの中で、2つの資格はどうつながる?
TPMは、JIPMが提唱した「全員参加の生産保全」です。設備を使う人と直す人の両方がそろってはじめて回る仕組みなので、2つの資格は競うものではなく、役割を分け合う関係なんです。
JIPMの説明では、TPMは1971年にJIPMが提唱したもので、「災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ」などのロスを未然に防ぐ仕組みを、現場現物で作る取り組みです。
この中で、製造現場の自主保全と、保全担当の専門の保全が組み合わさります。例えば、こんなやりとりが毎日の現場で交わされます。
「このポンプ、昨日より少し熱い気がします」
「ありがとう、午後に一度止めて軸受を見てみるね」
最初の一言が自主保全の力、そのあとの対応が保全担当の力です。どちらが欠けても、故障の前に手を打つのは難しくなりますよね。
厚生労働省の職業能力評価基準(保全)では、専門の保全スタッフを置かず、製造ラインの熟練技能者が保全業務を兼務するケースも少なくないとされています。オペレーターの方でも、機械保全技能士の知識が仕事で生きる場面は多いんです。
TPMの考え方はTPMとは|全員参加の生産保全と機械保全技能士の関係で詳しく紹介しています。
どっちから取る?立場別の取る順番
今の仕事に重なる資格から取るのがいちばん続けやすい順番です。迷う時は、職場のTPMや教育の計画で、どちらを求められているかを上司に聞いてみるのが近道です。
『結局、自分はどっちから?』というのが一番知りたいところですよね。よくある立場ごとに、取る順番の目安を表にしてみました。
| 今の立場 | 先に取ると重なりやすい資格 | その次に考えたいこと |
|---|---|---|
| 製造オペレーター(自主保全の活動がある職場) | 自主保全士 | 機械保全技能士3級で設備の仕組みを学ぶ |
| 製造オペレーター(保全も兼ねている) | 機械保全技能士3級 | 実務2年を目安に2級へ |
| 保全担当になったばかり | 機械保全技能士3級 | 実務と重なる作業の2級へ |
| 保全担当で2級を持っている | 機械保全技能士1級 | 製造現場と話すため自主保全士も検討 |
| 工業高校・専門学校の学生 | 機械保全技能士3級 | 就職先の職場の方針に合わせて考える |
例えば、上司にこんなふうに聞いてみると、職場の方針がすぐ分かります。
「自主保全士と機械保全技能士、うちの職場ではどちらを先に取ると役に立ちますか?」

機械保全技能士の受検資格は、JIPMの2026年度の試験要項では、3級は実務経験を問わず、2級は実務2年以上または3級合格者などです。どの級から受けられるかは、機械保全技能士の種類|機械系・電気系・設備診断の違いとあわせて確かめておくと安心です。
- 職場にTPMや自主保全の活動があるかを確かめる
- 今の仕事が「使う側」「直す側」「両方」のどれに近いかを考える
- 上司や教育担当に、職場で求められている資格を聞いてみる
- 重なる資格を先に決め、試験の時期を確かめる
- 合格後に、もう一方を取るかを考える
「名前が似ているから同じような資格だろう」と思い込んで、試験の形を確かめずに申し込んでしまうことがあります。機械保全技能士は学科と実技があり、作業によって実技の形も違うので、申し込む前に作業を決めておきましょう。
よくある相談に答えます
ネットのQ&Aでも、この2つの資格の違いに関する相談はたくさん寄せられています。特に多い3つの相談に答えますね。
- 自主保全士は国家資格なの?
- 製造オペレーターはどっちを取るべき?
- 機械保全技能士2級と自主保全士、どっちが難しい?
相談1:自主保全士は国家資格?会社にとって大事なの?
閲覧数が特に多いのがこの相談です。機械保全技能士は、職業能力開発促進法に基づく国家検定に合格した人の呼び名です。一方の自主保全士は、JIPMのTPMのページで「自主保全士認定」として紹介されているJIPMの認定です。
会社にとっての大事さは、職場のTPMの進め方しだいです。自主保全の活動を重視している会社では、教育の計画に組み込まれていることもあります。
相談2:製造オペレーターは、どっちを取ればいい?
『オペレーターだから自主保全士?それとも機械保全技能士?』と迷う方も多いはずです。設備を使う立場なら、自主保全士の考え方は今の仕事とよく重なります。
ただ、設備の仕組みをもっと知りたい、いずれ保全の仕事もしてみたいという方には、機械保全技能士3級もおすすめです。実務経験を問わず受けられるので、オペレーターの方でも始めやすいんです。
相談3:機械保全技能士2級と自主保全士、どっちが難しい?
難しさは、比べる物差しがそろっていないので、一言では言いにくいところです。機械保全技能士2級は、法令では「中級の技能労働者が通常有すべき程度」とされ、学科は真偽法25問と四肢択一式25問、実技もあります。
自主保全士のほうの試験の形は、実施団体の案内で確かめてみてください。難しさより「今の仕事にどちらが近いか」で選ぶほうが、勉強も続けやすいですよ。
自主保全士とあわせて、ほかに取りたい資格は機械保全技能士と一緒に取りたい資格でまとめています。
資格を活かせる職場を選ぶという考え方
今の職場で上の級を目指すのも、保全の部署へ移るのも、どちらも立派な道です。ただ、資格を活かせる仕組みがあるかは職場によって違うので、外の職場を見比べてみると選択肢が広がります。
JIPMの案内では、企業・団体によっては受検料補助や合格報奨金、資格手当などを受けられることがあるとされています。こうした仕組みや、自主保全・保全の分担は会社によって違うので、就業規則や求人票で確かめてみてください。
設備の大きい工場で保全を任されたい、資格の取得支援がある会社を比べてみたいという方は、メーカーの保全求人を見比べておくと、次の一歩が考えやすくなります。
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資格を活かせる職場を探すなら、メーカーの保全求人も比べてみる
扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。
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よくある質問
自主保全士と機械保全技能士は、両方取る意味がありますか?
あります。自主保全士は設備を使う側、機械保全技能士は直す側の力を示すので、両方あると製造と保全の両方の話が分かる人になれます。どちらから取るかは、今の仕事に近いほうからで大丈夫です。
機械保全技能士3級は、製造オペレーターでも受けられますか?
受けられます。JIPMの案内では、3級は実務経験を問わず、機械保全の業務にこれから就こうとしている方も対象です。
自主保全士の試験日や受検料はどこで確かめればいいですか?
実施団体であるJIPMの最新の案内で確かめてください。この記事では、公式に確認できた機械保全技能士の情報を中心に紹介しています。
履歴書には、どちらの資格を先に書けばいいですか?
資格欄は取得した順に並べるのが基本です。機械保全技能士は「2級機械保全技能士 機械系保全作業」のように、等級・職種・作業の順で書きます。
まとめ
- 機械保全技能士は国家検定(技能検定)、自主保全士はJIPMの認定
- 自主保全士は設備を使う側、機械保全技能士は直す側の力を示す
- 2つはTPMの中で役割を分け合う関係で、競うものではない
- 今の仕事に重なるほうから取るのが続けやすい順番
- 自主保全士の試験の中身は、JIPMの最新の案内で確かめる





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