機械保全技能士の年収・資格手当|公的統計で見る相場と上げ方

機械保全技能士の年収と資格手当を公的統計で紹介する記事のアイキャッチ。工場の作業台に置かれた点検表と電卓

当サイトの記事は編集部が法令や厚生労働省などの公的機関、試験を実施する指定試験機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内にメーカー・工場の転職サービスへの案内(広告)を含みます。

『機械保全技能士を取ったら、年収はどれくらいになるの?』と気になっている方は多いですよね。資格の勉強を続けるかどうか、給料の目安は大事な判断材料です。

結論から言うと、機械保全技能士だけの年収の統計はありません。ただ、国の賃金統計にある近い職種の値を見ると、年収の目安と、会社の規模による違いがつかめます。

この記事では、公的統計の読み方と、資格手当の確かめ方、年収を上げる進め方をお伝えしますね。

目次

機械保全技能士の年収はどれくらい?

先に結論

令和7年賃金構造基本統計調査の「はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者」(設備保全に近い職種分類)では、年収の目安は約571万円です。きまって支給する現金給与額×12+年間賞与で計算した目安です。

まず知っておきたいのは、国の賃金統計には「機械保全技能士」や「設備保全」という独立した職種の区分がないことです。そこでこの記事では、設備保全に近い職種分類の値を使います。

使うのは、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、機械器具の整備・修理に従事する人の小分類です。工場の設備保全担当とぴったり同じではないので、目安として読んでくださいね。

項目(男女計・企業規模10人以上)値
平均年齢42.7歳
勤続年数15.0年
所定内実労働時間月160時間
超過実労働時間月18時間
きまって支給する現金給与額月371.8千円
うち所定内給与額月322.4千円
年間賞与その他特別給与額1,250.2千円
年収の目安(計算値)約571万円
令和7年賃金構造基本統計調査の設備保全に近い職種分類で、年収の目安を月の給与と賞与から計算する考え方を示した図解

年収の目安はこう計算しています

統計の表には「年収」という欄はありません。そこで、きまって支給する現金給与額の371.8千円を12か月分にし、年間賞与の1,250.2千円を足して計算しています。

この計算値は当サイトで出した目安で、国が公表している年収ではありません。平均年齢42.7歳、勤続15.0年の人たちの平均なので、若手の方は自分の年齢や経験に置き換えて読んでみてください。

所定内給与額と、きまって支給する額の違い

所定内給与額(月322.4千円)は、残業代などを除いた毎月の基本の部分です。きまって支給する現金給与額(月371.8千円)は、そこに残業などの手当を含めた額です。この職種分類では、超過実労働時間は月18時間でした。

近い分類の値もあわせて見る

同じ統計の表には、「その他の機械整備・修理従事者」という分類もあります。こちらは男女計で、きまって支給する現金給与額が月390.2千円、年間賞与が1,297.5千円、平均年齢は42.5歳です。

どちらの分類も、設備保全の仕事とまったく同じではありません。2つを並べて、だいたいこのくらいの幅という目安にしておくのがおすすめです。

自分の給料を同じものさしで比べる

統計の値と自分の給料を比べる時は、計算のしかたをそろえるのがコツです。手取りの額で比べると、税金や社会保険料が引かれているぶん、低く見えてしまうんです。

自分の年収の目安を出す手順
  1. 給与明細で、残業代や手当を含めた毎月の総支給額を確かめる
  2. 毎月の額にばらつきがあれば、数か月分の平均を出す
  3. 平均の額を12か月分にする
  4. 1年間に受け取った賞与の合計を足す
  5. 自分の年齢・勤続年数と、統計の平均年齢・勤続年数の違いも頭に入れておく

こうして出した額なら、統計の年収の目安と同じものさしで比べられます。高いか低いかだけで一喜一憂せず、年齢や働き方の違いも一緒に見ておくと、次に何をすればいいかが見えてきますよ。

会社の規模で年収はどう変わる?

ここでの結論

同じ職種分類でも、会社の規模が大きいほど、毎月の給与と賞与がともに高くなる傾向があります。特に差が大きいのは賞与なので、求人票では年間賞与の扱いまで見ておきましょう。

『同じ保全の仕事でも、会社によって給料は違うの?』と気になりますよね。令和7年賃金構造基本統計調査の同じ職種分類で、企業規模ごとの値を並べてみました(男女計)。

企業規模きまって支給する現金給与額(月)年間賞与その他特別給与額年収の目安(計算値)
1,000人以上411.7千円1,432.7千円約637万円
100〜999人355.8千円1,290.7千円約556万円
10〜99人342.0千円896.1千円約500万円

1,000人以上の会社の約637万円と、10〜99人の会社の約500万円を比べると、差がはっきり見えます。中でも年間賞与の差が大きいことが分かりますね。

規模だけで決めないための見方

ただ、規模が大きい会社ならどこでも給料が高い、というわけではありません。これはあくまで平均の値で、同じ規模の中でも会社によって差があります。

また、大きな工場では設備の数や種類が多く、担当が細かく分かれていることもあります。小さな会社では、一人で幅広い設備を見ることもあります。給料だけでなく、どんな仕事を任されるかもあわせて見ておきたいところです。

会社の規模を比べる時に見ておきたいこと
  • 年間賞与が「何か月分」か、業績で変わるか
  • 交替勤務や夜勤があるか、その手当はどうなっているか
  • 担当する設備の種類と台数の目安
  • 保全の部署の人数と、教えてもらえる体制
  • 資格の取得支援や資格手当の有無

働き方も給料に関わってくる

保全の給料を考える時は、働き方もあわせて見ておきたいところです。統計の「きまって支給する現金給与額」には、残業などの手当も含まれています。

厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)では、設備の定期修理の時などは、一時的にかなりの仕事量が発生するとされています。工場が止まる時期に集中して点検や修理を行うため、その時期は忙しくなりやすいんです。

『給料が高い職場は、そのぶん残業や夜勤が多いのでは?』と気になる方もいますよね。給料と働き方はセットで比べるのがおすすめです。

比べるところ給料への影響の例確かめ方
交替勤務・夜勤手当がつくことがある求人票の勤務時間と手当の欄
定期修理の時期一時的に残業が増えることがある面接で年間の忙しい時期を聞く
休日の数年収が同じでも働く日数が違う求人票の年間休日の欄

この表の手当の扱いは、会社によって違います。給料の額だけでなく、どんな働き方でその額になっているかを確かめておくと、入ってからのずれを防げますよ。

メーカーの工場の種類ごとの仕事の違いは、メーカーの設備保全職とはで紹介しています。

1級を取ると年収は上がる?資格と役割の関係

ここでの結論

機械保全技能士1級の年収だけを示した公的な統計はありません。年収に影響しやすいのは、資格そのものより「資格で任される役割がどう変わるか」です。

『機械保全技能士1級なら、年収はどれくらい?』という疑問を持つ方も多いはずです。残念ながら、級ごとの年収を示した国の統計は見当たりません。

ただ、級と役割の関係を見ると、給料が変わる道すじは見えてきます。法令で決められた各級の程度と、JIPMのオフィシャルガイドにある受検者に多い年齢層を並べてみました。

級法令の程度受検者に多い年齢層(JIPMの目安)給料につながりやすい変化の例
3級初級の技能労働者19歳以下(学生または新入社員)保全の部署への配属や異動のきっかけ
2級中級の技能労働者20〜24歳(入社2、3年前後)一人で点検・修理を任される
1級上級の技能労働者30〜34歳(入社10年前後)保全計画づくりや後輩の指導を任される
特級管理者または監督者35〜39歳(入社15年前後)現場をまとめる立場や管理職への道

「給料につながりやすい変化の例」は、級の程度から考えた目安です。役割が変わって昇格や手当につながるかどうかは、会社の制度しだいです。

機械保全技能士の級が上がると任される役割が変わり、昇格や手当を通じて年収につながる流れを示した図解

資格が給料につながる3つの道

資格が給料につながる道は、大きく分けて3つあります。

道中身確かめる所
資格手当資格を持っていることに対して毎月の手当が出る就業規則、求人票の手当の欄
合格報奨金合格した時に一時金が出る就業規則、社内の資格取得の制度
昇格・役割資格をきっかけに等級や役割が上がる人事の評価制度、上司との面談

厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)では、技能検定(機械保全)を取ることで技能が社内で認められて地位が向上することが多いとされています。毎月の手当より、昇格や役割の変化のほうが、長い目で見ると給料に効いてくることもあるんです。

資格を取ると何ができるかは、機械保全技能士のメリットで詳しく紹介しています。

資格手当はいくら?確かめ方のチェック表

ここでの結論

資格手当の額は会社によって違い、公的な相場の統計はありません。金額を想像で決めるより、就業規則と求人票で「対象の級・作業・支給の形」を確かめるのが確実です。

『資格手当って、だいたいいくらもらえるの?』というのは、一番気になるところですよね。ただ、資格手当の相場を示した国の統計はありません。

JIPMの案内では、企業・団体によっては受検料補助、合格報奨金、資格手当などを受けられることがあるとされています。あるかどうかも、額も、会社ごとに決まっているということです。

資格手当を確かめるチェック表
  • 機械保全技能士が手当の対象になっているか
  • 対象になる級はどれか(3級から対象か、2級からか)
  • 作業(機械系・電気系・設備診断)で扱いが違うか
  • 毎月の手当か、合格した時の一時金か
  • 複数の資格を持っている時に、手当が足されるか
  • 合格してから手当がつくまでに、どんな届け出が要るか

求人票で見るところ

転職を考えている方は、求人票でも手当の扱いを確かめられます。例えば、こんなところを見てみてください。

求人票で給料を読む手順
  1. 月給の内訳に、基本給と手当がどう分かれているかを見る
  2. 資格手当の欄に、機械保全技能士が入っているかを見る
  3. 賞与の回数と、前年の実績の書き方を見る
  4. 交替勤務・夜勤・残業の手当の扱いを見る
  5. 分からない所は、応募前に質問しておく

求人票の見方は機械保全技能士の求人の探し方|求人票で見るべき条件で詳しく紹介しています。

よくある失敗

月給の額だけで比べて、賞与の回数や手当の中身を見落としてしまうことがあります。会社の規模別の統計でも賞与の差が大きかったように、年収で比べると順番が入れ替わることもあるので気をつけましょう。

年収を上げるにはどうすればいい?

ここでの結論

年収を上げる道は「今の職場で級と役割を上げる」「評価の仕組みがある職場へ移る」「担当できる設備の幅を広げる」の3つです。今の職場で上を目指すのも、外を見てみるのも、どちらも前向きな選択です。

ここまでの話をもとに、年収を上げる道を3つに分けてみました。

道向いている人最初の一歩
今の職場で級と役割を上げる職場に資格手当や昇格の制度がある上の級の受検と、任されたい仕事を上司に伝える
評価の仕組みがある職場へ移る今の職場に資格を評価する仕組みがない求人票で手当・賞与・規模を比べる
担当できる設備の幅を広げる機械系・電気系の片方だけを担当している別の作業の機械保全技能士や電気の資格を考える

例えば、上司との面談で、こんなふうに切り出してみるのも一つの方法です。

「2級に合格したので、次は1級を受けたいです。あわせて、保全計画にも関わらせてもらえませんか」

資格と役割をセットで伝えると、評価の話につながりやすくなりますよ。

年数ごとに、給料の見直しにつながりやすい場面

JIPMのオフィシャルガイドの年齢層の目安をもとに、入社してからの時間軸で、給料の見直しにつながりやすい場面を並べてみました。

時期の目安受けることが多い級給料の見直しにつながりやすい場面
学生・入社したばかり3級保全の部署への配属、資格の届け出
入社2、3年前後2級一人で点検・修理を任される
入社10年前後1級保全計画や後輩の指導を任される
入社15年前後特級現場をまとめる立場になる

あくまで受検者に多い年齢層からの目安で、職場によって時期は前後します。自分が今どこにいて、次にどの場面を目指すかを考える時の地図として使ってみてください。

製造業全体の流れも知っておく

2026年版ものづくり白書の概要では、人材の定着のために「賃金水準の向上」に取り組む事業所の割合が71.5%で、最も高いとされています。製造業全体で、人を育てて残すことに力が入っているんです。

一方で、6割以上の事業所が「指導する人材が不足している」とも答えています。後輩を教えられる1級クラスの保全担当は、職場にとって大事な存在だと言えます。

設備の大きい工場で働いてみたい、資格手当や取得支援のある会社を比べてみたいという方は、メーカーの保全求人を見比べてみると、自分の年収の位置や選択肢が見えやすくなります。転職の進め方は機械保全技能士の転職|有利になる場面と進め方も参考にしてみてください。

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扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。

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求人の条件・待遇は各求人票と紹介会社の案内でご確認ください。

よくある相談に答えます

ネットのQ&Aにも、保全の仕事の給料についての相談はたくさん寄せられています。よく見られている3つに答えますね。

この章で答える相談
  • 電気工事士を取ったけど、未経験で工場の設備保全に転職できる?
  • 交替勤務込みでも年収に不満。転職したほうがいい?
  • 40代で中小から大手の工場に移れる?

相談1:未経験で工場の設備保全に転職できる?

閲覧数が特に多い相談です。厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)では、入職に公的資格は特に必要とされない一方、機械科や電気科などで学ぶ工学系の知識が必要とされています。

電気の資格を持っているなら、それは電気の知識があることの証になります。そこに機械保全技能士3級を足すと、保全の仕事への関心をはっきり示せます。3級は、JIPMの案内では実務経験を問わず受けられますよ。

相談2:年収に不満がある時は、転職したほうがいい?

『交替勤務の手当込みでも、思ったより給料が少ない』という相談です。まずは、今の給料を統計の値と比べる時に、年齢と勤続年数をそろえて考えてみてください。

この記事で紹介した統計は、平均年齢42.7歳・勤続15.0年の値です。若手の方が単純に比べると、低く見えてしまうこともあります。そのうえで、資格を評価する仕組みがない職場なら、外の求人を見比べてみるのも一つの方法です。

相談3:40代で中小から大手の工場に移れる?

会社の規模によって、採用の仕方には違いがあります。ものづくり白書の概要では、従業員数が多い企業ほど新卒採用中心、少ない企業ほど中途採用中心でものづくり人材を採用しているとされています。

大きな会社への転職は簡単ではない場面もありますが、1級や2級の資格と、担当してきた設備の経験は強い材料になります。どんな設備をどれくらい見てきたかを、具体的に書き出してみるところから始めてみてください。

経験を書き出す時の項目
  • 担当してきた設備の種類(機械・電気・空気圧など)
  • 一人で対応できる故障の例と、そのあとの再発防止の工夫
  • 保全計画や点検表をつくった経験
  • 後輩に教えた経験
  • 持っている資格と、その級・作業

よくある質問

機械保全技能士の年収の平均はいくらですか?

機械保全技能士だけの統計はありません。令和7年賃金構造基本統計調査の設備保全に近い職種分類では、きまって支給する現金給与額×12+年間賞与で計算した目安が約571万円です。

機械保全技能士1級の年収はどれくらいですか?

級ごとの年収を示した公的な統計はありません。1級は保全計画づくりや後輩の指導など任される役割が広がりやすく、その変化が昇格や手当を通じて年収につながることがあります。

資格手当の相場はいくらですか?

公的な相場の統計はありません。会社によって対象の級や支給の形が違うので、就業規則や求人票で確かめてください。

会社の規模で給料はどれくらい違いますか?

同じ統計の同じ職種分類では、1,000人以上の会社の年収の目安が約637万円、10〜99人の会社が約500万円でした。特に賞与の差が大きくなっています。

給料を上げるには、どの級まで取ればいいですか?

会社の制度によって変わります。まずは手当や昇格の対象になっている級を就業規則で確かめ、そこを目標にするのがおすすめです。

まとめ

この記事の要点
  • 機械保全技能士だけの年収統計はなく、設備保全に近い職種分類の値を目安にする
  • 令和7年賃金構造基本統計調査の近い職種分類では、年収の目安は約571万円(計算値)
  • 会社の規模が大きいほど給与・賞与とも高い傾向で、特に賞与の差が大きい
  • 1級の年収の統計はなく、資格で任される役割の変化が給料につながる
  • 資格手当は会社ごとに違うので、就業規則と求人票で確かめる
機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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