当サイトの記事は編集部が法令や厚生労働省などの公的機関、試験を実施する指定試験機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内にメーカー・工場の転職サービスへの案内(広告)を含みます。
『未経験から設備保全の仕事に就きたいけど、どこで学べばいいんだろう』と考えている方も多いはずです。仕事を辞めて学び直すか、働きながら学ぶかでも迷いますよね。
結論から言うと、機械保全を職業訓練などで学ぶ道は「求職中の職業訓練」「働きながらの給付制度」「会社の研修」の3つです。今の自分が求職中か、働いているかで、使える制度がはっきり分かれます。
この記事では、それぞれの対象と流れ、訓練中に資格を取る時のポイントをお伝えしますね。
機械保全を学び直す道は3つ
仕事を探している方はポリテクセンターなどの求職者向けの職業訓練、働いている方は教育訓練給付制度、会社が後押ししてくれる場合は社内の研修、と分けて考えると選びやすくなります。
厚生労働省の職業能力評価基準では、設備保全の仕事に入る時に、公的な資格は特に必要とされないとされています。一方で、工業高校や高専の機械科・電気科などで学ぶような、機械や電気の専門知識は必要とされています。
その知識を後から身につける道として、次の3つがあります。

| 学び直しの道 | 対象 | 主な窓口 | 費用の考え方 |
|---|---|---|---|
| 求職中の職業訓練 | 仕事を探している人 | ハローワーク(ポリテクセンターなど) | 受講料は無料、教科書代などは自己負担 |
| 働きながらの給付制度 | 雇用保険の被保険者などで条件を満たす人 | ハローワーク | 指定講座の経費の一部が支給される |
| 会社の研修 | 会社に雇われている人 | 会社の人事や上司 | 会社が負担し、会社が助成金を使うことも |
今の状況ごとの選び方
『自分はどれに当てはまるんだろう』という方のために、状況ごとの目安を並べてみました。
| 今の状況 | まず考えたい道 | 最初に相談する先 |
|---|---|---|
| 仕事を辞めて、次は設備保全の仕事に就きたい | 求職者向けの職業訓練 | ハローワーク |
| 今の仕事を続けながら、保全の知識を身につけたい | 教育訓練給付の対象講座 | ハローワーク、講座の案内 |
| 工場で働いていて、社内の保全の部署に移りたい | 会社の研修や勉強会 | 上司、人事の担当者 |
資格の全体像は機械保全技能士とは?資格の内容・等級・取り方でまとめています。
ポリテクセンターの求職者向け職業訓練
ポリテクセンター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)では、仕事を探している人向けに、機械設備の保全を学べる訓練を開いているセンターがあります。申し込みはハローワークで行います。
職業訓練と聞くと、『どんなことを、どれくらいの期間学ぶの?』と気になりますよね。ここでは、公式のページで確かめられる例を紹介します。
機械設備保全科の例(ポリテクセンター宮崎)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 訓練科 | 機械設備保全科(企業実習付) |
| 訓練期間 | 6ヶ月 |
| 学ぶこと | 機械設備の予防保全とオーバーホール、電気部分の故障発見と復旧、旋盤・フライス盤の操作、NC機械のプログラミング、溶接 |
| 費用 | 訓練は無料。教科書代(約5,000円)と作業服代(約6,000円から8,000円)は実費負担 |
| 対象 | 機械加工や設備保全の仕事への就職を希望する求職者 |
| 申し込み | ハローワーク |

機械の保全だけでなく、電気の故障の発見や加工の技術まで学べるのが特徴です。設備保全の仕事は機械と電気の両方に触れるので、幅広く学べるのは心強いですよね。
電気の設備を学ぶ訓練もある(ポリテクセンター関西の例)
ポリテクセンター関西(大阪)では、求職者向けに6ヵ月または7ヵ月の公共職業訓練を行っています。受講料は無料で、テキスト代は自己負担です。
電気系では「電気設備技術科」などがあり、電気設備や空調設備などの設計・施工・保守管理、高圧受電設備の保守点検を学べます。
訓練のコース名・期間・内容は、センターごと、年度ごとに違います。近くのポリテクセンターのページを見て、気になるコースがあればハローワークで詳しく聞いてみてください。
申し込みまでの流れ
- 近くのポリテクセンターのページで、機械や電気の保全に関わるコースを探す
- ハローワークで求職の申し込みをして、受けたい訓練を相談する
- 訓練の案内に沿って申し込み、選考を受ける
- 訓練を受けながら、ハローワークや訓練校で就職の相談を進める
『自分に合うコースか分からない』という時は、ハローワークの窓口で、目指したい仕事を伝えて相談してみるのが近道ですよ。
働きながら学ぶなら教育訓練給付制度
働きながら講座で学ぶ方は、雇用保険の教育訓練給付制度が使える場合があります。ただし、受けたい講座が給付の対象として指定されているかを、先に確かめる必要があります。
仕事を辞めずに学びたい方もいますよね。そんな時に知っておきたいのが、厚生労働省の教育訓練給付制度です。
| 種類 | 支給される額(厚生労働省の案内) |
|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 受講中は教育訓練経費の50%(年間上限40万円)。修了後1年以内に雇用された場合は70%(年間上限56万円)、さらに賃金が5%以上上がった場合は80%(年間上限64万円) |
| 特定一般教育訓練 | 教育訓練経費の40%(上限20万円)。資格取得などをして修了後1年以内に雇用された場合は50%(上限25万円)(令和6年10月以降に開講の講座) |
| 一般教育訓練 | 教育訓練経費の20%(上限10万円) |
支給の申請は、住所を管轄するハローワークで行います。
一般教育訓練の対象になる人
ハローワークの案内では、受講開始日に雇用保険の被保険者期間が3年以上あることが条件です。初めて給付を受ける場合は、1年以上で対象になります。
離職した方は、離職日の翌日から受講開始日まで1年以内であることも条件です。受講開始日の前3年以内に給付を受けていると、支給されません。
機械保全技能士の対策講座が給付の対象になっているかは、講座ごとに違います。厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で、受けたい講座を個別に確かめてみてください。
講習会や通信教育の選び方は、機械保全技能士の講習会・通信教育で詳しく紹介しています。
会社の研修と人材開発支援助成金
会社に勤めている方は、会社の研修で学べることもあります。会社が社員に職業訓練を受けさせる時には、人材開発支援助成金という会社向けの制度があります。
人材開発支援助成金は、会社が社員に仕事に関わる職業訓練などを計画に沿って受けさせた時に、訓練の経費や訓練中の賃金の一部などを助成する制度です。申請するのは会社で、個人が受け取るお金ではありません。
2026年版ものづくり白書には、企業がポリテクセンターの能力開発セミナー(制御システム関連)の受講に、この助成金を使った事例が紹介されています。
| 確かめること | 聞く相手 |
|---|---|
| 社内に保全の研修や勉強会があるか | 上司、先輩 |
| 外の研修やセミナーに参加できるか | 上司、人事の担当者 |
| 受検料の補助や研修費の補助があるか | 人事の担当者、就業規則 |
製造部門で働いている方は、まず上司に相談してみてください。
「保全の勉強をしたいんですが、社内で学べる場はありますか?」
「外のセミナーに出る方法もあるから、人事に聞いてみようか。」
こんなひと言から、学べる場が見つかることもあります。社内で保全の部署に移る道が見えてくることもありますよ。
訓練中に機械保全技能士3級を受けるには
機械保全技能士3級は、職業訓練を受けている人も受検できます。2026年度の試験要項では、訓練を受けている人は受検手数料の「学生」の区分に入るので、費用の面でも受けやすい級です。
訓練で学んだことを形にしたい方には、機械保全技能士3級が身近な目標になります。法令では、3級は検定職種に関して職業訓練を受けている人なども受検できるとされています。
JIPMの2026年度の試験要項では、「学生」には職業能力開発促進法の施設で職業訓練を受けている人も含まれます(受検申請の最終日に在籍していることが条件)。3級の受検手数料は、次のとおりです。
| 区分 | 学科のみ | 実技のみ | 学科・実技両方 |
|---|---|---|---|
| 23歳未満の学生 | 4,600円 | 6,200円 | 10,800円 |
| 23歳以上の学生 | 4,600円 | 10,000円 | 14,600円 |
| 一般 | 4,600円 | 15,400円 | 20,000円 |
23歳未満かどうかは、2026年4月1日の時点の年齢で判定されます。決済方法によっては、別に事務手数料などがかかります。
- 受けたい回の受検申請期間に、訓練に在籍しているか確かめる
- 機械系保全作業か電気系保全作業か、訓練の内容に近い作業を選ぶ
- 試験日が訓練の修了や就職活動の時期と重ならないか確かめる
- 訓練校の先生に、受検の経験や実技の練習方法を聞く
訓練のあとの仕事選び
訓練を終えたら、いよいよ仕事探しです。未経験から設備保全の仕事に入る進め方は、未経験から設備保全の仕事に就くにはで詳しく紹介しています。
ハローワークで紹介を受けるのも、もちろんいい方法です。そのうえで、メーカーの工場の保全求人を幅広く見比べてみたい方は、専門の求人を見てみると選択肢が広がりますよ。
メーカー専門の転職エージェント(PR)
資格を活かせる職場を探すなら、メーカーの保全求人も比べてみる
扱う設備の種類や勤務体制、資格手当・資格取得の支援は、工場や会社によって大きく違います。メーカー専門の転職エージェントで設備保全の求人を見比べて、今の自分に合う働き方を確かめてみてください。
無料メーカーの保全求人を見てみる求人の条件・待遇は各求人票と紹介会社の案内でご確認ください。
機械保全の職業訓練でよくある相談
相談で多いのは「ビル管理と設備保全の訓練の違い」「工業系の訓練についていけるか」「訓練中に資格を取れるか」の3つです。
ネットの質問サイトでよく見かける相談から、いくつか要約して答えますね。
相談1「職業訓練のビル管理と設備保全は何が違う?」
公共職業訓練でビル管理と設備保全のコースがあり、違いが分からないという相談です。
厚生労働省の職業能力評価基準では、設備保全は「工場の生産ラインに設置されている機械設備の故障や劣化を予防し、維持・保全すること」とされています。工場の生産設備を相手にする仕事、と考えると分かりやすいですよね。
ビル管理のコースは、建物の設備を扱う内容が中心になります。工場で働きたいのか、建物の設備を扱いたいのかで選んでみてください。
相談2「工業系の訓練を勧められたけど、機械いじりの経験がなくてもついていける?」
ハローワークで工業系の訓練を勧められ、経験がないことが不安という相談です。
求職者向けの訓練は、その仕事に就きたい人が基礎から学ぶためのものです。経験がないから向いていない、ということはありません。
不安な時は、訓練の見学や説明会があるかをハローワークやポリテクセンターに聞いてみてください。実際の訓練の様子を見ると、イメージがわきやすくなります。
相談3「職業訓練校に通いながら、資格試験を受けたい」
訓練に通いながら、資格を取っておきたいという相談です。
機械保全技能士3級なら、訓練を受けている人も受検できます。訓練の時期と試験日を照らし合わせて、無理のない回を選んでみてください。
よくある質問
機械保全の職業訓練は無料ですか?
公式ページで確かめられるポリテクセンター宮崎・関西の求職者向け訓練では、受講料は無料です。教科書代や作業服代などは自己負担になるので、コースの案内で確かめましょう。
職業訓練はどこで申し込みますか?
求職者向けの職業訓練は、ハローワークで申し込みます。まずは求職の申し込みをして、受けたい訓練を相談してみてください。
働きながら職業訓練を受けられますか?
求職者向けの訓練は仕事を探している人が対象です。働きながら学ぶ方は、教育訓練給付制度の対象になる講座や、会社の研修を考えてみてください。
訓練の期間はどれくらいですか?
センターやコースによって違います。例えばポリテクセンター宮崎の機械設備保全科は6ヶ月、ポリテクセンター関西の求職者向け訓練は6ヵ月または7ヵ月です。
訓練を受けると機械保全技能士になれますか?
訓練を修了しただけでは技能士にはなれません。技能検定の学科試験と実技試験の両方に合格すると、機械保全技能士と名乗れます。
まとめ
- 機械保全を学び直す道は、求職中の職業訓練・働きながらの給付制度・会社の研修の3つ
- ポリテクセンターの求職者向け訓練は受講料無料の例があり、申し込みはハローワーク
- 教育訓練給付は、受けたい講座が指定されているかを先に確かめる
- 人材開発支援助成金は会社向けの制度で、会社の研修で使われることがある
- 訓練中でも機械保全技能士3級を受検でき、受検手数料は学生の区分になる





コメント