未経験から設備保全の仕事に就くには|資格と職場選びの進め方

未経験から設備保全の仕事に就く道を紹介する記事のアイキャッチ。工場の設備と机の上の教科書と作業手袋

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設備保全の仕事に興味はあるけれど、『機械いじりの経験もないのに、未経験で大丈夫かな』と迷っている方も多いはずです。求人に「未経験可」とあっても、入ってからついていけるか不安になりますよね。

結論から言うと、設備保全は未経験からでも就ける仕事です。厚生労働省の資料でも、入職に公的資格は特に必要とされないと書かれています。

この記事では、未経験からの3つの道と年代ごとの向き不向き、入る前に準備しておくことをお伝えしますね。

目次

設備保全は未経験からでも就ける?まず結論

先に結論

設備保全は資格が無くても就ける仕事です。ただし機械や電気の基礎知識は求められるので、入る前後で学ぶ計画を立てておくと、未経験からでも着実に力がつきます。

『資格も経験も無いと、応募しても相手にされないのでは?』と心配になりますよね。実は、保全の仕事に入る道は1つではないんです。

厚生労働省の職業能力評価基準(設備保全)では、入職に際して公的資格は特に必要とされないと説明されています。一方で、工業高校や高専の機械科・電気科などで、電気や機械の専門知識を身につけておくことが必要だとも書かれています。

つまり、「資格が無いと入れない」わけではなく、「知識は入ってからでも学び続ける」仕事だということですね。

保全の仕事は、どんな人が担っている?

厚生労働省の資料(保全)では、専門の保全スタッフを置かず、製造ラインの熟練技能者が保全を兼務するケースも少なくないと書かれています。入職のしかたも、新卒採用や中途採用などさまざまです。

製造の現場で働きながら保全に関わるようになった人も多い、ということです。今の仕事が製造なら、それ自体が保全への入口になりうるんです。

仕事の中身を先に知りたい方へ

設備保全の一日の流れや点検・修理・改善の中身は、機械保全の仕事内容で詳しく紹介しています。

2026年版ものづくり白書で見る、中途採用の位置づけ

2026年版ものづくり白書の概要では、従業員数が多い企業ほど新卒採用中心、少ない企業ほど中途採用中心でものづくり人材を採用しているとされています。中途で入る道は、会社の規模によって広さが違うということですね。

未経験で中途の求人を探す時は、大きな会社だけにしぼらず、地域の中小の工場にも目を向けてみると選択肢が増えますよ。

未経験からの3つの道と、年代ごとの向き(観点ずらし)

ここでの結論

未経験から設備保全に入る道は「製造の仕事から保全へ」「職業訓練を経て」「保全会社に入る」の3つに分けて考えると選びやすくなります。どの道が向くかは、今の仕事と年代で変わります。

『結局、自分はどこから入ればいいの?』と迷いますよね。3つの道の特徴を並べると、次のようになります。

道入り方良いところ気をつけたいこと
製造の仕事から保全へ工場の製造職で入り、保全に異動する設備を毎日見ているので覚えやすい異動できるかは会社しだい
職業訓練を経てポリテクセンターなどで学んでから就職する基礎をまとめて学べる訓練の期間は収入が減ることがある
保全会社に入る保全を専門にする会社に入るいろいろな設備に触れられる現場が変わるので覚えることが多い
未経験から設備保全に入る3つの道と、年代ごとに向く道を示した図解

年代ごとに向く道の目安

年代によって、取りやすい道は変わります。これはこの記事での考え方の目安なので、自分の事情に合わせて読みかえてください。

年代向きやすい道考え方のポイント
学生・20代前半製造から保全へ/新卒で保全に入る3級を受けておくと意欲が伝わる
20代後半〜30代製造から保全へ/保全会社に入る今の仕事で触れた設備の話を強みにする
40代以上職業訓練を経て/製造経験を活かして保全へ安全や品質の経験を伝え、学ぶ姿勢を見せる

JIPMのオフィシャルガイドでは、3級を受ける人で最も多い年齢層は19歳以下(学生または新入社員)、2級は20〜24歳(入社2、3年前後)とされています。若いうちに入る人が多い一方で、年齢を重ねてから保全を目指す人もいます。

『40代からでは遅いのでは?』と思う方もいるかもしれません。ただ、製造の現場で培った安全への意識や品質の見方は、保全でもそのまま役に立ちますよ。

製造の仕事から保全へ移る時のコツ

製造で入って保全に移る道は、いちばん自然な入り方の一つです。毎日動かしている設備の音や動きを知っていることは、保全の大きな強みになります。

製造から保全へ移るためにできること
  • 自分のラインの設備の名前と仕組みを覚える
  • 保全の担当者が点検する時に、横で見せてもらう
  • 上司に、保全に興味があることを早めに伝えておく
  • 3級の勉強を始めて、学んでいることを形にする

保全会社に入る道で見ておきたいこと

厚生労働省の資料では、プラントメンテナンス業(保全会社)の保全実務は「保全作業」と「保全管理」の2つに分かれています。保全作業は、お客さまのプラントの点検・検査、補修作業、劣化の防止、突発故障への対策などを行う仕事です。

いろいろな工場の設備に触れられるので、早く経験の幅を広げたい人には向いています。一方で、現場ごとに設備もルールも違うため、覚えることは多くなりがちです。

『現場がよく変わると、ついていけるか不安』という方は、面接でこんなふうに聞いてみてください。

「最初は、決まった現場で先輩と一緒に作業する形になりますか?」
「はい、まずは同じ現場で先輩について、点検と記録の仕方から覚えてもらいます」

最初の働き方が分かると、入ってからの姿が具体的に描けるようになります。職場の種類ごとの違いはメーカーの設備保全職とはでも比べています。

入る前に学んでおきたい知識と、3級の活かし方

ここでの結論

未経験から入る前に学んでおきたいのは、機械の部品、電気の基礎、安全の3つです。機械保全技能士3級は実務経験を問わずに受けられるので、学んだことを形にする目標として使えます。

『何から勉強すればいいのか分からない』という声もよく聞きますよね。機械保全技能士3級の学科の科目は、そのまま保全の基礎の地図になります。

JIPMの資料では、3級の学科試験科目は機械一般、電気一般、機械保全法一般、材料一般、安全衛生と、選択科目(機械系保全法または電気系保全法)です。保全で最初に覚えることと、ほぼ重なっています。

学ぶ分野最初に覚えたいこと仕事での場面
機械の部品ボルト・ナット、軸受、歯車、キー・ピン点検で緩みや摩耗に気づく
潤滑潤滑油の種類と劣化給油や油の交換をする
電気の基礎電圧・電流・抵抗、モーターの回り方回路計で測り、異常を見つける
空気圧・油圧シリンダーや弁の働き動きの悪い装置の原因を探す
安全衛生設備を止めてから触るなどの基本自分と周りの安全を守る

機械保全技能士3級を目標にする

JIPMの受検資格判定では、3級の対象は「機械保全に関する業務に従事している方、これから機械保全に関する業務に従事しようとしている方」とされています。実務経験は問わない(0年)ので、未経験でも受けられます。

2026年度の3級の試験は、第1回(3級のみ)と第2回の年2回の実施です。学科は真偽法30問・60分です。

試験の中身と受け方は機械保全技能士3級とはで詳しく紹介しています。

3級の受検手数料の減免

JIPMの2026年度試験要項では、3級の実技を受ける23歳未満の人に受検手数料の減免があります。在職者か学生かで額が違うので、申し込む前に試験要項で確かめてみてください。

電気の資格も視野に入れておく

厚生労働省の資料では、設備保全の関連資格として電気工事士や電気主任技術者なども挙げられています。電気寄りの保全の求人では、こうした資格が条件になっていることもあります。

まずは機械保全の基礎を固め、仕事の中身が見えてきたら電気の資格を足す、という順番でも大丈夫ですよ。一緒に取りたい資格は機械保全技能士と一緒に取りたい資格でまとめています。

職業訓練で学んでから保全に入る道

ここでの結論

働きながら学ぶのが難しい時は、ポリテクセンターの職業訓練で基礎を学んでから就職する道もあります。訓練の内容や期間はセンターごとに違うので、まずはハローワークで相談してみましょう。

『一度仕事を離れて、しっかり学んでから入りたい』という方もいますよね。そんな時に使えるのが、公的な職業訓練です。

例えばポリテクセンター宮崎の「機械設備保全科(企業実習付)」は、訓練期間6ヶ月です。機械設備の予防保全やオーバーホール、電気部分の故障の発見と復旧を学び、旋盤やフライス盤の操作、溶接なども扱うとされています。

訓練は無料ですが、教科書代(約5,000円)と作業服代(約6,000円~8,000円)は実費負担と案内されています。申し込みはハローワークです。

確かめたいこと確かめる先
近くのセンターに保全系のコースがあるかハローワーク、ポリテクセンターのサイト
訓練の期間と始まる時期各センターの募集案内
自己負担になる費用各センターの募集案内
訓練中の生活費や受講の条件の相談ハローワークの窓口

コース名や期間はセンターごと・年度ごとに違います。ポリテクセンター関西(大阪)では、求職者向けに6ヵ月または7ヵ月の訓練を受講料無料で行っていると案内されています。

教育訓練給付制度も知っておく

雇用保険の教育訓練給付制度では、一般教育訓練で教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。対象になるには、雇用保険の被保険者期間などの条件があります。

対象になる講座かどうかは、講座ごとに確かめる必要があります。職業訓練の詳しい使い方は職業訓練で機械保全を学ぶで紹介しています。

よくある失敗

「訓練を受ければ就職先が決まる」と考えて、修了後の就職活動の準備を後回しにしてしまうことです。訓練中から求人を見ておき、どんな設備の職場に入りたいかを考えておきましょう。

未経験可の設備保全の求人はここを見る

ここでの結論

未経験可の求人では、「誰が教えてくれるか」「最初に任される仕事」「資格取得の支援」の3つを確かめると、入ってからの伸び方が見えてきます。

『未経験可と書いてあれば、どこも同じでは?』と思うかもしれませんね。実は、未経験の人の育て方は職場ごとにかなり違うんです。

未経験可の求人で確かめたいこと
  • 先輩と一緒に仕事を覚える期間があるか
  • 最初は点検中心か、すぐに修理も任されるか
  • 機械保全技能士の受検を会社が後押ししてくれるか
  • 扱う設備は機械寄りか、電気寄りか
  • 交替勤務や休日の呼び出しがあるか

JIPMの案内では、企業・団体によっては受検料の補助、合格報奨金、資格手当などを受けられると書かれています。制度の有無は会社ごとに違うので、面接で聞いておくと安心です。

2026年版ものづくり白書の概要では、製造業の正社員に自己啓発支援を行っている事業所は83.7%で、「受講料などの金銭的援助」が最も多いとされています。学ぶことを後押しする会社は少なくない、ということですね。

求人票の読み方は、設備の種類・勤務体制・資格手当と取得支援・任される範囲の4項目で比べるのがコツです。詳しくは機械保全技能士の求人の探し方でまとめています。

面接で伝えたいこと

未経験で応募する時は、経験の代わりに「学ぶ姿勢」と「今までの仕事で身につけたこと」を伝えましょう。例えば、こんな伝え方です。

「保全の経験はありませんが、今の仕事で毎日の点検表を付けてきました。3級の勉強も始めていて、入社後は2級を目指したいです」

『そんなに話せることがない』と思っても、決められた手順を守ってきたこと、異常に気づいて報告したことなど、保全につながる経験は意外と多いものですよ。

入社してから伸びるための進め方

未経験で入ったら、まずは担当する設備の名前と仕組みを覚え、点検を先輩と一緒に回りながら記録の付け方を身につけるのが近道です。2級は実務経験2年以上(3級合格者などは短縮あり)で受けられるので、入社後の目標にしやすい資格です。

『入ってから、何をどの順番で覚えればいいの?』という不安もありますよね。次の順番で進めると、少しずつ任される範囲が広がっていきます。

未経験で設備保全に入ってから、点検・記録・修理・資格と力をつけていく流れを示した図解
入社してから伸びるまでの流れ
  1. 担当する設備の名前と、どこで何をしているかを覚える
  2. 先輩と一緒に日常点検を回り、記録の付け方を覚える
  3. 部品交換や給油など、簡単な作業を任せてもらう
  4. 3級を受けて、学んだことを形にする
  5. トラブルの時に、原因を調べる流れを先輩から学ぶ
  6. 実務経験を積んで2級を目指す

JIPMの試験要項では、受検資格の実務経験は機械保全に関する業務に就いた日から数え、入職後に訓練や教育を受けた期間も含むとされています。入社したその日から、2級への準備が始まっていると考えてみてください。

長く続けるために

保全の仕事は、設備の定期修理などで一時的に仕事量が増える時期があると、厚生労働省の資料にも書かれています。忙しい時期を見越して、体調や生活のリズムを整えておくことも大切です。

大変な所と続ける工夫は設備保全の仕事はきつい?で紹介しています。

よくある相談:未経験から設備保全を目指す時に聞かれること

ここでの結論

知恵袋では「機械いじりの経験が無くても大丈夫か」「20代後半から未経験で入れるか」「入るまでに何を勉強しておけばいいか」といった相談が多く見られます。

相談1:機械いじりの経験がまったく無い。設備保全の仕事は大変?

答え:最初は覚えることが多く、大変に感じる時期はあります。ただ、保全の基礎は入ってから学ぶ人も多く、経験が無いことだけで向き不向きは決まりません。

重い部品の扱いなどは、工具や吊り具を使い、周りと協力して進めるのが基本です。苦手なことは道具と段取りで補える、と考えておくと気持ちが楽になりますよ。

相談2:20代後半で、未経験から設備保全職に転職したい。できる?

答え:できます。今の仕事で設備や機械に触れた経験があれば、それを強みとして伝えてみてください。

あわせて、3級の勉強を始めておくと、意欲が伝わりやすくなります。応募先は、未経験の人を育てる流れが決まっている職場を選ぶと安心です。

相談3:入社まで少し時間がある。何を勉強しておけばいい?

答え:まずは機械の部品の名前と働き、電気の基礎(電圧・電流・抵抗)を押さえておくのがおすすめです。保全には、壊れてから直す事後保全と、壊れる前に手を打つ予防保全があることも知っておきましょう。

JIS(Z 8141)では、事後保全はおおむね「フォールト検出後に要求どおりの状態に修復させるために行う保全」と定義されています。用語の違いは予防保全・事後保全・予知保全の違いで紹介しています。

未経験から入るなら、職場選びがその後の伸び方を大きく左右します。教えてくれる人がいる職場や資格取得を後押ししてくれる会社を比べたい方は、メーカーの保全求人を見比べてみると選択肢が広がりますよ。

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扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。

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求人の条件・待遇は各求人票と紹介会社の案内でご確認ください。

よくある質問

設備保全は未経験でも就けますか?

就けます。厚生労働省の資料では、設備保全の入職に公的資格は特に必要とされないと説明されています。機械や電気の基礎知識は求められるので、入る前後で学ぶ計画を立てておきましょう。

未経験から設備保全を目指すなら、どの資格を取ればいいですか?

まずは機械保全技能士3級がおすすめです。JIPMの案内では実務経験を問わずに受けられ、学科の科目が保全の基礎とほぼ重なっています。電気寄りの職場を目指すなら、電気工事士も視野に入ります。

職業訓練で設備保全を学べますか?

ポリテクセンターでは、機械設備保全科などのコースを行っているセンターがあります。コース名や期間はセンターごとに違うので、ハローワークで相談してみてください。

未経験から設備保全に入るなら、メーカーと保全会社のどちらがいいですか?

一つの工場の設備を深く覚えたいならメーカー、いろいろな設備に早く触れたいなら保全会社が向いています。どちらも、未経験の人を育てる流れがあるかを面接で確かめておきましょう。

未経験で入った場合、2級はいつ受けられますか?

JIPMの試験要項では、2級は実務経験2年以上、または3級合格者などが受けられます。入社後に3級に合格しておくと、2級を目指しやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 設備保全は資格が無くても就けるが、機械と電気の基礎は学び続ける
  • 未経験からの道は「製造から保全へ」「職業訓練を経て」「保全会社に入る」の3つ
  • 機械保全技能士3級は実務経験を問わず受けられ、学ぶ目標にしやすい
  • 未経験可の求人は、教える人・最初の仕事・資格支援の3つを確かめる
  • 入社後は点検と記録から覚え、実務を積んで2級を目指す

機械保全技能士の資格の全体像は機械保全技能士とは?でまとめています。

機械保全技能士ドットコム

機械保全技能士ドットコム 編集部

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