当サイトの記事は編集部が法令や厚生労働省などの公的機関、試験を実施する指定試験機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内にメーカー・工場の転職サービスへの案内(広告)を含みます。
1級の勉強を始めようと過去問を開いたら、『2級と形は同じなのに、なんだか選択肢が細かい』と感じた方も多いはずです。どこで過去問を見て、どう使えばいいのか迷いますよね。
結論から言うと、機械保全技能士1級の過去問は、JIPMの公式サイトで問題概要と正解が見られます。2級と同じ土台の範囲はさっと確かめ、1級で深くなる範囲に時間をかけるのが効率のいい使い方です。
この記事を読むと、過去問の見つけ方から、2級との違い、解き方と回し方までが分かりますよ。
機械保全技能士1級の過去問はどこで見られる?
1級の過去問は、試験を行う日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の公式サイト「過去の試験問題」で、問題概要と正解が公開されています。JIPMはテキストの発行を行っていないので、まずはここが出発点です。
JIPMの公式サイトでは、過去に実施した試験の問題と正解が公表されています。ページによって「3年分」「3回分」と書き方が違いますが、直近の試験を中心に見られると考えておけば大丈夫です。
1級は年1回、第2回の試験だけで行われます。そのため、1級の過去問は1年に1回分ずつ増えていくことになります。
公開のタイミング
正解は、試験が終わった後に公式サイトで公開されます。2026年度第2回では、特級・1級・3級の試験問題と正解の公表が2027年1月15日(金)10時からと案内されていました。
| 項目 | 2026年度 第2回(1級) |
|---|---|
| 学科・実技(電気系実技を除く) | 2027年1月10日(日) |
| 試験問題と正解の公表 | 2027年1月15日(金)10時から |
| 合格発表 | 2027年2月24日(水) |
試験問題は、学科・実技とも試験の後に持ち帰れます。持ち帰った問題に自分の答えを書いておけば、公表された正解で自己採点ができますね。
使う時の決まり
JIPMの公式サイトに載っている問題は、無断で複製したり、二次使用したりすることが禁止されています。自分の勉強に使う範囲にとどめましょう。
また、都道府県の職業能力開発協会では、機械保全職種の問題の閲覧はできません。他の技能検定と同じ感覚で協会に問い合わせても見られないので、JIPMのサイトを使ってください。
JIPMの「過去の試験問題」のページには、2026年度第1回(3級)以降の問題と正解のほか、2025〜2017年度の年度見出しも並んでいます。古い年度のリンクがどこまで開けるかは、ページで確かめてみてください。
実技の過去問は公開の範囲が違う
実技は、作業によって公開される物が違います。機械系保全作業と設備診断作業は、写真や図版などの実技試験資料が「検定秘」のため公表されません。
電気系保全作業は作業試験なので、正解は公表されません。その代わり、実技の問題が試験の前に公式サイトで公表されます。実技の準備の進め方は機械保全技能士1級の実技対策で紹介しています。
1級の学科はどんな問題?出題の形と範囲
1級の学科は、真偽法25問と四肢択一式25問を100分で解きます。科目は機械一般・電気一般・機械保全法一般・材料一般・安全衛生と、選んだ作業の選択科目です。
JIPMの試験要項では、1級の学科はどの作業でも同じ形です。
| 項目 | 1級の学科 |
|---|---|
| 出題 | 真偽法25問・四肢択一式25問 |
| 解答方法 | マークシート方式 |
| 試験時間 | 100分 |
| 合格基準 | 加点法で100点満点として65点以上 |
学科では電卓は使えません。計算の出てくる問題は、手で計算して答える練習をしておきましょう。
出題の範囲
範囲は、JIPMの「試験科目及びその範囲並びにその細目」に書かれています。選択科目は、機械系保全法・電気系保全法・設備診断法から、受ける作業に合わせて1つです。
1級の細目には、例えば次のような中身が挙がっています。
- 機械一般:工作機械・化学機械・製鉄機械・鋳造機械・繊維機械・荷役機械・自動組立て機械などの種類・構造・機能・用途
- 電気一般:電流・電圧・電気抵抗・電力・周波数・力率、誘導電動機の回転数と極数・周波数の関係、電動機の起動方法、回路遮断器、電気制御装置の基本回路
- 材料一般:金属材料の種類・性質・用途、熱処理
『こんなに広いの?』と驚く方もいますよね。ただ、全部を同じ深さで覚える必要はありません。次の章で、力の入れ所を分けてみます。
計算の出てくる問題への備え
電気一般の電動機の回転数や、材料の強さに関わる問題など、1級の学科には計算を使う問題も出てきます。学科では電卓が使えないので、ふだんから手で計算する練習をしておきましょう。
『公式は覚えたのに、図が変わると解けない』という声もよく聞きます。公式を覚えるだけでなく、どの数字をどこに入れるのかを図に書き込みながら解くと、形が変わっても対応しやすくなります。
選択科目は作業に合わせて解く
過去問を解く時は、共通の科目と、自分の作業の選択科目を分けて見ておくと便利です。共通の科目は、どの作業で受けても同じ準備が使えます。
選択科目は、受ける作業によって中身がまったく違います。他の作業の選択科目まで解く必要はないので、自分の作業の問題だけを集中して解いてみてください。
2級と同じ範囲、1級で深くなる範囲を対照表で見る
1級と2級は、学科の科目名も出題の形も同じです。だからこそ、2級と共通の土台は短い時間で確かめ、1級の細目で広く書かれている所に時間をかけると効率が上がります。
『2級の過去問をやっておけば1級も大丈夫?』と考える方もいるはずです。半分は正解で、半分はもう一歩足りないんです。
科目ごとに、2級と共通の土台と、1級で意識したい所を並べてみました。1級の細目の書き方をもとに、この記事で独自にまとめた対照表です。
| 科目 | 2級と共通の土台 | 1級で意識したい所(1級の細目の例) |
|---|---|---|
| 機械一般 | 機械の要素や基本の仕組み | 工作機械から自動組立て機械まで、機械の種類ごとの構造と用途 |
| 電気一般 | 電流・電圧・抵抗・電力の基本 | 誘導電動機の回転数・極数・周波数の関係、起動方法、回路遮断器 |
| 機械保全法一般 | 保全の種類や点検の基本 | 保全計画と、故障の記録から傾向を読む考え方 |
| 材料一般 | 金属材料の種類と性質 | 用途に合う材料の選び方、熱処理 |
| 安全衛生 | 現場の安全の基本 | 作業の安全を周りに説明できる知識 |
| 選択科目 | 作業ごとの基本の用語 | 損傷の原因や異常時の措置を、理由まで含めて選ぶ力 |

共通の土台は「確かめるだけ」でいい
2級に受かっている方なら、共通の土台はすでに一度通っています。過去問で間違えた所だけを、テキストで確かめ直せば十分です。
2級を受けずに実務経験で1級を受ける方は、この土台から始めましょう。市販の問題集に2級の過去問も入っていれば、それを最初の一周に使うのも一つの方法です。
1級で深くなる所に時間をかける
1級の選択肢は、2級に比べて違いが細かくなりがちです。似た選択肢のどこが違うかを、自分の言葉で言えるようにしておきましょう。
「この四択、2つまでは絞れるんだけどな」
「残った2つの違いを説明できるようにすると、1級は一気に解きやすくなりますよ。」
職場の勉強会で、こんな会話が出てきたら成長のサインです。過去問は答え合わせで終わらせず、選ばなかった選択肢の理由まで確かめてみてください。
立場によって過去問の使い方を変える
1級を受ける人の立場はさまざまです。自分に近い行を見て、過去問のどこから手を付けるかを決めてみてください。
| 立場 | 過去問の使い方 |
|---|---|
| 2級に受かって2年ほどの方 | 2級の記憶が新しいうちに、1級の問題から始める |
| 2級から時間がたっている方 | 2級の問題で土台を確かめてから、1級に移る |
| 2級を受けずに実務で1級を受ける方 | 2級の問題で出題の形に慣れてから、1級に進む |
| 別の作業の1級技能士の方 | JIPMの試験要項では合格等級以下の学科が免除されるので、実技の準備に時間を回す |
別の作業の技能士の方は、申請の時に技能士番号を入れて「免除付受検申請」を行います。学科の過去問を解く必要があるかどうか、申請の前に確かめておくと時間を無駄にしませんね。
真偽法と四肢択一式で解き方を変える
真偽法は「どこを直せば正しい文になるか」、四肢択一式は「どれを消せるか」を考えながら解くと、知識が深く残ります。100分の使い方も、事前に決めておきましょう。
真偽法は「直せる所」を探す
真偽法は、文が正しいか誤りかを答える問題です。誤りだと思った時は、どの言葉を直せば正しい文になるかまで考えてみてください。
例えば、数字や向き、大小の関係が入れ替わっている所は、誤りが隠れやすい場所です。ここを意識して読む癖をつけると、本番でも見落としが減ります。
四肢択一式は「消す」練習
四肢択一式は、4つの中から1つを選ぶ問題です。正解を探すより、明らかに違う選択肢から消していくほうが迷いにくくなります。
過去問を解く時は、消した理由を選択肢の横に一言メモしておきましょう。2周目に解く時、そのメモが理解の確認になります。
正解の番号だけを覚えてしまうと、選択肢の並びや言い回しが変わった時に解けなくなります。番号ではなく、その選択肢が正しい理由を覚えておきましょう。
100分の使い方を決めておく
学科は50問を100分で解きます。真偽法から先に解くか、四肢択一式から先に解くか、自分の順番を決めておくと当日あわてません。
- 全体をざっと見て、すぐ答えられる問題から解く
- 迷った問題には印を付けて、先に進む
- 計算の出てくる問題は、まとめて時間を取って解く
- 印を付けた問題に戻り、選択肢を消しながら考える
- マークのずれがないか、最後に確かめる
過去問の最後の一周は、本番と同じ100分を計って通して解いてみてください。時間の感覚がつかめると、当日の落ち着きが違いますよ。
1級過去問の回し方と、勉強の進め方
過去問は、1周目で出題の形をつかみ、2周目で間違えた所をテキストで補い、最後に本番と同じ時間で通して解く流れがおすすめです。何周するかより、正解の理由を言えるかで仕上がりを見ましょう。

テキストと行き来する
過去問だけでは、なぜその答えになるのかが分からない問題も出てきます。そんな時は、テキストの該当する所に戻って確かめましょう。
JIPMはテキストの発行や対策講座を行っていないので、教材は市販の物から選びます。教材の選び方は機械保全技能士1級のテキスト・アプリで紹介しています。
- 自分の作業の選択科目を、共通科目と分けて解いている
- 間違えた問題に、間違えた理由をメモしている
- 真偽法の誤りの文を、正しい文に直せる
- 四肢択一式で、選ばなかった選択肢の理由を言える
- 本番と同じ100分で、一度は通して解いた
試験日から逆算した過去問の時間軸
1級は年1回の試験なので、試験日から逆算して過去問の予定を立てると進めやすくなります。2026年度の日程をもとに、流れの例を並べてみました。
| 時期 | 過去問でやること |
|---|---|
| 申請の前(8月下旬より前) | 1年分を解いてみて、自分の苦手な科目を知る |
| 申請期間(8月下旬〜9月下旬) | 受ける作業を決め、選択科目の過去問を集める |
| 申請後〜年末 | 2周目で間違えた所をテキストで補う |
| 試験の前の数週間 | 本番と同じ100分で通して解く |
| 試験の後 | 持ち帰った問題を、公表された正解で自己採点する |
年度によって日程は動くので、申請の前にJIPMの案内で確かめましょう。試験の後の自己採点は、もし一部だけ合格だった時の次の計画にも役立ちますよ。
練習問題を増やしたい時
公式サイトで見られる過去問は、直近の分が中心です。もっと問題を解きたい時は、市販の問題集で数を足すのも一つの方法です。
JIPMの公式サイトには、過去の問題を載せた書籍等の紹介ページがあります。ただ、内容は事務局が保証するものではないと書かれているので、公式の正解と食い違う所がないかは気にしておきましょう。
職場の経験とつなげる
1級の過去問には、保全計画や故障の傾向など、ふだんの仕事に近い話がたくさん出てきます。分からない問題は、職場の先輩に「現場だとどうしていますか?」と聞いてみてください。
仕事と結びついた知識は、試験が終わった後も役に立ちます。1級の勉強をきっかけに、もっと大きな設備や新しい設備に触れてみたいと感じる方もいますよね。
今の職場で経験を積みながら1級を目指すのも、正当な道です。そのうえで、資格を活かせる職場や取得支援のある会社を比べたい方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がりますよ。
メーカー専門の転職エージェント(PR)
資格を活かせる職場を探すなら、メーカーの保全求人も比べてみる
扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。
無料メーカーの保全求人を見てみる求人の条件・待遇は各求人票と紹介会社の案内でご確認ください。
1級の過去問でよくある相談
質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。
相談1「1級は合格率が10%台と聞いた。何が難しい?」
1級は合格率がとても低いと聞いたが、何が難しいのかという相談です。厚生労働省「技能検定の実施状況」の受検申請者数と合格者数から計算してみましょう。機械保全1級の合格率は、令和5年度が約35.7%、令和6年度が約31.6%、令和7年度が約41.8%でした。
試験を行うJIPMのオフィシャルガイドでも、1級の目安は25〜35%です。公表されている数字から見る限り、10%台という話とは合いません。オフィシャルガイドの目安には、何年度の集計かの記載がない点も覚えておきましょう。
難しさを感じやすいのは、2級と同じ形の中で選択肢の違いが細かくなる所です。年度ごとの読み方は機械保全技能士1級の合格率・難易度で詳しく紹介しています。
相談2「過去問題集を数年分やるだけで受かる?」
市販の過去問題集を数年分解くだけで1級に合格できるかという相談です。過去問は出題の形と範囲をつかむのにとても役立ちます。
ただ、同じ問題がそのまま出るとは限りません。正解を覚えるだけでなく、選択肢ごとの理由をテキストで確かめておくと、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
相談3「1級の問題集に2級の過去問も入っている。解くべき?」
1級の勉強をしているが、手元の教材に2級の過去問も載っている、解いたほうがいいかという相談です。科目名と出題の形は同じなので、2級の問題は1級の土台を確かめるのに使えます。
2級に受かってから時間がたっている方や、2級を受けずに1級を受ける方は、まず2級の問題で土台を確かめてみてください。土台が固まっていれば、1級の問題に早めに移って大丈夫です。
相談4「他の機械保全技能士を持たずに、設備診断の1級を受ける」
機械保全技能士の資格を何も持たないまま、設備診断作業の1級を受ける予定で、過去問をどう使えばいいかという相談です。技能士の資格が無い場合は学科の免除がないので、共通の科目と設備診断法の両方を過去問で準備することになります。
共通の科目は、どの作業で受けても同じ問題です。先に共通の科目の過去問を一通り解いて出題の形に慣れてから、設備診断法の問題に進むと迷いにくくなります。
実技は、設備診断の1級では10課題を100分で解きます。測定データや損傷の読み方は、職場で実際の測定に関わりながら覚えていくのが近道ですよ。
よくある質問
機械保全技能士一級の過去問は無料で見られますか?
試験を行うJIPMの公式サイト「過去の試験問題」で、問題概要と正解を見られます。掲載された問題の無断複製や二次使用は禁止されています。
機械保全1級の過去問は何年分見られますか?
JIPMの案内では、過去に実施した試験の3年分(試験要項では3回分)が公表されています。古い年度の見出しも並んでいますが、どこまで開けるかはページで確かめてください。
1級の実技の過去問も公開されていますか?
機械系と設備診断は問題概要と正解が見られますが、写真や図版などの資料は公表されません。電気系は試験の前に問題が公表され、正解は公表されません。
機械保全技能士1級問題集は、2級用と別に買ったほうがいいですか?
2級に受かっていて土台が固まっているなら、1級の問題が多く載った物を選ぶと効率がいいです。2級から時間がたっている方は、1級・2級の両方が載った物で土台から確かめる方法もあります。
1級の過去問はいつ公開されますか?
試験の後に公開されます。2026年度第2回の1級は、2027年1月15日(金)10時から公表と案内されていました。
まとめ
- 1級の過去問は、JIPMの公式サイトで問題概要と正解が見られる
- 学科は真偽法25問と四肢択一式25問を100分、電卓は使えない
- 科目名と形は2級と同じで、1級の細目で広く書かれている所に時間をかける
- 真偽法は直せる所を探し、四肢択一式は消す理由をメモする
- 何周したかより、正解の理由を言えるかで仕上がりを見る





コメント