機械保全技能士の電気実技対策|PLCとリレー回路の練習の進め方

機械保全技能士の電気実技の練習の進め方を紹介する記事のアイキャッチ。練習用の盤に配線する手元

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電気系の実技を前に、『配線なんてほとんどしたことがない、何から練習すればいいの?』と焦っていませんか。PLCを持ち込むと聞いて、さらに不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、機械保全技能士の電気実技は「回路図を読む」「配線する」「PLCに入力する」「動作を確かめる」の4つの工程に分けて練習すると、つまずく所がはっきりします。問題は事前に公開されるので、本番と同じ時間で通し練習を重ねるのが合格への近道です。

ここでは、工程ごとの練習のしかたと、試験までの準備の順番をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士の電気実技はどんな試験?まず全体をつかむ

先に結論

試験を行う日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の試験要項では、電気系保全作業の実技は製作等作業試験で、課題は2つ・試験時間は110分です。解答は作業採点(一部マークシート方式)で、問題は試験の前に公式サイトで公開されます。

電気系の実技は、試験用の盤に実際に配線して、決められた動きをする回路を作る試験です。写真を見て答える機械系とは、練習のしかたがまったく違うんです。

JIPMの「2026年度 電気系保全作業 実技試験の概要」から、練習で意識したい所をまとめました。

項目内容
課題課題1・課題2の2つ
課題1の時間標準時間50分・打ち切り60分
課題2の時間標準時間30分・打ち切り50分
会場で用意される物試験用盤(表示ランプ、押しボタンスイッチ、リレー、タイマ等)、支給材料(KIV線・Y型裸圧着端子)
1・2級の持参物PLC(プログラマブルコントローラ)とプログラミングツール(パソコン)
3級の持参物2番の十字ねじ回し、ニッパ、ワイヤストリッパ、ラチェット付き裸圧着端子用圧着ペンチ、回路計
合格基準減点法で、減点が40点以下なら合格

電気系保全作業そのものの説明は電気系保全作業とはで紹介しています。

2級と1級、3級で練習の重さが変わる

機械保全技能士の電気2級の実技と1級の実技では、PLCとパソコンを持ち込みます。3級は工具の持参が案内されていて、持ち物が等級で分かれているのが特徴です。

JIPMの資料にある1級電気系保全作業の細目には、PLCのプログラミングとリレーシーケンス回路の組立て、異常時の対応、作業時間の見積りが並んでいます。上の等級ほど、配線とプログラムの両方を時間内に仕上げる力が問われると考えておきましょう。

等級ごとの実技の違いは機械保全技能士2級の実技対策と機械保全技能士3級の実技対策でも紹介しています。

練習を4つの工程に分ける:つまずく所と練習の順番

ここでの結論

電気実技の練習は「回路図を読む」「配線する」「PLCに入力する」「動作を確かめる」の4工程に分けると、自分がどこで時間を使っているかが見えてきます。練習はこの順番で、1つずつ固めていくのがおすすめです。

『通しで練習しても、毎回時間が足りない』という方は多いですよね。実は、時間が足りない原因は工程のどこか1つに偏っていることが多いんです。

4つの工程に分けて、つまずきやすい所と練習のしかたを表にしました。この分け方は、この記事で独自にまとめたものです。

工程やることつまずきやすい所練習のしかた
1 回路図を読む問題の回路図と動作の条件を理解する部品の記号と盤の上の位置が結びつかない回路図の記号に、盤の部品の位置を書き込む
2 配線する盤の端子に電線をつなぐ圧着や端子の締め方に時間がかかる1本ずつの作業を同じ手順で繰り返す
3 PLCに入力する回路をラダー図などで入力して書き込む(1・2級)入出力の割り付けを間違える割り付け表を先に作ってから入力する
4 動作を確かめる条件どおりに動くかを確かめて直す動かない時に原因の場所が分からない回路計での確かめ方を決めておく
機械保全技能士の電気実技の練習を、回路図を読む・配線する・PLCに入力する・動作を確かめるの4工程に分け、つまずきやすい所と練習の順番を示した図解

工程ごとに時間を計ってみる

通し練習の時に、工程ごとの区切りで時計を見ておくと、どこが遅いかが一目で分かります。例えば配線に時間がかかっているなら、回路図の読み方より先に、手を動かす練習を増やすのが近道です。

自分のつまずき方のチェック
  • 回路図を見てから手が動き出すまでに迷う時間が長い
  • 圧着や端子の締め付けで、1本ごとに手が止まる
  • PLCに入力した後、入出力の番号の間違いに気づく
  • 動かない時、どこから確かめればいいか分からない

当てはまった項目の工程から、重点的に練習してみてください。

工程1・2:回路図を読んで、配線する練習

ここでの結論

回路図を読む練習と配線の練習は、別々に行う方が早く上達します。回路図は机の上で、配線は盤を使って、それぞれ同じ手順を体に覚えさせるのがコツです。

回路図を読む力と、手を速く動かす力は、まったく別の技能ですよね。両方を一度に練習しようとすると、どちらも伸びにくくなってしまいます。

回路図を読む練習

まずは、事前公開の問題に出てくる部品の記号を、盤の上の部品と結びつけるところから始めます。押しボタンスイッチ、リレー、タイマ、表示ランプが、回路図のどこにあたるかを一つずつ確かめていきましょう。

回路図を読む練習の進め方
  1. 回路図の部品の記号に、盤の上の部品の名前を書き込む
  2. 電源から順に、電気が流れる道を指でなぞる
  3. スイッチを押した時、どのリレーが動くかを言葉で説明する
  4. タイマが入る回路は、時間がたった後の動きまで説明する
  5. 何も見ずに、回路の動きを人に説明できるか試す

例えば職場の先輩に、こんな風に説明してみるのも効果的です。

「このボタンを押すと、このリレーが動いて、ランプが点くんですよね」
「そう。じゃあ手を離したら、どうなる?」

聞き返されて答えに詰まった所が、まだ理解があいまいな所です。

配線の練習

配線は、1本の電線を「切る、被覆をむく、圧着する、端子に締める」までを同じ手順で繰り返す練習が基本です。毎回同じ順番で手を動かすと、迷う時間が減っていきます。

よくある失敗

速さを意識しすぎて、圧着や端子の締め付けが甘くなることです。見た目はつながっていても、動作の確かめで接触が悪いと分かると、直すのに大きく時間を取られます。速さより先に、確実な1本を作れるようになりましょう。

機械保全技能士の電気実技で使う練習用の盤と配線、工具の写真

工具を手になじませる

3級では、十字ねじ回し、ニッパ、ワイヤストリッパ、圧着ペンチ、回路計を自分で持っていきます。本番で使う工具で練習しておかないと、握り方や力の入れ方の違いで手が止まってしまうことも。

1・2級でも、配線の作業そのものは同じです。普段から使い慣れた工具で練習し、本番前に新しい工具へ替えるのは避けておくと安心ですよ。

工具まわりで確かめたいこと
  • 被覆をむく長さが毎回そろっているか
  • 圧着した端子を軽く引いても抜けないか
  • 端子のねじを締めた後、電線がぐらつかないか
  • 工具を置く場所を決めて、探す時間をなくせているか

配線の順番も、自分なりに決めておくと安心です。例えば「電源側から順に」「上の段から下の段へ」のように決めておけば、つなぎ忘れを見つけやすくなります。

『配線は毎年同じなの?』と気になる方もいますよね。問題は年度ごとに事前公開されるので、前の年の配線がそのまま使えるとは限りません。公開された問題で、毎回確かめてから練習を始めましょう。

工程3・4:PLCに入力して、動作を確かめる

ここでの結論

1・2級ではPLCとパソコンを持ち込むので、使う機器に慣れておくことが大前提です。入力の前に入出力の割り付けを決め、動作の確かめ方まで手順にしておくと、本番で慌てずに済みます。

機械保全技能士の電気実技でPLCを使うのは1・2級です。『PLCは触ったことがない』という方もいますよね。まずは、持ち込む機器とパソコンをつないで、プログラムを書き込める状態にするところから始めます。

PLCに入力する練習

PLCへの入力は、回路図をラダー図などに置き換えて、パソコンから書き込む作業です。いきなり入力を始めると、入出力の番号の取り違えが起きやすくなります。

PLC入力の練習の進め方
  1. 盤のスイッチやランプに、PLCの入出力の番号を割り付けた表を作る
  2. 回路図をもとに、紙の上でラダー図を書いてみる
  3. 割り付け表を見ながら、パソコンで入力する
  4. PLCに書き込み、入力のランプでスイッチの反応を確かめる
  5. 同じ問題を、割り付け表を見ずに入力できるまで繰り返す
持ち込む機器の確認

持ち込めるPLCとパソコンの条件は、受ける年度の実技試験の概要で確かめておきましょう。職場の機器を借りる時は、本番と同じ機器で練習できるように、早めに相談しておくと安心です。

PLCが初めての人は、リレー回路から入る

PLCに慣れていない方は、先にリレーシーケンス回路の動きを理解しておくと入りやすくなります。ラダー図は、リレー回路の考え方をそのまま画面の上に書いたものだからです。

「ラダー図って、何から覚えればいいですか?」
「まずは自己保持の回路かな。リレーで動きが分かれば、ラダーでも同じように書けるよ」

職場にPLCに詳しい人がいれば、こんな風に最初の一歩だけ教わるのも近道です。

動作を確かめて直す練習

回路ができたら、問題の条件どおりに動くかを確かめます。動かない時に、どこから確かめるかを決めておくことが、時間を守るためにとても大事なんです。

動かない時の様子まず確かめる所
何も反応しない電源の配線と、PLCの電源・書き込みの状態
ボタンを押しても入力が入らないスイッチからPLCの入力までの配線と番号
入力は入るのに出力が出ないラダー図の条件と、出力の割り付け
動きの順番が条件と違うタイマやリレーの条件、問題文の読み違い

回路計を使った確かめ方も、練習の段階で手順にしておきましょう。3級では回路計の持参が案内されているので、導通の確かめ方に慣れておくと、配線の間違いを早く見つけられます。

最後の記入まで練習に入れる

JIPMの試験要項では、実技は正答以外の解答がすべて減点の対象で、空欄や記入ミスも含まれます。解答は作業採点ですが、一部にマークシートの部分もあります。

配線が動いた安心感で、記入を忘れてしまう方もいるので気をつけたい所です。通し練習の最後に、問題用紙の記入欄を見直す時間を毎回取っておきましょう。

練習の材料と、試験までの準備の順番

ここでの結論

電気系の実技は、公式サイトで事前に公開される問題が一番の練習材料です。練習用の盤やキットで手を動かし、身近に教わる人がいなければ講習や公的な実技指導も選択肢になります。

『電気の実技の過去問って、どこで見られるの?』と迷う方も多いはずです。電気系の練習材料を、入手先ごとにまとめました。

材料入手先使い方注意したいこと
事前公開の問題JIPMの公式サイト本番と同じ問題で通し練習する受検者への送付はない
過去の試験問題JIPMの公式サイト学科の過去問と、出題の流れをつかむ電気系の実技は正解の公表がない
練習用の盤・キット職場の練習用の盤、市販の練習キット配線とPLC入力の練習に使う本番の盤の部品と合うか確かめる
講習・実技指導民間団体などの準備講座、ものづくりマイスター配線の手順を教わり、見てもらう内容と日程を事前に確かめる
機械保全技能士の電気実技の練習材料を、事前公開の問題・過去の試験問題・練習用の盤やキット・講習と実技指導の4つに分けて使い方を示した図解

過去問と事前公開の問題の使い方

2026年度の第2回では、電気系保全作業の実技の事前公開用の試験問題が11月2日に公表予定とされています。公表されたらすぐに印刷して、回路図を読む練習から始められるようにしておきましょう。

一方で、電気系の実技は作業試験なので、正解は公表されません。自分の配線が合っているかは、動作の確かめと、教えてくれる人のチェックで判断することになります。過去問の探し方は機械保全技能士の過去問はどこで見る?でも紹介しています。

練習キットと講習の選び方

職場に練習用の盤がない場合は、市販の練習キットを使う方法もあります。選ぶ時は、事前公開の問題に出てくる部品がそろっているかを確かめてみてください。

JIPMは、テキストの発行や対策講座を行っていないと案内しています。講習を受けるなら、民間団体などが開く受検準備講座を探すことになります。

JIPMの公式サイトでは、厚生労働省が認定する「ものづくりマイスター」による実技指導も紹介されています。各都道府県の地域技能振興コーナーに相談する形で、派遣の費用は原則無料とされています。

試験までの準備の順番

試験までの準備を、時期ごとに並べてみました。

時期やること
申し込みの前受ける等級を決め、1・2級は持ち込むPLCとパソコンを確保する
申し込みの後工具をそろえ、1本ずつの配線の手順を固める
事前公開の後回路図を読み、工程ごとに分けて練習する
試験の直前本番と同じ時間で、課題1・課題2を通しで練習する
試験の前日持ち物を本番と同じにそろえ、機器が動くかを確かめる

電気系の実技の日は自分で選べず、受検票で知らされます。集合から終了までは、案内によって150〜180分程度とされているので、当日の予定には余裕を持たせておきましょう。

よくある相談:電気実技の対策について

ここでの結論

知恵袋では「保全の知識がない素人だが電気系2級を受けたい」「課題1の配線図で全部の問題に対応できる?」「配線作業はどの問題でも共通?」「部署異動で制御盤の配線を基礎から学びたい」という相談をよく見かけます。

相談1:保全の知識がない素人でも、電気系の2級を受けられる?

答え:まず受検資格を確かめてみてください。JIPMの試験要項では、2級は実務経験2年以上が基本で、3級に合格した人や、関係する学科を卒業した人は実務経験がなくても受けられます。

経験が浅いうちは、3級の電気から始めて、配線の基本を固める道もあります。受検資格の考え方は機械保全技能士の受検資格と実務経験で紹介しています。

相談2:課題1の配線図で、全部の問題に対応できる?

答え:問題は年度ごとに事前公開されるので、ある年の配線図がほかの年にも使えるとは言い切れません。公開された問題を見て、必要な配線を毎回確かめるのが確実です。

『一度覚えれば終わり』と考えたくなりますよね。ただ、配線の手順そのものは毎年の練習で積み上がっていくので、練習した時間はむだになりません。

相談3:配線作業は、どの問題でも共通?

答え:盤の部品や支給材料は会場で用意される物が案内されていますが、回路の中身は問題によって変わります。共通して使えるのは、1本ずつの配線の手順や、確かめ方の手順の方です。

相談4:部署異動で、制御盤の配線を基礎から学びたい

答え:電気系保全作業の実技の練習は、制御盤の仕事の基礎づくりにもつながります。回路図を読む、配線する、動作を確かめるという流れは、現場の仕事でも同じなんです。

公的な学び直しとして、ポリテクセンターの職業訓練で電気の故障の見つけ方を学べるコースもあります。電気系保全作業の練習と合わせて、現場の仕事に生かしてみてください。

電気の実技で身につけた力は、制御盤のある工場ならどこでも生きる技能です。今の職場で上の級を目指すのも良い道ですし、電気の設備が多い工場や、資格の取得支援がある会社も見てみたい方は、メーカーの保全求人を見比べると選択肢が広がりますよ。

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よくある質問

機械保全技能士の電気実技の過去問はありますか?

電気系保全作業の実技は、試験の前に問題がJIPMの公式サイトで公開されます。作業試験なので、正解は公表されません。

機械保全技能士の電気2級の実技ではPLCは必要ですか?

JIPMの2026年度の概要では、1・2級はPLC(プログラマブルコントローラ)とプログラミングツール(パソコン)を持参します。

電気実技の練習キットは必要ですか?

職場に練習用の盤があれば、それで十分練習できます。ない場合は、事前公開の問題に出てくる部品がそろうかを確かめて、市販のキットを選ぶ方法があります。

電気実技の講習はJIPMで受けられますか?

JIPMはテキストの発行や対策講座を行っていないと案内しています。民間団体などの受検準備講座や、ものづくりマイスターによる実技指導を探してみてください。

実技の課題ごとの時間はどれくらいですか?

JIPMの2026年度の概要では、課題1が標準時間50分・打ち切り60分、課題2が標準時間30分・打ち切り50分です。

まとめ

この記事の要点
  • 電気実技は課題2つの製作等作業試験で、問題は事前に公開される
  • 練習は回路図を読む・配線する・PLCに入力する・動作を確かめるの4工程に分ける
  • 1・2級はPLCとパソコン、3級は工具を持参する
  • 空欄や記入ミスも減点なので、記入の見直しまで練習に入れる
  • 教わる人がいなければ、講習やものづくりマイスターの実技指導も使える

実技全体の考え方は機械保全技能士の実技試験、資格の全体像は機械保全技能士とはでまとめています。

機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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