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『機械保全技能士のテキスト、種類が多くてどれを買えばいいか分からない』と迷っている方も多いはずです。書店やネットで並んでいる参考書を見比べても、違いがつかみにくいですよね。
結論から言うと、テキストは「どの1冊がおすすめか」より先に、「自分の級と作業に何が足りないか」で選ぶのが近道です。教材をテキスト・問題集・実技の練習道具の3つに分けると、買うものがすっきり決まります。
この記事では、級と作業ごとの組み合わせと、選ぶ前に見ておきたい所をお伝えしますね。
機械保全技能士のテキストは公式には出ていない
試験を行う日本プラントメンテナンス協会(JIPM)は、テキストの発行も対策講座も行っていません。市販の参考書は、自分で中身を確かめて選ぶことになります。
JIPMのよくあるQ&Aには、「当会はテキストの発行や、対策講座を実施しておりません」と書かれています。『公式テキストがあるはず』と探していた方には、少し意外かもしれません。
JIPMの公式サイトには、過去問題を載せている書籍などを紹介するページがあります。ただし、その内容は機械保全技能検定事務局が保証するものではない、とも明記されています。
公式に無料で見られるもの
テキストを買う前に、公式で見られるものを押さえておきましょう。実は、ここだけでも勉強の土台はかなり作れるんです。
| 公式で見られるもの | 中身 | テキスト選びでの使い道 |
|---|---|---|
| 試験科目及びその範囲並びにその細目 | 等級ごとの科目と、その細かい中身 | テキストの目次と見比べて、範囲が合っているか確かめる |
| 過去の試験問題 | 過去に実施した3年分(試験要項では3回分)の問題と正解 | 出題の形を見て、どんな問題集が要るか決める |
| 試験要項 | 試験の形・時間・合格基準 | 本番の形に合った問題集を選ぶ |
| 電気系保全作業の実技試験問題 | 事前に公式サイトに掲載される課題 | 実技の練習で何を用意するか決める |
公式の過去問には正解は載っていますが、正解の理由までは書かれていません。そこを補うのがテキストや解説付きの問題集、と考えると役割が分かりやすくなります。
資格の全体像を先につかみたい方は、機械保全技能士とは?資格の内容・等級・取り方から読んでみてください。
試験の形を知ってから選ぶ
学科の出題の形は、等級によってかなり違います。JIPMの試験要項をもとに、テキスト選びに関わる所だけまとめてみました。
| 等級 | 学科の出題の形 | 試験時間 | 教材を選ぶ時の目安 |
|---|---|---|---|
| 3級 | 真偽法30問 | 60分 | 正誤を判断できる基礎の知識を広く |
| 2級 | 真偽法25問と四肢択一式25問 | 100分 | 基礎に加えて、選択肢を見分ける知識 |
| 1級 | 真偽法25問と四肢択一式25問 | 100分 | 2級より深い中身まで説明のある教材 |
| 特級 | 五肢択一式50問 | 120分 | 工程管理や品質管理など、管理の分野の教材 |
学科の合格基準は、100点満点で65点以上です。満点を目指すより、全部の科目で大きく落とさない準備を考えておくと気が楽になりますよ。
教材を3つに分けて考える。テキスト・問題集・実技の練習道具
教材は「理屈を知るテキスト」「出題の形に慣れる問題集」「実技の練習道具」の3つに分けて考えます。全部をそろえる必要はなく、自分の級と作業で足りない役割だけ足せば十分です。
参考書を探していると、つい「いい1冊」を探したくなりますよね。ただ、1冊で学科も実技も全部まかなえる教材は、なかなか見つからないものです。
そこで、教材を役割ごとに3つに分けてみます。

1. テキスト(理屈を知る)
テキストは、機械一般・電気一般・材料一般などの「なぜそうなるか」を学ぶための教材です。過去問で間違えた時に、理由を調べに戻る場所になります。
例えば、軸受や潤滑油の問題を間違えた時。問題集の解説だけでは分からない仕組みを、テキストの図で確かめるという使い方です。
「問題集の解説を読んでも、軸受の形がイメージできなくて。」
「そんな時こそテキストの図の出番です。部品の形が分かると、解説もすっと入ってきますよ。」
2. 問題集(出題の形に慣れる)
問題集は、本番と同じ形の問題を繰り返し解くための教材です。公式の過去問に解説を付けたものや、分野ごとに問題を並べたものがあります。
3級なら真偽法、2級と1級なら真偽法と四肢択一式の両方に慣れておく必要があります。自分の級の形に合っているかは、買う前に中を見ておきたい所です。
3. 実技の練習道具(手と目を慣らす)
実技は、読むだけでは仕上がりにくい部分です。作業によって、用意したいものが大きく変わります。
| 作業 | 実技の形 | 練習で用意したいもの |
|---|---|---|
| 機械系保全作業 | 判断等試験(写真や模型などを見て判別) | 部品の図や写真が多い教材、職場の実物 |
| 電気系保全作業 | 製作等作業試験(実際に配線などの作業) | 公式の事前公開問題、工具、1・2級はPLCとプログラミングツール |
| 設備診断作業 | 判断等試験(測定や判断) | 振動や軸受の損傷などを扱う教材 |
機械系と設備診断の実技の資料(写真や図版など)は「検定秘」のため公表されていません。そのぶん、部品の写真が豊富な教材や、職場の実物を見る時間が助けになります。
実技の勉強は、教材だけで完結させようとしなくて大丈夫です。職場の設備の点検に同行する、先輩に部品の見分け方を聞くなど、現場で見た物を教材と結びつけると覚えやすくなります。
級×作業で見る教材の組み合わせ表
3級は「基礎のテキスト1冊と過去問」、2級・1級は「選択科目まで扱う教材と実技の準備」、特級は「管理の分野の教材」と、級が上がるほど足す物が変わります。
『結局、自分は何を買えばいいの?』という方のために、級と作業ごとの組み合わせを表にしてみました。表の中の「あると助かる」は、余裕があれば足す物という意味です。
| 級と作業 | テキスト | 問題集 | 実技の練習道具 |
|---|---|---|---|
| 3級 機械系 | 基礎を広く扱う1冊 | 公式の過去問に解説が付いたもの | 部品の写真や図が多い教材 |
| 3級 電気系 | 基礎の1冊と電気の基本 | 同上 | 公式の事前公開問題と工具での配線練習 |
| 2級 機械系 | 共通科目と機械系保全法を扱うもの | 2級の形(真偽法と四肢択一式)のもの | 欠陥の見分けや潤滑剤の判別の教材 |
| 2級 電気系 | 共通科目と電気系保全法を扱うもの | 同上 | PLCのプログラミングとリレー回路の練習 |
| 2級・1級 設備診断 | 共通科目と設備診断法を扱うもの | 同上 | 振動や軸受・歯車の損傷を扱う教材 |
| 1級 各作業 | 2級より深く説明のあるもの | 1級の過去問に解説が付いたもの | 2級の練習に加えて保全計画の考え方 |
| 特級 | 工程管理・品質管理など管理の分野 | 五肢択一式に慣れられるもの | 計画立案の練習(計算やグラフ) |
3級の学科の科目は、機械一般・電気一般・機械保全法一般・材料一般・安全衛生と、選択科目(機械系保全法か電気系保全法)です。1級・2級では、選択科目に設備診断法が加わります。
機械保全技能士3級のテキストは1冊で足りる?
3級は「初級の技能者が通常有すべき程度」とされています。テキストは基礎を広く扱う1冊と、過去問の組み合わせで始めてみるのがおすすめです。
3級のテキスト選びをもっと詳しく知りたい方は、機械保全技能士3級のテキストの選び方も参考にしてみてください。
2級と1級は「共通科目」と「選択科目」で考える
2級と1級の学科は、機械一般や電気一般などの共通科目と、作業ごとの選択科目に分かれています。共通科目を扱う教材と、選択科目を扱う教材が別になっていることもあります。
| 確かめたいこと | 見る場所 |
|---|---|
| 共通科目(機械一般・電気一般・機械保全法一般・材料一般・安全衛生)を扱っているか | 目次 |
| 自分の選択科目(機械系保全法・電気系保全法・設備診断法)を扱っているか | 目次と表紙の対象の書き方 |
| 自分の級の出題の形の問題があるか | 問題のページ |
2級の教材の詳しい選び方は機械保全技能士2級のテキストとアプリ、1級は機械保全技能士1級のテキスト・アプリでまとめています。
おすすめを探す前に。参考書の中身で見ておきたい所
おすすめの参考書を探す前に、「対象の級と作業」「最近の試験の形に合っているか」「解説の詳しさ」の3つを確かめると、買ってから困ることが減ります。
ネットで「機械保全技能士 テキスト おすすめ」と調べると、いろいろな参考書の名前が出てきますよね。ただ、人に合う1冊が自分にも合うとは限りません。
同じ参考書でも、学生と現場で何年も働いている人では、ちょうどいい詳しさが違うんです。
- 対象の級と作業(機械系・電気系・設備診断)が自分と合っているか確かめる
- 目次を「試験科目及びその範囲並びにその細目」と見比べる
- 自分の級の出題の形(真偽法・四肢択一式など)の問題があるか見る
- 解説が「正解の番号」だけでなく理由まで書いてあるか確かめる
- 図や写真が、自分が苦手な分野で多く使われているか見る
- 発行の時期が新しいか、奥付で確かめる
少し前の版のテキストを使う時の注意
先輩から譲ってもらった教材や、中古で見つけた2021年版・2022年版のような少し前のテキストを使う方もいますよね。基礎の理屈を学ぶ目的なら、十分に役立つことも多いです。
ただ、試験の申し込み方法や日程などは年度ごとに変わります。そうした手続きの情報は、テキストではなくJIPMのその年度の試験要項で確かめておきましょう。
少し前のテキストに載っている受検手数料や申し込み方法を、そのまま今年の情報だと思い込んでしまうことがあります。手続きのことは、テキストではなく最新の試験要項で確かめてみてください。
中を開いた時に見ておきたいページ
書店で手に取れる時は、次のページを開いてみてください。ネットで買う時も、試し読みができれば同じ所を見ておくと安心です。
| 開くページ | 見る所 | 合っている目安 |
|---|---|---|
| 目次 | 科目の並び | 試験の科目と同じ名前や順番で並んでいる |
| 苦手な分野の章 | 図の数と説明の長さ | 読んで仕組みがイメージできる |
| 問題と解説のページ | 解説の書き方 | 間違いの選択肢がなぜ違うかまで書いてある |
| 実技の章 | 写真や図の量 | 部品や配線の様子が具体的に分かる |
「書店で見比べたら、解説の詳しさがぜんぜん違いました。」
「そうなんです。同じ範囲でも、自分が読みやすい書き方かどうかで続けやすさが変わりますよ。」
こんなふうに、読みやすさは実際に開いてみるのが一番の判断材料です。
機械保全技能士の電気のテキストは何を足す?
電気系は、学科の教材に加えて実技(製作等作業試験)の練習が欠かせません。公式の事前公開問題を軸にして、配線とPLCの練習ができる教材を足すのが基本の組み合わせです。
電気系保全作業を選んだ方は、『学科のテキストだけで大丈夫かな』と不安になりますよね。実は、電気系の実技は機械系と形がまったく違います。
電気系の実技は、試験用の盤に実際に配線などをする製作等作業試験です。課題は2つで、試験時間は110分とされています。
電気系の実技で用意するもの
JIPMの2026年度の実技試験の概要では、試験用の盤や支給材料は会場で準備されます。一方で、受検者が持ってくる物は等級で違います。
| 等級 | 受検者が持参するもの |
|---|---|
| 1級・2級 | PLC(プログラマブルコントローラ)とプログラミングツール(パソコン) |
| 3級 | 2番の十字ねじ回し、ニッパ、ワイヤストリッパ、ラチェット付き裸圧着端子用圧着ペンチ、回路計 |
練習でも、本番で使う物と同じ物に慣れておくと手が迷いにくくなります。会社で使っている物を借りられるかどうか、上司に相談してみるのも一つの方法です。
電気系の教材の組み合わせ
| 目的 | 合う教材 |
|---|---|
| 電気一般・電気系保全法の学科 | 電気の基礎を図で説明しているテキスト |
| リレー回路の理解 | シーケンス制御を基礎から扱う教材 |
| PLCのプログラミング(1・2級) | ラダー図の書き方から説明している教材 |
| 本番の課題の練習 | JIPMが事前に公開する実技試験問題 |
電気系の実技問題は事前に公式サイトに掲載されますが、作業試験のため正解は公表されていません。手順に迷った所は、教材や職場の詳しい人に確かめながら進めてみてください。
実技の練習の進め方は、電気系保全作業の実技対策で詳しくまとめています。
テキストを生かす勉強の進め方
最初に公式の過去問を1回分見て、出題の形をつかんでからテキストを読むと、どこを重点的に読めばいいかが分かります。テキストを最初から最後まで順に読み込むより、ずっと効率がいいんです。
テキストを買うと、1ページ目から順番に読みたくなりますよね。でも、全部を同じ熱量で読もうとすると、途中で止まってしまいがちです。
- 公式サイトで自分の級の過去問を1回分見て、出題の形をつかむ
- テキストの目次を見て、過去問で多く出ていた分野に印を付ける
- 印を付けた分野を中心にテキストを読む
- 問題集で同じ分野を解き、間違えた所に戻ってテキストで理由を確かめる
- 実技は作業に合った練習道具で、手と目を慣らす
- 試験が近づいたら過去問を時間を計って解き、時間配分を確かめる

すき間時間には問題アプリも使える
『テキストを開く時間がなかなか取れない』という方もいますよね。そんな時は、スマートフォンで解ける問題アプリを組み合わせる方法もあります。
アプリは、休憩中にいくつか問題を解くといった使い方に向いています。理由をじっくり調べるのはテキストの役目、と分けて使うのがおすすめです。
使い方のコツは機械保全技能士の問題アプリの使い方で紹介しています。
学ぶ環境で職場を考えるのも一つ
勉強を進めていると、『設備の種類が多い職場のほうが覚えやすそう』と感じることもあるかもしれません。テキストで読んだ部品を毎日の点検で実物と結びつけられると、理解はぐっと深まります。
今の職場で上の級を目指すのも、もちろん立派な選択です。そのうえで、資格を活かせる職場や、資格の取得を支援してくれる会社を一度見比べてみたい方は、メーカーの保全求人をのぞいてみると選択肢が広がりますよ。
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機械保全技能士のテキストについてよくある相談
よくある相談は「初心者でもテキストで受かるか」「1級・2級対応の教材の中身」「実技の対策」の3つです。どれも、教材の役割を分けて考えると答えが見えてきます。
ネットの質問サイトでよく見かける相談から、教材選びに関わるものをいくつか取り上げますね。質問はこちらで要約しています。
相談1「全く知識のない初心者が、テキストと問題集で3級に受かるのは難しい?」
機械の知識がほとんどない状態から、独学で3級を目指したいという相談です。
3級は「初級の技能者が通常有すべき程度」とされていて、JIPMの案内でも実務経験は問われません。知識ゼロから始めても、基礎を順に学べば十分に目指せる級です。
ポイントは、テキストを最初から全部覚えようとしないことです。過去問で出題の形を見てから、出ていた分野を中心にテキストで理由を学ぶ流れにすると、知識ゼロでも進めやすくなります。
相談2「1級・2級対応と書かれたテキストは、どちらの内容も入っている?」
表紙に「1級・2級対応」とある教材は、どちらの級でも使えるのか、という相談です。
1級と2級の学科は、科目の名前も出題の形も同じです。違うのは求められる程度で、2級は「中級」、1級は「上級」の技能者が通常有すべき程度とされています。
そのため、同じ科目を扱う1冊で両方に対応している教材があるわけです。2級を受ける方は、1級向けの深い説明の部分は後回しにしてもかまいません。
- 2級に受かったあと、続けて1級も目指したい人
- 同じ科目を深さを変えて学びたい人
- 2級の範囲だけを短い時間で仕上げたい人
- 1級の深い内容が多いと読み進めにくい人
相談3「3級の実技の過去問が文字だけで、どう対策すればいい?」
公式で見られる実技の過去問が文字だけで、イメージがわかないという相談です。
機械系の実技の写真や図版などの資料は「検定秘」のため公表されていません。そこで、部品の写真や図が多い教材を使って、名前と見た目を結びつけておくのがおすすめです。
JIPMの資料では、3級の機械系の実技の過去の出題例として、ボルト・ナット、潤滑油、工具・測定器、空気圧装置、軸受、ねじ、キー・ピン、密封装置、弁(バルブ)が挙げられています。職場にある物は、実物を手に取って確かめてみてください。
よくある質問
機械保全技能士の公式テキストはありますか?
ありません。試験を行うJIPMは、テキストの発行や対策講座を行っていないとしています。市販の参考書から、自分の級と作業に合うものを選びましょう。
機械保全技能士3級のテキストは何冊必要ですか?
基礎を広く扱うテキスト1冊と、公式の過去問の組み合わせから始めるのがおすすめです。解説が足りないと感じたら、解説付きの問題集を足してみてください。
古い版のテキストでも勉強できますか?
機械や電気の基礎の理屈を学ぶ目的なら役立つことが多いです。ただ、日程や申し込み方法などの手続きは年度で変わるので、JIPMのその年度の試験要項で確かめましょう。
電気系のテキストは機械系と別に必要ですか?
共通科目は同じですが、選択科目と実技の中身が違います。電気系保全法を扱う教材と、配線やPLCの練習ができる教材を足すのが基本です。
テキストだけで実技の対策はできますか?
読むだけでは仕上がりにくいので、実物や練習道具と組み合わせるのがおすすめです。機械系は部品の写真や実物、電気系は事前公開問題での配線練習を重ねてみてください。
まとめ
- JIPMはテキストの発行をしていないので、市販の参考書は自分で中身を確かめて選ぶ
- 教材はテキスト・問題集・実技の練習道具の3つに分け、足りない役割だけ足す
- 級が上がるほど、選択科目や管理の分野など足す教材が変わる
- 買う前に、対象の級と作業・出題の形・解説の詳しさを確かめる
- 電気系は事前公開問題を軸に、配線とPLCの練習ができる教材を組み合わせる





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